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「武士の一分」
監督・山田洋次
主演・木村拓哉

 藤沢原作を、山田洋次で映画化した三部作のラストを飾る作品。
いま、山田洋次は、橋爪功や吉行和子を主演に
「家族は辛いよ」シリーズを撮っています。
 藤沢ティストと山田洋次ティストは若干違うと以前書きましたが、
 これが、一番合致したかも、、。
 というのは、これが、三部作中一番シリアスだったから、、。

 檀れいはともかく、木村拓哉って一人ゲッチュとか言ったり、どっか
目立とうとか、カッコつけようとする傾向がなんとなく透けて見えて
あんまり好きでなかったのですが、
 これは山田洋次が演出で抑えに抑えにまくったのか
 アドリブ的な目立ちがあまりなく、自然に見られてよかったから。

 そして、相変わらず、山田洋次は殺陣に興味があまりないことを
再認識。
 「たそがれ、、」は二つ原作を合わせたり、小太刀だったり、
 二作目は書けないけど、、時代劇的に普通に殺陣を見せずに
一捻りしてこだわっているのだから、
 その辺、原作に合わせてほしかったな、、。
 山田洋次ってやっぱり殴り合いとか殺し合いとか、バイオレンスな要素は
排除する傾向にあるんですね、、、。
 これも、短編からおこしているせいか、冗長な演出に
色々感じるんだけれど、
 ああぁ、ここは、脚本で足してるなぁとか、思うこと。
 どうしてかわからないけど三作の中では一番シリアスに
感じられた、、。体調が逆に悪かったのかな、、。
 コメディリリーフが「隠し剣 鬼の爪」に比べると少なかったからかもしれませんが、、。
 
 殺陣にこだわるようですが、これ、座頭市なんですよ、、。
 もうちょっと殺陣が見たかったいうか、
 もう一捻りして、やっつけてほしかったなぁ、、、。
 そこが残念。
 飯炊き女のは、ソッコー気づきましたよ。
 あれは、ちょっとイージーすぎ。

 それと、もう一つ、しょーもないツッコミを、、
一応、バレてないことになってますが、武士って浪人でない限り、
藩に雇われている限り、私怨私闘は禁じられているはずなんですが、、。
藤沢さんが知らないはずはないし、
 原作ではどう処理されているのか、気になります。
 
 でも、家族は辛いよじゃないですが、夫婦って一山も二山も切り合い
なんかせずともあってあたりまえなんですけどね。 
  
 海坂藩って東北のどこの設定か知りませんが、
"せば"と"がんす"を覚えました。

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「隠し剣 鬼の爪」

☆☆☆☆