tiffa 

「ティファニーで朝食を」
監督・ブレイク・エドワーズ
主演・オードリー・ヘップバーン/ジョージ・ペパード

 これね、映画史に燦然と輝く名作だと言われていますが、
うーんどうなんだろう、、、。
 この作品もね、色んな意味で、誤解に誤解を三乗ぐらいして
評価されたり、世間に知られている映画で、評価がめちゃくちゃ難しい。
 ある意味PKディックの原作の知名度とともに、ごっちゃに
評価されている「ブレードランナー」に近いものがあるんだけど、
「ブレードランナー」は本当にすごい映画だと、
身をもって言えるけど、今作は、多分私、
センスが無いし同時代性もないしだからだと
思うけど、すごい映画とは言えない。
 退屈とまでは、言わないけど、逆に、わるいけど、
あんまりおもしろいとは思わない。
 というか、これね、カポーティの原作読まれたかたは、
お気づきだと思いますが、だけど、これまた映画の知名度と
反比例するかのごとく、読んでいる人少ないと思う。
 確か、現代英米文学が専攻というか、専門の村上春樹が
翻訳したとか、するとか、そんな話聞きましたが、、。

 かんたんに言ってしまうと、これ、きれいに、ハリウッドが
都会に生きる、夢見る若者の、オシャレ映画に仕上げてしまったんですね。
 それは、監督の軽い感じのB・エドワーズの演出も大きいし、
(ほぼ、女性感が、前の記事で紹介したグレートレースの
ナタリー・ウッドと同じ)
 なにせ、主演のヘップバーンの弾けるような演技がデかすぎる。
 そして、おまけに、ムーンリバーの音楽史残る大ヒット。
 これも、オシャレ映画になっちゃった要因。
 だけど、製作の時から、スタジオというか、映画会社、資本家サイドは、
オシャレ映画にするつもりだったとおもいますよ、その点では
大成功の映画だと思う。
 
 これ、自由奔放に生きるとか、NHKの紹介では出てるし、そういう風に
紹介しているテキストもあると思うけど、
ヘップバーンの役って裏社会とか金持ちによって作られた
それこそ低俗なエロ本だったら、調教とかって言葉を使う。
コールガール、高級娼婦なんですよ、、。
 全然そう見えないでしょ、自由奔放で奇異に見えるだけで、、。
貧しさで、田舎で結婚してたって挿話がありますが、なんか全然見えない。
 また、元いや、現かな取り返しに来た旦那も、あんなすごすごフツー帰るわけがない。
マッチョなアメリカ、多分、殴ってでも連れて帰るか、
ヘップバーンを囲ってる、金持ちかだって、服役中のボスに会いにいくぐらい
でかい組織が裏にいるのに、そこに締められて、旦那が帰ったのなら、納得。
 コールガールって前のTクルーズの「高校白書」でも
 ちょこっと書いたけど、日本にこういった職業がないんですよ。
 だから、比較対象とか、文化的に置かれた地位とか
説明が不可能。基本娼婦で、いいホテルだと、ロビーにいるだけで、
追い出されたりもするんだけど、客も選べて、わりと社会的地位も高いわけです。
 なんだろう、日本で言うと、高級クラブのホステスさんぐらい??。
 で、それこそ、ローリング20というか、西部劇ぐらいから、
いるんですね。
 それと、付け加えておかないといけないのは、あんなヘップバーンみたいな
感じでは絶対ない!!。
 もっと、なんでしょう、現世欲とか、お金への執着がすごいです。
 というか、私も知っているわけではありませんが、そう色んな作品では
描かれています。
 作家志望のジョージ・ペパードが熟女のヒモ的な浮気相手してて
食ってるとことかは、まぁ、軽い感じで、見られて、
 お互い、脛に傷を持つ身の若者の都会の恋みたいな感じで、
 許せるというか、この映画に許容量を持たしおているとおもうけど、、。
 
 で、原作だと、貧困で無理やり結婚させられて、都会に逃げてきて、美しいから、
コールガールに慣れた、割と自由奔放な女性として描いていて、わりと社会性を
もたせた作品でもちろん、この映画どおりのアウトラインだけど、
もっと悲壮感があります。
 逆に、貧困過ぎて、ヘップバーンのイノセントさが生まれてるんだよって
エドワーズが演出しているんなら、神作です。

 結局、アメリカ人ともども同時代の人すべてがハリウッドマジックに
かかっただけで、でも、映画としては、意味があるのかな、、、。
 あんまり、映画単体作品としても、おもしろいって思わないんですね、わるいけど、、。

 ジョージ・ペパードが80年代に特攻野郎Aチームの隊長を
やることは、書かないでおきます。

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評価
4のつもりが書きながら、下げちゃった。
☆☆☆。