patri 

「パトリオット・デイ」
監督・ピーター・バーグ
主演・マーク・ウォルバーグ

 この監督主演のコンビによる、「バーニング・オーシャン」
が望外に面白かったので、見てみました。
 「バーニング・オーシャン」は、マジで、お薦めします。
 いわゆる、アクシデント系とか、レスキュー系とかの映画って
人助けるのに、ああだこうだとセリフ回しがある程度あるでしょう。
まぁ映画なんだから必要なのでしょうが、
しかし、この「バーニング・オーシャン」にはそれが
ほぼない。マジ、事故映画です。そこにシリアスさも感じました。
 あとは、ラストのマスタングの色訊くシークエンスサイコーです。

 ということで、その二人による、新作がもう公開って
どんなスケジュールなのッテ感じですが、
 確か、SWとか超大作の世界同時上映以外は、三ヶ月でしたっけ??
開けるんですよね?
 この三ヶ月置くのって誰得なのって正直思うんですよ。
 日本の映画会社。配給会社?アメリカの映画会社。日本の映画館?。
 私、頭悪すぎて、全然わかりません。
当り具合を見られるって効果はあると思いますが、
これで、不正に字幕ファイルつけて流されたり
して観客を逃すチャンスが出来たりしてるような気もするし、
飛行機とかだと、見れるんでしょ?タイムラグなしに、、。
 それに、現地の方の日本語によるレビューとかブログで読むと
これ、日本でやらないの??って映画もけっこうあるみたいだし。
 まぁ、グローバリーゼーションの流れから行くと完全に逆行
してますよね。
 だって、ネットでのただのDLによる視聴は完全に著作権を無視してますが
英語がわかる限り、有料の視聴方法で合法に見れますよね。
 うーん。なんか、カラクリを感じますが、、、。

 閑話休題。

 前作のメキシコ湾での油田事故はもう一つ極東の東洋人には
ファミリアーじゃなかったけど、
この事件は、ありありと覚えていますね、、。ただ、この映画で明らかになる
捜査の過程はほとんど知りませんでした。
 監督のピーター・バーグって「バトルシップ」って映画で
見てないので、なんとも言えないのですが、バカ監督の称号を映画ファンから
もらってるそうですが、本作では、その馬鹿さ加減が馬脚を表したような
気がします。
 超ド・ストレート。ほぼ、ドキュメントを俳優をあてて再現してる感じで
もう一つ緊迫感がなかった。複数、語るべき視点を置いて、それを時系列に
ならべてるだけ。
 それと、作り方として不満だったのは、防犯カメラの映像の再現度
(もしかして、本物!?)はすごいんだけど、ニュースで何回も見た、
爆発の映像がまったくなかったんですよね、、。権利の問題なのでしょうか、。
それと、映っちゃってる人のプライバシーの、、、とか。
 まぁこれは、個人的不満なので、どっちでもいいのですが、
あと、思ったのは、これ、映画そのものは
アメリカの超ハイテク捜査の勝利宣言なんですよ。
 すくなくとも、私は、そう思いました。
 それをド・ストレートでドキュメンタリータッチで撮ってる。
 ただ、「ジャッカルの日」とかと違って、
犯人サイドと捜査サイドとの息も詰まる頭脳戦というミステリとか
サスペンスに当たる部分があまりにも史実通りに撮っているのでほぼなし。
 というか、このテロリストたち、こんなこと書いちゃ悪いけど、
めっちゃ場当たり的なんですよ。銃がほしいって弟が言って
大学を警備する警察(アメリカは何種類も警察があります)を襲ったり。
 普通に見てて、それ足がついて、
やばいんじゃないのってのを平気でやってます。
 ただ、あんなほぼ戒厳令ぐらいの状態だったってのは知りませんでした。
 それと、もう一つは、テロリストサイドの目的が、
今ひとつ曖昧なことと、、。
 これは、不満じゃないけど、複数の視点のなかに被害者をわりと大きく
入れているんですね。この辺に逆にアメリカ人の弱さなんかも見るのですが、、。
 これもちろん被害者は居ます。だけど、被害者目線を入れるのは、ズルいわ、、。
 だって反論できないもん。
 それは、テロってそういう性質の平和状態を一番乱す犯罪だってわかりますが、
これで、事実上、犯人になにをやってもいいぐらいの視点になっちゃう感じ。
 
 これ、自分たちの血を流さずに、自分たちの価値観も一切侵されずに
単純に映画を見てる側からしますと、テロを犯すことでしか行動できないもしくは、
自己実現できないところまで、追い詰められているマイノリティが
居るというのが完全に否定されることになります。
 もちろん、私は、テロを一切肯定しませんが、やっぱり何割か、
生まれながらにマイノリティで社会に馴染めない
人がいることは、ほんの多少はですが、理解できます。
 ただ、被害者の視線を消せというのか、というと、
 そうじゃないんですね、被害者は現実に居ます。

 主旨的には、うーんな感じでエンタメとしてすっきりしない映画でした。
それに、サスペンスフルという意味でも、
前作、「バーニング・オーシャン」よりは、落ちると思う。

 これ、やっぱり私が、アジア人だからかな??。
 それとも、リベラルだから??。

関係記事
「バーニング・オーシャン」
実は、
「ハンコック」も撮ってたピーター・バーグ。

「バーニング・オーシャン」の成功で、実録物路線に転向を
余儀なくされた感ですね。

「ブルース・ブラザース2000」

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」

「10クローバーフィールドレーン」


評価
☆☆☆1/2ぐらいかな。