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「メッセージ」
監督・ドゥニ・ビルヌーヴ
主演・エイミー・アダムス

 これ、原作、めちゃめちゃ頭のいいSF作家テッド・チャンなんですよ、、。
予告編の時から、ずーっと期待してました。
 原作は、もう7,8年か10年くらい前になるのかな、、
「あなたの人生の物語」という短編でして、同名の短編集に収録されています。

 リアルタイムで読みました。←自信を持って。

 でも、内容忘れてました。
 SF的にすごい話だなぁっていうのと、二人称で描かれている
ことぐらいしか、覚えていません。
 テッド・チャンって所謂フルタイムの作家ではなくて
本業が別にあって、パートタイムで書いているSF作家です。
 だから、すごい寡作です。
 正直、もっと書いてほしい。
 原作について、書き出すと、いつも、本来の映画評を
圧迫する勢いになってしまうので、この辺にして、
 原作の内容忘れてたのが、良かったのか悪かったのか。

 この映画、まさか、SF的肝がわからなかったという人はいない
と思うのですが。
 評価はすごい難しい。
 SF的には、所謂ファーストコンタクト物で、言語学者が
言葉でトライしてみるところが、映画としての全体のフレームワーク
なのですが、SF的ネタというか、キーはラストにあります。
 それで、意図的に、ファーストコンタクト物としては、
ベタな、ヘプタポッドとか、ポッド系の宇宙人にしたり
してるのかな、、とか勘ぐりましたが、
 このベタ感って、鑑賞後、原作読み直しましたが、
テッド・チャンの原作でもそうなんですね、、。
 だから、ある意味、このへんは忠実。
 だけど、未知の生命体に対して、HUMANとか、
 言葉ということで、小説では成立するかもしれないけど、
ボードで書いて示しても知的というセンス・オブ・ワンダーは感じたけど、
ダメなんじゃないの、、と、ずーっと観ながら思っていましたが、、。
 それより、中国がトライした二進法での
会話のほうが、よりゼロイチだし、言語性と数学の関連性とか、
リアルだと思ったけど、、。
 そういう意味では、音楽、(正確には、音の周波数)
で会話を試みた「未知との遭遇」のほうが、
 宇宙人と宇宙船の設定はよりベタですが、インパクトはありましたが、、、。

ネタバレ
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 この映画、はっきり言って、ラストのSF的肝を書かないと、
”評”にならない。
 正直に言います。
 まぁ、プロの映画評論家とか、ネタバレできないで、書かされているので、
しょうがありませんが、
 これ、言語学者によるファーストコンタクトというか、
映画の二時間のほぼ全部、壮大なミス・リーディングです。
 それより、時間がリニアではない。という
 ネタこそ肝なんです。
 そこをいかに隠すか、、、。
 また、そこでいかに吃驚してもらうかの映画なので、
 まぁ、こういう着地点でしょうがないと思います。
 この辺から、どうして、原作では二人称で描かれているか
わかると思います。

 それを理解した上での愚痴ですが、
鑑賞後、その時間はリニアではない。
というネタだけでは、ちょっと映画として地味かな、、と。
 もっと、武器とか、尋常じゃないこと、言い出しているので、
煽ってほしかったですね、、、、。
 やっぱり映画なので、ドンパチか、映像的に、
後年古くなっても、SFとしてすごい映像が観たかったです。

 だから、
星は4つかな、、。

 SFとしては、すごいんだけど、、。

☆☆☆☆。

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