映画と感想

簡単な映画評です。シネコンで見ようが、DVDで見ようがTVで見ようが、無慈悲に書いていきます(笑)。

5
MIP_ROGUE  

「ミッション:インポッシブル ローグ・ネーション」
監督・クリストファー・マッカリー
主演・トム・クルーズ

 いやぁ、面白いなぁ、、、。
 私映画にと言うかシネコンに通ってたのにブランクが
あるんだけど、MIPはこの辺からフルでリアルタイム。
 5作目らしいだけど、このあたりからかな気合いを入れたはずなんだけど
中だるみしだしたD・クレイグの007シリーズの本歌取りを完全にしたなぁと思ったのって。
 相変わらず、JJエイブラムスが関わってるんだけど、
どこにどんなふうに関わってるかは不明。
 監督と脚本はアウトローのクリストファー・マッカリーで
アウトローも原作も大ヒットのベストセラー作品ということも多分に
あるけど映画としてもかちっと出来てて面白かったので
コンビとして現在一番乗りに乗っているかもしれません。
 まぁ駄目な作品もちらほらありますが、、。
アウトローのジャック・リーチャー・シリーズは二作目の
ジャック・リーチャー NEVER GO BACKが超駄作なので要注意。

 冒頭の輸送機にぶら下がるつかみのシーンからイッキ見ですよ。
 スパイものというよりは、このブログでもしつこく書いてますが
MIPシリーズはアクションでつなげてます。
 あと定番になった不可能地域への潜入シークエンスも、、。
 だけど、本作あたりからアクションのキレがハンパじゃない。
 アクションもマジでどうやって撮ってるの??って言うシーンばっかり。
 それとサイモン・ペグとのコメディ・リリーフもシーンも
板についてきた感じ。
 モロッコでのカーチェイスとバイク・シークエンスも
圧巻の一言。
 トム・クルーズってほんとにバイク好きなんだけど、、。
 ただ、ケチを付けるというか残念なのは、ミストレスとしての
レベッカ・ファーガソンはわりとキャラ立ち出来ているけど、
 敵役のショーン・ハリスがもう一つ怖さとか存在として立ってないことと、
あれだけのアクションが序盤中盤とあった割には、ラストがね、、。
 追いかけっこと軽い撃ち合いだけってまじでちょっと拍子抜け。
 まぁ映画なので、最後は主人公と敵役がワン・オン・ワンで戦うって
のは十二分に理解できますが、、、。

 それと、懸念材料ももう一つ。これもこのブログで書いてきたことなので
繰り返しになっちゃうけど、アクションにキレがと書きましたが
 本作も最新から数えて二作前の作品でほぼ最新。
 MIPって常にハリウッドの最新のアクション、スタント、ファイティングイコリオグラファー、
カーチェイスを見せてるだけなので古くなると面白くなくなるのは
否めません。
 それだけをちょこっと。

関係記事。
MIP フォールアウト

MIP ゴースト・プロトコル
 

ライフ
 

ウィンド・リバー 

マイノリティ・リポート

トップガン

バリー・シール アメリカをはめた男

ザ・マミー 呪われた砂漠の女王
 

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

アウトロー 2012  

オール・ユー・ニード・イズ・キル 

レッド・オクトーバーを追え!

オブリビオン 

評価
☆☆☆☆☆。

2
DF  

「ダーティーファイター」
監督・ジェームズ・ファーゴ
主演・クリント・イーストウッド

 拳銃やバッチを使わずに腕っぷし一本で
自分の筋を通す男をCイーストウッドが演じた作品。
 前からこの映画の存在はばっちし知っていたけど
避けてたんだけど、ずーっと避け続けたほうが良かったかも。

 予想どおり面白くなかった。

 やりたいこともわかるし、イーストウッドが演じる、刑事でもなければ
探偵でもなく、またガンスリンガーでもない。
 はっきり言えば喧嘩が強いだけの英雄でない
ごくごく一市井の人なんだけれど、このファイロのキャラ設定が
悪いけどあまり良く出来ていない。
 というか、私にはリアリティも同情も感情移入も全くとは言えないけど
出来ない。

 最初だけなのね、喧嘩早くしかも強くて実はいい人だって
エピソードというか、だから作り物っぽく感じちゃう。
 ずーっと全編いい人なんだわ。
 半分コメディ仕立てにしたのも、緊張感が緩和して
良くなかったのかな、、。
 もっとアメリカの最底辺の只々殴り合う喧嘩だけの
男たちの話をリアルにブルース風に描けば、(実際の本編の脚本の趣旨はそう)
良かったのかなと思うぐらい。

 まぁ向こうの俳優でも主役クラスはほぼ全員がみんなそうなんだけど
イーストウッドも端から端まで演じ分けられる人では決してない。
 尊敬はしてるけど、表現も顔をしかめたり程度だし台詞回しは本当に下手だし、
演者としては下手だと思う。
 ただただ生き様を観客に見せてる感じ。 
 それもあんのかな、、。
 とにかく、もう一つかもう二つでした。

関係記事。
クライ・マッチョ

運び屋 

ハドソン川の奇跡 

グラン・トリノ

マンハッタン無宿

ダーティハリー 

「ダーティハリー4」

「ダーティハリー2」 

ファイヤー・フォックス

荒野の用心棒 

アウトロー 1976 

評価。
☆☆。

5
1993

「高校教師 1993」
脚本・野島伸司
主演・真田広之・桜井幸子

 とうとう、ブログにひとつテーマを作っちゃいました。

 世代もあるのかもしれないけど完璧。名作。神作。
 2000年以降は、野島伸司も書かされて使いつくされた感じがありますが 
(アニメ、映画、ドラマ小説なんでも誰でもそうなります)
 この「高校教師 1993」と局は違うけど「ひとつ屋根の下」は
野島伸司のベストワークではないかろうか?。
 「ひとつ屋根の下」は作り手としては話の作りやすい大量キャラによる
群像劇だったけど、
本作は、脇は結構出てきますが主要キャラの人間関係を絞りに絞り、
これでほぼノンストップで11話で描ききるのはすごいと思う。
 また、みんな上げると思うが、主題歌の森田童子の「ぼくたちの失敗」も
この作品のすべてを表していると思う。
 
 これ本筋の真田広之と桜井幸子の話ももちろん良いんだけれど、
それよりもっと良いのが、赤井英和と相沢直子のEpiも泣かせる。
 この二人、もう教師じゃないんだしこの後本当に出来てしまうと思う。
 真田広之がわりと表現ベタ(演技が下手ってことではないですよ)
な陰キャラの分赤井英和がめっちゃ立っている。
 最終11話もそうだけど、京本を殴るEpiもめちゃめちゃ良い。

 このドラマ、タイトルのあと&検索ワードで「気持ち悪い」って
でてくるんだけれど、概ねYahooの質問箱に繋がりますが、、。
 その気持ちを持つものめっちゃ分かる。
 私もどっかでそう思う。きれいに透明に性的な部分を
描いていない分余計に感じる。
 まず近親相姦ものが最初にあったらしいんですけど、それが気持ち悪いし、
土台、他人の性行為や恋愛そのものが実は気持ち悪い。
 もっと究極すると他人がもう既に気持ち悪いんですけどね。
 エヴァの「まごころを君に」でもキー・フレーズでアスカが
シンジに気持ち悪いってラスト言って終わるぐらいだから。
 それと、このへんはモロ鑑賞者と執筆者の性差が出る部分だと思うけど、
野島伸司が男性目線で最初から最後まで思いの丈をぶつけて
書いているってところがすべての理由。
 男性教師で女子校に行くってこれ野島伸司ぐらいのインテリなら究極の夢でしょ。
 それと、面白がって最終話まで見るわけだけど、
 最後の最後まで、幾ら見てても桜井幸子が何を考えているか
どういう気持でいるのか全然わからない。
 父親を取るのか、真田広之を取るのかも、、、。(これは脚本上のテクですけど)
 ミステリアスなのか、感情を出さないのが上手いのかもわからない。
 で、二人でちょくちょくあるデートシーンも、こんなこと
書くとあれだけど、全然楽しそうじゃない。
 二人で破滅の道を突き進んでいるとしか思えない。
 そこがこのドラマの魅力かもしれないけど、、。
 これ、恋愛モノじゃないんですね、今回がっつり見て思いました。

 その真逆が上記でちょこっと書いたけどちょっと歪んだり
屈折している真田広之も含めた男性キャラのリアルさ。
 京本も狂っとるわと赤井英和に言われるけど、
完全には狂ってなくてどこか理解できる。(女性は無理かな)
女性ができそうもないことばっかり実は求めているから。
 正確には余りある美貌とタレントに甘えてるっていえるかもしれないけど、、。
 真田広之はただただ戸惑っているだけ。
 で、追い詰められたり、思い切って実行すると
空港のシーンもそうですけどだいたいめちゃめちゃ大変なことになるという。
 峰岸のキャラも狂ってるようで最後娘の人生をギリギリ身を呈して
守ったのはわかる気がする。

 で、問題のラストなんですけど、、。
 リアルタイムでもがっつり見ているので一応は知っていたんですけど
あんなにいろんな解釈があるなんて、若かった私はバカでわかりませんでした。
 単純に心中をしたんだと思ってましたけど。
 思えば、置いてけぼりになって特急に乗り遅れたはずの桜井幸子が
追いついて乗れてるなんてどっかの時刻表ミステリでも無理ですよね。
 真田が寄り道した説もありかと思いますが、、、。

 だけど、こういう投げっ放しにするのもエンタメ作品や
小説でよくあるエンディングのパターンなんでやられちゃったなぁ
と思うだけですね。

 さっきも書いたとおり、基本どころかどこまで言っても
男目線のドラマだと思いますが、
 とにかくすごい作品だと思います。

関係記事。
ライフ 

評価。
☆☆☆☆☆。

4
長江  

「長江哀歌」
監督・ジャ・ジャンクー
主演・チャオ・タオ/ハン・サンミン

 センスと言うかなんというか、すごい映画。
 感覚が合うか合わないかで、かなり観客を分ける映画には
なると思うけど、ウェルプロデュースで超わかりやすいハリウッド映画
を見慣れてしまった我が身を叩き直されるような作品。

 ズバリ言っちゃうと、河瀬直美スタイル。
 脚本さえ渡してないんじゃないかと思うほどその場で
状況とセリフだけ教えてセリフを言ってもらってる感じ。
 多分、正規の俳優さんって女優のトップのチャオ・タオって人だけ
なのではないでしょうか、、。(実態は知りませんが)
 だってハン・サンミンは役名と俳優名が一緒だし
脇の人も現場で見つけてきたって感じのエキストラみたいな感じだし、、。
 みんな無表情でよくわからない感じでその場でセリフを
言ってる。
 だけどこれがリアルなんじゃないでしょうか、、。
 みんな一分後のことなんかわからないで生きているわけで、。

 簡単に言うとドキュメンタリータッチの創作ものです。
 三峡ダムの建設で水没と解体が余儀なくされる長江流域で
互いに別れていた家族を探す二人の男女を一切関係なく
変わり代わり描きます。
 この元の三峡ダムの風景がまた凄まじい。
 再開発で解体中と水没ということが前提ですけど
私達が知ってる資本主義で発展した中国じゃない。
 貧困もそうだし、美しい自然が残っているって感じでもなくて
意図的にそういうところを画角で切り取っているんでしょうけど
自然も相当破壊しててとにかく殺伐としてる。
 だけど、どこにでも人は居て、ギリギリ人情は残っている。
 二人の主人公の行動がまずそうですし、、
実は女性のほうが少し違うんですけど、、。
 そこに救われるし、どんな場所、国でも人がいる限り、
人の気持ちって一緒なんだなぁと救われるような気持ちになります。

 で、これもセンスなんだけど、突然、CGで作ったVFXが
ぽーんとたった数回ですけどアクセントみたいに打ち込まれる。
 へんてこりんな建物がロケットみたいに飛ぶのはびっくりしましたけど。
 ドキュメンタリータッチでリアルリアルで攻めているだけに
 なんか、幻覚でも見てしまったのかと変な感覚になっちゃいますけど。

 当たり前だけど、観客サイドを煽るような演出は一切ないし
説明も少ないし、よく見続けられるなぁ、、と自分でも驚くんだけど
得も言われぬ力でねじ伏せられて最後まで見てしまいました。
 というか、最後まで見てしまう。

 他にどんな作品を撮っているのかしりませんが。
 曲者というか異能者です、この監督。

評価。
☆☆☆☆。
但し、万人向けではない。余裕がある人どうぞ。

2
BJ  

「ブリジット・ジョーンズの日記」
監督・シャロン・マグワイア
主演・レネー・ゼルウィガー

 これ、シリーズ化されているので期待してみたんですけど
駄目でした。
 理由は明確でアラサー英国女子の感覚が私にはもう一つどころか全然ピンと
来ないんだろうけど、、。

 まだ頑張ったら結構イケる、典型的な昔でいうところの
ハイミスの冴えない日常を日記形式にリアルに描いたわけですけど、、。
 前半は割と日記です。ってナレーションや展開的にやっているんだけど
途中から話の展開が早くなって放棄されるし。
 基本これ恋愛ものなんだけど、ヒュー・グラントかコリン・ファースの
二択のどっちどっちの展開も最初から結末は見えてる。
 原作が大ベストセラーで、しかも脚本チームに作家自身が
入っているパターンであんまり大きな展開は原作からいじれなかったんだとは思いますが、、。
 
 あと、一番ネックになったのはズバり英語ですわ、、。
 この辺の経緯はWikiにも書いてあるのでそちらを参考しにしたらいいんですけど
大ベストセラー作品の映画化で主演選びには紆余曲折あったみたいですけど
存在感とかイメージ的にレネー・ゼルウィガーに決定。
 但し、彼女は米語しか喋れなかった。
 Oh NO!.
 ハリウッド得意の日本語でいうところの方言指導を強烈に
やったらしいですけど。
 これね、、私レベルの英語使いでも一聞はまぁするっと英語に
聞こえるんだけど、。
 なんと言っても、周りの脇の俳優を完全な英国人でガチって固めたでしょ。
 で舞台も完全に英国。
 これが、敗因というか、決定打。
 レネー・ゼルウィガーの訓練した英語が普通のセリフは良いんだけど、
感情を出して喋るときにそこはかとなく感じられる、ブリティッシュアクセントが
皆無です。
 で、それが周りのみんなにはあるので余計に下手に聞こえる。
 ヒュー・グラントもこれ逆の意味で言っているんですけど
「彼女の英語が酷かった」って。
 そこからむっちゃ努力してうまくなったって言いたいのね。
 三作も作ればうまくなるでしょ。

 ただ、相当体重は増量して撮影に望んだんでしょうけど、
見た目とか、雰囲気感じはレネー・ゼルウィガーでサイコー。
 というかこっちも三作で刷り込みかもしれないけど。

 現代英語のいわゆるスラングですね。
 犯罪者とか兵隊とか最底辺のひどいやつじゃない
普通のイギリス人が使う現代リアル英語のスラングの勉強になりました。
 わりとfuck,fuck言うしじゃないけどcuntもゲムスロじゃないけど
よく言うんですね、、。
 ゲイの人のことをカフとかカフスっていってような、、。
 ググっても出てこないので聞き間違えです。

 英語がダメダメって書いてきましたが、
でも、これ英国の女優をあててたらもっと硬い感じの
映画になって笑えない感じになった気もしますけど、、。

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評価
☆☆。

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