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「ワイルド・スピード ICE BREAK」
監督・F・ゲイリー・グレイ
主演・ビン・ディーゼル

 盛り上がってんなぁ、、ぐらいで、半眼訥々で
眺めてた、「ワイルド・スピード」シリーズ。 
 まぁ、アメリカって完全な車社会だし、。
 (大都会以外、公共交通機関が一切整備されていない)
 画面にイカした、車さえ写っていたらいいみたいな
車好きの人っていっぱいいるだろうし、
 その辺の固定客掴んでとか思ってたのですが、
 真剣に見てみたら、意外に面白かった。

 もう初期の車レースみたいなのから、本筋は完全に主旨が
変化しているのですが、本作でも冒頭は、
キューバでのレースのシークエンスから始まります。
 やっぱりレースは未だにするんだ、みたいな、、。感じ。
 キューバも車社会的には、面白いところで、
キューバー革命以後、アメリカとの縁が切れたので、
50年代頃の古き良きアメ車がピカピカでレストアされて走っていて
マニアには、たまらないそうですね。
 その辺を本作でもついています。相変わらずハリウッド商売うまい。

 また、クルマ好きのアメリカ人って話しましたが、
 実は、初期のレーズがメインだった頃には、日本の小さな
レーサーカーがスクリーン狭しと走り回っていたんですよね。
 だから、けっこう最初から矛盾を抱えたというか
アンビバレンツな映画ではあったわけです。

 また、これだけシリーズが続くと、俳優さんも初期から変わってるし、
 時系列も作品順じゃないし、、で、まぁ、早い話、
堅いこと抜きで、飛び込みの私みたいなお客様もOK
な作品なのです。

 一番最初に思ったのは、ビン・ディーゼルが太ってて老けたこと。
「トリプルX」ぐらいのイメージでビン・ディーゼルを捕らえていたので
そしてなんか、主演もドウェイン・ジョンソンに乗っ取られつつありますね。
 それと、脇もすごくて、ほぼオールスターキャスト。
 ルーク・エヴァンズにジェイソン・ステイサムとか
 ちょっともたいないぐらいの使い方でしょう、、。
 Jステイサムの母親役でヘレン・ミレンまででてきたら、
一体、主役級の俳優が何人出てるんだって話し。逆にファミリーの
メンツが寂しく感じちゃう。

 これ、最初は、なんで、車乗って、全部やらなきゃいけないのって思いながら
見るわけですが、
 人間何にでも慣れるもので、終盤の方になると、
そのツッコミがあんまりつっかえ棒にならなくなってくるから不思議。
 逆に、車が人間が開発した最も身近で早い最高の道具だ
ぐらいに思えてしまうから、映画ってすごい。

 カーアクションについても、ちょっとファンには興ざめかもしれないけど、
少しネタバラシ。もう皆さん知っていると思うけど、ハリウッド映画の
カーアクションシーンって実は撮影時あんまりスピード出てません。
これ、めちゃめちゃ有名な話し。
 もちろんスピード出して撮っているシーンはありますが、ごく少数。
 一応、60年代後半の「ブリット」でカーアクションが始まったと
言われて言ますが、そのご、スピード感を出そうと、どんどん
実車の速度を上げて撮影するのですが、不思議な事に画面上で
早く見えない。
 これ、高校生や大学生映画研究部の映画なんかでよくある現象
なんですが、撮影の技術が未熟だと自分が思っている
画面にいくら撮影してもならないという、、。
 実車の速度を上げてもあんまり早くというか、迫力あるシーンにならないことに
ハリウッド連中、とりわけ、カースタントやアクション班のディレクター
が気づいていきます。
 70年代や80年代初期は、とにかく、無駄に車を早く走らせて撮影してました。
 そして、遅く撮ったのを不自然にならない程度に早回ししたり、とにかく
どんちゃか、ぶつけたりして誤魔化してます。
 特殊効果で全部、CGで処理したり全部ミニチュアで撮影しないのと
おなじですね、その撮影方が得意なシーン、得意なシーンをつなげています。
 こんなあたりでも、やっぱりアメリカの映画撮影技術は
超先行しています。 
 閑話休題。

 でも、爽快感はあるけど、完璧な映画かというと、
そうでもないんだな、、、。
 なんか物足りなさもある。
 まぁ、好みだと思いますが。
 
 これ、前作が輸送機でしたっけ、覚えてないけど、
 で、今回は、潜水艦というわけで、、、。
 もうあとは、空母ぐらいだな、、、。

☆☆☆☆1/5ぐらい。