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「シェイプ・オブ・ウォーター」
監督・ギレルモ・デル・トロ
主演・サリー・ホーキンス

 しかし、これ、アカデミーの作品賞ですよ、、。
ということで、観に行ってきました。
 この映画の観賞者の一番よくあるパターンかもしれませんが。
 最初、この映画の予告編が流れたりしたたときは、
あまりのベタな企画なため、スルーだな、。って思ってたんですけど
アカデミー賞で急遽観賞することにしました。
 まぁ「パシリム」のデル・トロだしと、いうのもあったけど。

 まぁ、企画としてはベタ中のベタですよね。結末も展開も
ほぼ予想できるのではないでしょうか。
 ついちょっと前に実写版というか、CG版といったほうがいいのかな
「美女と野獣」がヒットしましたが、デル・トロ版の「美女と野獣」だし、
ラノベだと、転生して異世界へいきますが、その真逆版。
 恋愛の要素を除けば、「のび太の恐竜」といか、ETとも言えますね。
向こうから、日常にやってくるパターン。

 ざっくり、感想を書いちゃうと、そこのベタなポイントに
あまりこだわらなかったのが成功の理由かな。
 成功と書きましたが、ベタなとややひきながら見た私でも
楽しめたし、面白かった。作品賞にふさわしいよく出来た映画だと
思います。
 とくに、このアマゾンの半魚人の神とサリー・ホーキンス以外のパート
が良く出来ていると思いました。

 デル・トロについても、少し、、。私が映画に興味を失っっていたころに
だーっと一線まで駆け上がってきた映像作家で、本来なら、「ヘルボーイ」
で語らないといけない人だと思いますが、私が、アメコミものに疎いので。
 私の個人的な、デル・トロとの出会いから、
 なんの予備知識もなく、「パンズ・ラビリンス」っていうスペイン語の映画
を見たんですね。まぁ、展開は、よくあるYAもののファンタジーなんですけど
設定が内戦中のスペインだったり、えー欧州映画とか思っていたら、
やたらVFXの仕上りは一線級のハリウッド作品と変わらないほどの
凝った出来栄え、、。それでいて、かなりYA向けにしては、かなりグロい。
 そんなにストーリーテラーで面白いとは、思わんなかったけど、
変わってることでものすごい印象に残りました。
 監督の名前を覚えておくに値するぐらいの、強烈さ、、。
 それが、数年後に、「パシ・リム」でどっかんですよ。
多分、「パシ・リム」このブログで記事に出来てないと思うんですけど、
これね、本当にすごい作品なんですよ。芦田愛菜が出てきて、興味が失せたとか
言う人とかいると思うけど、、。
 とにかく全編オタクティストの塊。普通、日本のサブカルの題材を
ハリウッドに持っていかれると、映像的には、すごいけど、わかってないなぁ
感とか、ソウルが伝わってこないんだよ、とか、
やっぱ予算って出来栄えにモロに出るんだなとか、
楽しんでたおもちゃを兄弟や親にとりあげられた ような、感覚になるんだけど、
これは、なんだろう、もうリスペクトですよね。
 まぁ、私程度のゆるいオタクでも、とにかくよく知ってんな、、の一言で
なんかわけのわかんない殺陣とかあるけど、あそこまで、日本のウレタンの着包み
を真剣に映像化してくれたら、もう人としてリスペクトです。
 ただ、映像的にはね、ラストの大仕掛けが夜&海底&半身だけだったり
でちょっとあそこは、失望したけど。
 でも、多分私レベルが拾い損ねている、オタクネタっていっぱいあったと思う。
で、パンズ・ラビリンスの監督だって、パシリムで知って
二回ぐらい、前転や後転した感じ。
 
 はっきり言いますけど、デル・トロも、ロード・オブ・ザ・リングの
Pジャクソンも、完全なオタクですね。
 もうプンプン匂いがします。
 でね、私に言わせると、さんざんSF撮ってる、JJエイブラムスはオタクじゃない。
オタクかもしれないけど、大分リア充か、リアルに足場を残してる。
 残念ながら、SW Epi8撮ったライアンも私に云わせるとSWオタクかも
しれないけど、オタクじゃない。
 
 言及を本作に戻していきます。あと、もう一つデル・トロの
才能というか、気合を感じるのは、脚本の段階から狙っているとしても
毎作、殆どプロダクションデザインに力を相当入れて、
映画っていうのは、どんな時代や世界を描こうと基本PDだけで、
世界観をコントロール出来るんだということを信じ切っているところ。
この辺、リドリースコットにも通じますね。本作のスパイが絡む
ところが、あるから冷戦期にしたのか、どっちが先か、知りませんが、
まぁ、多少、スタジオのセットっぽくはなってますけど、
 映画っていうのは、PDでいかようにも内容とその設定を
コントロール出来るということを示しているというか、
映画におけるPDの力を知っていてそうやって映画を作ることの
楽しさをしっているみたい。
 この辺、ストーリー重視で映画見ている人には、
ウザいかもしれませんが。

 もう大分書いたので、重複するかもしれませんが。本作の成功の
キーは、ホーキンスと半魚人の神の周囲が良く出来ているところだと
思っています。それでリアルと映画としての完成度が
担保された感じ。あの絵描きの老人とイライザが性的にできていない
というのは、あまりにも子供じみた設定だとすれたおっさんからは
思いましたけど、敵役はよかったですね。キャラ立ちもしてたし。
 それとスパイ系冒険映画が好きだということもあるけど、
スパイ物を話しの要素に入れたのも良かったです。
 主役のホーキンスは良さがめちゃくちゃ出てたとは、言い難いけど
実は、狙ってNHKが放送したと思われる、
ブルージャスミンでも主役のケイト・ブランシェットを存在感で喰ってたもん。
 今、確変でフィーヴァー状態ですね、ただそう成るように配給会社が
買っているだと思うけど、「幸せの絵の具」も公開中。

 ビルディングロマンスとか、恋愛ものの王道のこの「美女と野獣」
の設定ですけど、これはね、いつも思うんですけど、
「美女と野獣」でも、人じゃないけど、十二分にかっこいいじゃん。
 野獣が、、。
 だから、今回も、どの程度の不思議な生き物のデザインにするかで、
映画の成功の否がかかっていたと思うんですよ、、。
 女性の皆さん、あなたちは、本当に野獣を愛せるかと、これは、
男性側もそうだけど、、、。
 問わずには、いられないんですよね、まぁ、唯一ケチを付けたみたいですけど。

 あと、書き忘れたけど、音楽もめっちゃ良かったです。
見終わって、記憶に残っているもん。


ネタバレ
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 後、ラストも、最初語りから、始まって、語りで終え、
誤魔化された感は否めませんが、
これはね、デル・トロが、アカデミー授賞式で
コメントしていた言葉で、終えましょう。
 これ、ファンタジーだそうです。

 まぁ、ずるいですね。
 
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評価
☆☆☆☆☆。映画として、ベタだけど、よく出来ている。