dunkirk 

「ダンケルク」
監督・クリストファー・ノーラン
主演・フィオン・ホワイトヘッド

 予告編から、ずーっと注目してたんで、観てきました。
 どう書けば良いんだろう、、。←いつもの悩み。

 最初に、ミリオタであり、歴史オタである、著者から、
ダンケルクの戦いについて、ペラペラと。
 ヒトラーは、これで、欧州の戦争が終わると思っていました。
 だから、同じ欧州人として、英国をリスペクトして、ダンケルクの手前で
機甲部隊(戦車部隊)を停止させ、降伏を勧告。
 前々から、イギリス人ってガッツとど根性の国だって、このブログで書いているとおり
そんなものイギリス人はしません。
 しかも、ヒトラーは、フランスを征服(事実上は、2/3だけ征服)したことで、
イギリスも屈服するか、もしくは、ある程度大きくイギリスが、
譲歩した、和平になると思っていました。
 そんなわけがありません。しかも、英国に比べると、劣った海軍しか持っていない、
ドイツは制海権も握っておらず、その後、攻める場所を失い、
不戦条約を結んでいた、東部戦線のロシアに向かって進軍しだし、
自滅していきます、、、、。
 どうなんでしょうね、よく、歴史のIfで多出する、ダンケルクですが、
 もし、あのまま、機甲部隊が停止せずに、わーっと20万人ですか、30万とか
とも言われていますが、を虐殺か、捕虜として攻めてたら、歴史変わりましたかね、、。
なんか、そのあとの展開を知っているだけに、全然そうとは、思えないわちきですが。

 イギリス人は、ダンケルクのこの救出作戦から、戦争は変わったとよく言いますが、
まぁ、撤退戦まで、勝利の始まりとか、言うんだから、勝てば官軍ですよね。

 どっから、書けば、いいのか、わからないこの映画ですが、
まぁ、ミリオタとして、クソボロに書いてやろうとか、思って鑑賞したのですが、
率直な感想は、やっぱり映画としてすごいな、、の一言。
 おもしろいうかどうかは、どうだろう、、。 
 それなりに、面白いとは、思うのですが、女性とか、ドンパチに
全然興味のない人が、面白いと思うかな、、。
 女性の視点はまったくないし、、。

 監督のノーランですが、この人、一応、映画界では絶賛されてますよね。
バットマンのダークナイトシリーズとか、コンプリしてないけど、
名前を耳にするようになったのは、やっぱダークナイトシリーズかな、、。 
 「ユリイカ」って詩と評論の雑誌があるのですが、それに取り上げられると、
なんでも、どの分野でもある程度すごいってわからない分野でも決めてるんですけど、
当然、ノーランも特集で扱われました。 
 映画人として、才能あるとは、もう一つ思わないけど、
 一生懸命作る人だなぁとは、思います。
 「インターステラ」とかも。
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インターステラでも、多用されてたノーランの好きな、
飛翔物からのナメのカット。
 実は、ググると出てくるのですが、このカット用に
飛行機を改造して、飛ばしてます。

とにかく、真面目に作るな、、というのが、一番の感想。
 ただ、それが、エンタメにつながっているかというと、一言、ダウト。
 その真面目さが、暗さになってる、その暗さが、悲劇性に繋がってて、
文学性を産んでる感じでは、!?。
 エンタメじゃないけど、格調が高い感じに、、。
 なんか、どの作品も、骨太のソリッドな格調の高さは、感じますよね。
 こんな人が、よく我慢してDCコミックなんか撮ったなとか、
思いますけど、多分西洋人には、マジックが働いて、
DCコミックもエンタメ業界に居る限り、越えてこなければ、
いけないステップだと感じるんでしょうね。
 で、アメコミから、SFを経て、史実に切り込んだノーランですけど、
 これ、どんな感じで企画がスタートしたのか、興味ありますね。
 脚本ま自身で書いているんで、相当のめり込んだ企画だとは、思うのですが、
 割りと、短く仕上がっているし、別個にプロデューサーいるので、
WBも、そんな好き勝手には、作らせていません。

 続いて、映画そのものについて、一言で言うと、戦争映画だけど、
戦争映画じゃない。要素としては、ホラーですね。
 戦争映画としては、究極に外した、オフビートな作品だと言えるでしょう。
帰り道に思ったんですけど、それもその筈、ドイツ軍は、停止しているわけだし、
 あれ、陣地は、縮んでるって言ってましたから、独軍の攻撃再開後なのかな
だけど、逆に脚本書く段になってノーランもちょっと困ったと思いますよ、
火薬(最近は、ガス使用)使ったり、戦いのシーン描けないじゃんって。
 実は、以前の「ダンケルク 1964」フランス映画なんですが、これも、
めちゃめちゃオフビートな作品で、絵的には、砂浜に並ぶ連合軍兵士って
一緒なんだけど、すんごい静かな、戦争映画と言うか、
SFでよくある、終末モノみたいな作品でした。
 じっさい、終末ですけど。敗残し、逃亡してきた、フランス兵が、フランス人女を
レイプすることだけ、なぜか、憶えています。
 で、本作だけど、これぐらい、敵兵が一切描かれていない戦争映画って
ないでしょう、、。ドイツ機は出てくるけど、ドイツ兵は、出てこない、
(ラストでちらっと出てきますが)
 逆に、これ、ドイツ側のワードローブ準備しなくていいから、
他にお金使えるいい脚本上のテクだったかも。

 画作りについてですが、ノーランってCGの嫌いですね。SF齧っててそんなの
ありえない気がしますが、この人、じっさいにセットや、ロケするのが大好き。
すくなくとも、ブルーバックは嫌い。多少作り物っぽくても、大型のプロップを
愛してます。
 それで、主役のランクを落とした俳優にしたんじゃないかとさえ、思います。
 転覆する船とか、多少作り物めいたプロップはありましたけど、、、。

 それと、ここからは、私の専門分野になりますが、飛行機!!。
スピットファイアー!!、。三機出てきますが、本物らしい。
WS000005 
先は、イスパノのメッサーシュミットかな。

 ミリオタには至高の映画がありまして、「空軍大戦略」このダンケルクの後
おこる、バトルオブブリテンを描いた作品ですが、実機のオンパレードなんですが、
プロペラの枚数で、スピットファイアーはタイプが違うって分かっちゃう。
あと、ラジエターもだっけ、
 それを、ノーランはうまくごまかしてます。

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 んで、パイロットにトム・ハーディ、ちょっと前は、いいものか、わるいもの
かわからない、びみょうなタフガイをやってましたが、
 いや、この作品で、いい役に出世。存在感のある、いい俳優ですね、
                ↑
               今頃。
 ただ、ググって見ますと、メッサーシュミットはイスパノなのは、
いいとして、He111は、この「空軍大戦略」の頃は、実機があったのですが、
 本作では、ラジコンらしいですね、、。
 でも、CGで処理しないところに、ノーランの意気をかんじます。

 これ、ホラーだって、書く二度目ですが、理由は、実は、音楽の方にもありまして、
スコアは、ハンス・ジマー、私的には、プロの仕事はするけど、
所謂、典型的な劇伴作曲家で、もう一つ印象に残る主題を書かない人で、
あんまり評価してません。
 だけど、本作では、多分ノーランがそうやって発注しているんだろうけど、
緊張煽り感が半端ない、メロディラインのもう一つない殆ど効果音的な音楽が多いですが、
煽り感はすごいですね。ちょっと見直したりしてます。

 ツイでたまたま流れてきたのに、あったのですが、
 この映画、ちょっと時間軸がずれてまして、ちょっとわかりにくい、、。
 でも、全員最終的には、絡むのですが、、、。
 また、視点を3つにしたことも、ちょっと感情移入しにくい
ポイントになったかと、思われます。
 でも、そんなわかりにくい映画ではないと思いますけど、、。
 どうでしょう。

 ここまで、くどくど書いてきて、なんだけど、やっぱり、わたし、
 ミリオタだし、歴オタだし、正当に評価できないわ、、。

 モブシーンの撮り方演出でなく画的な効果ですが上手いし、
エンタメの観点からいくと、ホラーの要素が強くて、ちょっと怖いけど、
見るべき映画だとは、思いますよ、、、。

レヴェナント 蘇えりし者」

ヒトラー 最後の12日間

裏切りのサーカス

評価
☆☆☆☆。瑕疵はあれど、見て損は決してない。