映画と感想

簡単な映画評です。シネコンで見ようが、DVDで見ようがTVで見ようが、無慈悲に書いていきます(笑)。

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iii291 

「青い山脈」
監督・今井正
主演・原節子

 途中T2の記事を挟んでしまったけど
原節子、主演シリーズに戻ります。
  
 すごい作品ですね、、というか、企画、5度も映画化されてます。
 撮り方にもよると思いますが、この作品が一番原節子さんが
美しく撮れているように思いました。
 というのも、ずるいですね、、。木暮実千代さんは別にして
他の女子高生は照明のあてかたか、メイクの仕方は
しりませんが、原さんとの肌の色の白さがぜんぜん違う、、。
 また、NHKも酷だ、。 
 知らなかったけど、ものすごいところでこの映画終わるんですよ
と思ったら、前後編の二本立てだった。
 是非、後編も放送して欲しい。
 というか、竜崎一郎さんが反対波にボコボコにされるところで
終わるんですが、あんなところで、終えられたら、
 誰だって、続編見に行くでしょ、、。ズルすぎ。

 また、主題歌が国民唱歌みたいになっていますが、
劇中で流れるテンポと私の知っているテンポが全然違う。
 ライブを重ねるうちにテンポが上がっていくのは、
ロックや、HR、HMと同じで、世界的普遍事項らしい。
 
 波乱を巻き起こす女は、杉葉子で、順番がテレコになってしまったけど、
本作で、杉葉子はデビューだったそうな、、。
 こりゃ、印象に残るな、、、。スターなりますよ、、。

 また、現在のアニメ、オタクでもキャラ立ての一つの道具に
なっている"ドジっ娘"ですが、もうすでに、本作で登場。
 リボンを付け、眼鏡っ娘の若山セツ子だ。
 いくら先生がいるとはいえ、
寝てしまうなんて、杉葉子より、油断し過ぎで、破廉恥で問題行動だろう!!。
 なんか、あのテーマ曲を劇伴にして自転車を乗るシーンだけが、
刷り込まれているけど、前編では一切そんなシーンない。
 竜崎一郎のほうが、自転車乗ってる。
 進歩の象徴だったのかな、、、。
 
 男女交際ぐらいで、学校の名誉とか、いうのはすこし古い気もするけど、
 あんな感じで、クラスでわーわー言って揉めたり、街中のうわさなったりという
ワイドショー的ドミノ倒しタイプの展開は、よくわかるし、おもしろい。

 とにかく、女教師として美しすぎる。

 でも、映画的には、そんなに大した作品で班ないと思う、、。

関係記事
「わが青春に悔なし」

「山の音」

☆☆☆1/2ぐらいかな。要するに映画的には普通でした。 

3
t2 

「T2 トレインスポッティング」
監督・フランク・ボイル
主演・ユアン・マクレガー

 あの4人が帰ってきましたって、、。
 前作観てません。思い入れゼロとまではいかないけど、
前作からきっちり追いかけている人には、完敗っす。
 私の場合、というか、皆さんそうだと思うのですが
基本の趣味ってそんなに変わらないんだけど、何年か周期で
HOTな時期が訪れます。どっかの彗星みたくに、、。
 丁度前作のころって、映画そのものに情熱を失っていた時期で
というか、今でもですが、
 ハリウッドというか、正確に言うと、映画会社の重役ぐらい
の狙いですが、透けて見えるんですよね、、。
 どの辺のプロデューサー使って、監督はこいつに
させてって、、、。
 今は、このヘロヘロブログ書いていることもあるけど、
 映画って割りと安く面白く時間潰せるアイテムだなって
気づいて、観てます。
 それとライブじゃないけど、そんなに冷めた目で見るんじゃなくて
一緒に馬鹿になって見ることも重要だな、、て認識してます。

 だけど、もう90年代からいえば、20年なんですね、、、。
 一作目で高校生だったティーンも37ぐらい、。時代時間って怖い。
 それは、このスコットランドの片田舎というには大きすぎるエディンバラの
ジャンキー4人もそう。
 ロバート・カーライルが太ったな、、、。
 ワンス・アポン・ア・タイムから思っても超マッチョに、、
これ、役作りですかね。
 しかし、この20年間で、ユアン・マクレガーは、アナキンの手足を切断させて
溶岩の火口に置き去りにし、
 シック・ボーイは、NYで東洋系の女性のワトソンとホームズと名乗り同棲中。
(現在、エレメンタリーDチャンネルでやってくれててハマりました)
 スパッドはユアン・マクレガーも出てた、ブラックホークダウンでも出てたし、
AVPが一番かな、、。
 べグビーは、相変わらずの悪役路線で、「ワンス・アポン・ア・タイム」で
活躍してました。
 だけど、本作では、個人的にはべグビーが根っからのワルで一番面白かったけど、、。

そのベグビーのバイオレンスシーン三連発
be
まずは、刑務所で殴り、殴るとき、言ってはいけない、cunt.
be2
前作で、金を持ち逃げしたレントンをトイレで偶然出会い、
またもや、cuntの一言。
be3
サイモンが、Honestly mateと言った瞬間に
HIT!。

 一番この映画を観たかったもは、ドラッグ文化とか、英国正確にはスコットランド。
の底辺の生活とかより、私、英語力向上という映画鑑賞におけるプランBがありまして、
丁度、字幕がついてて映画やドラマ見るとよく聞き取れるという中途半端野郎なんです。
 うちの家族みんなスゲー英語力ももっているんですが、
私は、家族で最下位です。字幕でだっと読んでかなり単語を先に予想しているらしく
字幕ないと、ほとんどというか、完全にギブアップですね、、。
 で、一回、帰宅した後、風呂上がり疲れてでぼーっとTV見てると、ポツポツ
単語が聞き取れる不思議なインタビューを見たんです。
 へーこれ、オランド語かな、、ぐらいの、、。なんと、そのインタビューで
喋ってる人間も知ってる。よく観たら、サッカー選手のジェラードじゃないですか、。
 これ、英語なの、、と。スゲーっイギリスの底辺の英語って。
 fuckなんて全然言ってないけど英語に聞こえない、、。 
 これが、スコットランド訛だったら、、ってずーっと思ってて、
 この映画でスコットランドのナマの英語を聞きたかったんですよ、、。
BBCとかでない。
 これは、ビンゴだった。
 すごかった。多分、今までで一番すごい英語聞いたよ。
 だって、yesなんて言わない。全部、「ゲムスロ」みたいなAye。
アイっていうのって古いというか、ダサいんだと思ってたけど、、。
どうなんですかね、、。ネイティヴの友達居ないんで、わかりませんが、、。
 後、スコットランドの片田舎と言ってから、否定しましたが、
 エディンバラってスコットランドの首都で、日本でいえば、東北の仙台か、札幌
ぐらいの感覚なんですよね、、。
 だから、けっこう街だったでしょ、。でもやっぱり再開発とか地元中小企業の投資
計画とか、英国でも一極集中からの脱皮で
地方再生みたいなことでもがいているんですね、。
 
 ちょっと、映画から離れてしまいましたが、
前作の万引きして走って逃げるシーンは超有名ですが、(観ていない私でも知っている)
レントンが走れないところから始まります。
 といっても、劇中で必要にかられてはしってますけど、、。
 もう前作みたいなドラッグムービーではないですね、、。
 ちょっと映画そのものの主旨が変わってきたか、、、。
 だって、もう原作なしだし、企画そのものが独り歩きしてることは
間違い無しで、、。
 日本映画によくあるセンス勝負の映画ですね、、。
 ユーモアにしても、画面構成にしても、シークエンスにしても、会話もなにもかも
 だけど、これが、最先端でかっこいいかは、微妙だし。
 前作のどこかチープな感じはなかったり、
 わりと違う映画っぽい。映像の感じなんか、「スラム、、、」に近い気がしました。
 一番有名なラスト・フォー・ライフも
、最後の最後までかけないところにこの映画に対する拘りというか、
真骨頂を見ました。
 
 面白さは、微妙だな、、。
 はっきり言って、金はかかっているけど、便器に流れたりというような、
前作ほどの映画史に刻むようなセンスはないっす。
 よくある、中年たちのノワール系のムーヴィー。

 というか、若さって歳取るとわかるけど、若いと全然わかんないだろうけど、
ある意味人として一番決定的な特権なんですよ。
 それだけが、唯一の彼らの中年を描くわけだから、、。
 違う映画に成って当然と言われたら、そうだけど、
 いつからでも、人生は始められるし、この映画の一つのキーワード
chooseも中年のchooseはどうなんだと、、。
 もがきあがいた劇中ですが、、、。

ネタバレ

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 結局、元にもどるのは、ある意味、一番きつい絶望と
現実をこの4人に見せつけたのかもしれないし、
 脚本家とダニーボイルでも終わらせ方にさじを投げたとも
取れるし、。

 さぁ、歳を取ったとき、どうするスコットランドのジャンキーたち。

☆☆☆。

4
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「山の音」
監督・成瀬巳喜男
主演・原節子

 いわゆる、文芸大作。こういった作品に俳優さんは出て
演技を思う存分したいのだと思う。
 原作は、ノーベル文学賞の川端康成。
 監督は名匠、成瀬巳喜男。実は、成瀬作品は始めて見ます。
黒澤さんが助監督についていたぐらいの時代の人ですから、
戦前からバリバリ仕事をしていた人です。
 と、偉そうに書いていますが、全部文献資料から得た、
二次資料です。
 見た、作品の中で、一番難しくて、正直良さがあんまりわからなかった。
 ただ、浮気する夫に抵抗するために堕胎するという芯が強いというか、
もうそれを越えていると思うのだけれど、
ものすごい女性を原さんが演じております。
 その息子の嫁を気遣うのは、山村聡。
 これ、メイクによる老け役ですよね、、。ちょっと私的映画史における作品と
年齢が合わないんですが、、。
「人間の條件」の山村聡さんを見たときに、暴れまくっていて
びっくりした記憶があるのですが、、。
 「人間の條件」は仲代さん主演でこのあとです。

 静かでとても美しい、緑あふれる鎌倉の描写、そしてその息子の嫁を
気遣う、舅。
 鎌倉から通えるんですね、、。東京に。知らなかった。
 それと裏腹に、原さん演じる嫁は壮絶な抵抗をみせると
いう、こうやって、改めて書くとやっぱりすごい映画かもしれない。

 順番があべこべになりますが、脇になりますが、杉葉子さんが印象に
残りました。あと当然ヒール的な上原謙さんも、、。

 耐える日本の嫁、芯の強さとかが一番出た原作品かもしれません。

関係記事
「わが青春に悔なし」

感想書いていて急に評価上げました。
☆☆☆☆☆



4
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「わが青春に悔いなし」
監督・黒澤明
主演・原節子

 黒澤作品ということで、一番楽しみにしていた作品。

 GHQ推奨の民主化作品ということで、敗戦後の翌年に制作されています。
 あんまり政治的なことを書くのは、好きではないのですが、
GHQが絡んでいるということもあり、この時期にこれだけ、コロっと
態勢が変わった映画をよく作るなぁ、、と呆れるほど、、。
 戦時中がいかに悪くて、戦争が終わっていかに人々がのびのび
生活できるようになったかを実際の事件になぞらえて描かれています。
 初期の黒澤作品とは言え、カメラの中井朝一とか
主要スタッフはもうほぼ揃っている感じ。
  
 原さんですが、正直、この人、目と鼻が大きくてカメラとフィルムの
性能のよくなかったころの女優さんだなというのが、第一印象。
 美人ではあるけれど、そんなに飛び抜けた感じじゃないな、、と思っていたのですが。
 しかし、どこか、その大きな造作の顔とは裏腹の控えめで質素な
キャラが演技などからにじみ出てくるようです。
 小津さんとの作品が有名ですが、黒澤さんとは、この作品と
「白痴」でタッグ。

 ただ、他の監督さんの作品に比べ、黒澤色が映画後半に出まくっています。
 近所中を敵に回して、田んぼで泥だらけで作業する壮烈なシーンが続くのですが、
 原さんが泥だらけになっているだけで、心と身がが締め付けられるようです。
 画面に勢いや、動きをつけることが好きな黒澤ティストがもうすでに出ています。
 前半の穏やかな学生生活が遠い昔に思えるほどの
後半の田舎での壮絶なシークエンスとなります。
 
 男優には厳しかった黒澤さんですが、女優には、演技指導が甘く、
もっと厳しくやってほしいと女優から懇願されたりしていたとか、、。
 その証拠というか、女優はあんまりこだわりがないというか、
コロコロ変えているでしょ、、。
 
 ただ、言っちゃいけないこととは思いますが、
この敗戦後のこの時期にこうも時流に合わせておもねった作品を作るのは、
 ズルい気がします。

関係記事
「赤ひげ」

「七人の侍」

☆☆☆☆
 
 
 
 

hara

 NHKBSで原節子さんの映画を4本も連日放送していたので、
 全部見てみた件。
4本、ごくごく簡単に感想などを書きます。  

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