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「隠し砦の三悪人」
監督・黒澤明
主演・三船敏郎

 超痛快戦国娯楽劇といったところでしょうか?。

 数多くの黒澤作品の中では、めちゃめちゃおもしろいんですよ、
それを再三断っておきますが、そんなに好きじゃない、、。
 なんかRPG的っていうか、実際そうやっていつもの脚本チームで
こういう難所に差し掛かったらどう切り抜けるとか、こうなったら
どうだとか、そんな感じでアイデア出し合って脚本を書いたそうですが、
 なんかゲームというか、ドラマって感じがしないんですね。

 それと、言われてみると晩年の影武者とか乱までないんだけど、
スペクタクル感がもう一つな気がするんだな。

 ただだけど、改めて見ると、めっちゃ面白いですね。

to SW
 このシーンから、G・ルーカスはSWのEpi4のタトゥーウィンでの
R2と3POの砂漠でのシーンを着想をって、ほとんどコピーですけど。
 千秋さん藤原さんどっちがR2でどっちが3POかは微妙だけど。

 結局別れた二人。


new R
 戦泥棒の追い剥ぎまでして鎧を手に入れた藤原さん。
コレをみるかぎり、新型のR2ユニットです。
この素っ裸に不似合いな鎧姿でひょこひょこ歩く姿を
笑わずにはいられないでしょう。

mob
 
 上記、書いたことと矛盾しますが、迫力満点のお城の大階段でのモブシーン。
 ここも脚本上まぁ、必要ですけど、
 この群衆シーンを大きな階段で戦艦ポチョムキンでしたっけ、
あんな感じで一回撮りたかった気がするんだな、、、。
 これが、序盤で三船さんが一切絡まずにこんなシークエンスを
入れるからやっぱり黒澤組の予算とか規模はすごい。

 すったもんだあって、金塊を持って姫様ごといかに
脱出するかのお話しに。

ride
 これも、すごいシーンですよね、、スタントなしなのではないでしょうか?
深く考えれば、刀なのでもう片手で手綱を握れば良いはずですが、
 この手綱なしで足だけで馬を御し、しかも危ない危ないほぼ全速力。
 見せ場です。

ride2
 そして、両者手練の全速力で疾駆する馬上でのちゃんばら。
追われる側は短槍なのでこちらも手綱は放してのちゃんばらとなります。
 今のカーチェイスに比べると、流石にカメラの移動が少なく
パンでの処理が多いですが、演ってる演者さんも含めてすごいです。
 
 ちょっと話が反れますが、昔の映画で車のシーンなんか車窓だけ
別個に写して合成とはちょっと違う不自然な乗車シーンをめっちゃ見ると
思いますが、あれも、車にすらカメラを当時載せられなかったのです。
 今なんかでも、ギリギリ乗車中の会話のシーンなんか車の窓
の端っこに乗せて撮ってますけど。
 カーアクションなんかだと、被写体もカメラも動きながらだと大八車
みたいなサイドバイクを使ったりしてますね。

spififhg

 そして、そのまま、勢い余ってというか、回り敵だらけなんだけど、
藤田進さんとの槍での殺陣。
 これも、あったようで少ないですよね。
藤田進さんも、まぁ東宝の看板俳優ということもあったでしょうが、
姿三四郎からわが青春に悔いなし と初期の黒澤組の看板主演俳優でした。
 藤田進さんと言えば、どこか優しそうな感じがするので、
日本でいちばん長い日 1967でも、利用される将校の役だし、
日本海大海戦でも、ちょっと失敗してしまった上村中将の役だったし
 ちょっと、弱いというか、失敗してしまう役が多い気がします。

fd
 そして、火まつり。この作品、音楽は佐藤勝という方です。
(知らない)
 これも、スペクタクルシーンですよね。モブで。

betray
 豪壮な藤田進さん。
 なんと、「裏切り御免」とは、、。
 あはは、痛快、痛快。

HE

 そして、デーンと見違えるほどかっこよく美しくなった
三人。
 多分ね、ここも、SWのEpi4のラストの叙勲式の
元ネタだと思うんだな、、。
 今回見て思いました。

 まぁ、徹底して娯楽側に振った作品ですよね。

 こんな名作に文句言ったらいけません。

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評価
☆☆☆☆☆。