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「スワンの恋」
監督・フォルカー・シュレンドルフ
主演・ジェレミー・アイアンズ

 これ、原作がプルーストの「失われた時を求めて」の一遍、
監督がブリキの太鼓のフォルカー・シュレンドルフということで、
期待したんですが、、、。
 というか、流石にプルーストまでは私の読書の範囲を完全に越えてますが
文学をあのブリキの太鼓のエログロ路線でどう処理してあるのか
めっちゃ期待していたんですが、、。

 全然エロくもないし、グロくもない。
 普通に映画化されています。
 逆にパリの社交界の恋愛模様を大人目線でかなり落ち付いて見れます。
ナチとの繋がりも指摘されていますがギュンター・グラスも文学なんで、
同じ文学つながりでお鉢が回ってきたのか志願しての
企画かわかりませんが、ずいぶん手シュレンドルフも丸くなったなぁというのが
第一印象。
 あのブリキの太鼓のエログロ感って原作からの引張りか、
あれ一作の偶々なんですかね?。
 失望も相まって、悪いけど、退屈レベル。

 私が映画にのめり込んだ頃ってもうジェレミー・アイアンズって
ベテランでかなり評価も高かったんですが、
 この頃ってハンサムなのは認めるけど、表現者としては
ガチガチで固くてもう一つ。
 異彩を放つのがこちらもほとんど感情を表さないのですが
友人のミミ役を演じたアラン・ドロン。
 すごい存在感。表情が怖い。
ファム・ファタールというか、運命の女性、
motley crueなんかがいうところのlooks that killの
オルネラ・ムーティですが、劇中でもポンポン脱いでますが
 そんなに肉官的ってこともないですがやっぱり視線ですかね。
 ある程度男性として自身がないと、ちょっと怖くて寄れないですね。

 あと、バリー・リンドンよりかなりあとの(84年です)はずですが、
贈り物を夜に見るときにパキパキに照明あたっているのに
蝋燭を付けまくって覗き込むときはあまりの酷さに笑いそうになりました。

 残念ながら、不発。
 完全に再現されたと思われる、19世紀のパリを楽しみましょう。

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評価
文芸作品ですね。エンタメじゃない。
☆☆。