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「泥棒成金」
監督・アルフレッド・ヒッチコック
主演・ケーリー・グラント/グレイス・ケリー

 ヒッチコックにとっては、栄光の50年代を飾る作品の一つですが
他の神作(個人的にはそう思わない作品もあるけど)に比べもう一つな出来の
作品です。
 でも、現在のミステリにつながるような(わからないけど)トリビアネタ満載でした。
 ヒッチコックからしたら、肩肘張らず割と気楽な感じで
撮ったのではないでしょうかね、、。
 スター二人を揃えてしかも、欧州の景勝地リヴィエラでロケ、水着の姉ちゃんは
いっぱい出るとプロデュース的にはこれ以上無く映画的要素が完全に揃っています。
 軽いコメディタッチにしたのが良かったのか悪かったのか、
コメディタッチにするとどうせ嘘ですからって脚本的には
嘘を付きやすいんだけど、観客が真剣に見てくれないというハンデも
抱えます。
 まず、ケーリー・グラントが年取っているのが悪いけど、辛い。
というか、この人1930年代からハリウッドで活躍している人だし
今はそうでもないけど、50年代から60年代のスターって男はとくに
大体みんな老けています。
下積みが長いのと、一度名が売れるとPが引っ張るらしいんですね。
 映画のタイトルの前にかならず主演のスターの名前を
最初にクレジットしないといけないといけないというルールまであったくらいだから。
作品を見せるより、スターを魅せることで商売していた感じです。
 このへんが、今でも、かっちりTVと映画の俳優が別れていたり、
日本の映画会社がTVが現れ斜陽になったとき、5社協定ですか?
と囲い込みに走ったあたりに繋がります。
 もう一方のグレース・ケリーですけど、ヒッチコックのブロンド好きは
超有名。そう言えば、グレース・ケリーってブロンドかぁとあとで気づくほどですが。
 はっきり言って、この人ね、悪く言う人一切いないけど、
こんな理由成り立つのかわからないけど、美人すぎるんですよ。
 またモナコ妃になったのも、(これらの映画の後ですけど)も
イメージ作りにかなり加担してて、はっきり言って、きれいな人が喋っているレベルの
女優さんなんだけど、誰も悪く言えない。これだけ美人だとみんなゆるしちゃう。
 ダイヤルM、、や裏窓のほうがうまく演技できている感じ、、。
 
 トリビアってのは、もういまや純文学作家ですが、まだ高村薫さんが
ミステリ作家だった頃のリヴィエラを撃てってこっから来てるのかなとか、
あと、模倣犯のことコピーキャットっていいますが、
 それも、このケーリー・グラントの役のあだ名のキャットから
来ているのかな、、。と
 知りませんけど、推測です。

 自分の手法を真似る模倣犯現るともっとミステリ的に
煽れる要素がる気がしますし、ラストのゆるいゆるい犯人当てと
いうか、ツィストも、ちょっとゆるい。

 まぁ、悪いところはないけど、良いところもなしで
ヒッチコックにしては凡庸な作品。

評価
☆☆☆。