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「墓石と決闘」
監督・ジョン・スタージェス
主演・ジェームズ・ガーナー

 私はジョン・スタージェスと相性が良くないんだな、、。
 簡単に言うと、ロバート・アルドリッチと違って
全然人間ドラマが描けていないから。
 それと神作の、七人の侍と「鷲が舞い降りた」を駄目にしちゃった人だから。
 ジョン・スタージェスで奇跡的に人間が描けているのが、
「大脱走」ただ、これちょっと長いでしょ。2時間程度では主人公と
敵役ぐらいしかキャラ立てできないってさんざんこのブログで書いているから
ちょっとこの記事の主張と相反するんだけれど、、、。
 ただ、うちの親なんかは世代ってこともあるでしょうが、
このスタージェスの大ファンなんですね、、、。
 信じられないくらい。
 どろどろした人間関係とか、複雑な内面とか心理の動きとか
どっちでもいいよ、そんなの面倒くさいという人にはめちゃめちゃスタージェス
は向いていると思う。

 これ、いわゆるワイアット・アープものでして、
スタージェス自身が、「OK牧場の決斗」を撮ってるわけですが、
出来に不満があったらしく。
 本作、丸々「OK牧場の決斗」の続編みたいな感じ。
 OK牧場での撃ち合いから映画が始まって、
その後の、いわゆる西部劇でよくある報復の連鎖ですね。
 それを執拗にメキシコまでいくんでしたっけ、描かれております。
 ただ、あんまりワイアット・アープって好きじゃないんですけど、
これ、超駄作で知られる。「ワイアット・アープ 1994」ケヴィン・コスナーが
でていたやつですが、あれで概ね描かれていましたよね。
 違ったらすいません。あれは、ホント長いわ、面白くないわで
 あのへんから、コスナーの凋落とローレンス・カスタダンの神話が
終わった感じ。

 人間が描けていないのは、相変わらずでして、そのかわり話は、
超タッタカタッタカ進みます。一回とちゅうでトイレに行ったぐらいで
1人死んでてわからなくなるぐらい。
 それと、配役が超地味。大脱走のJガーナーに
ドク・ホリデイは、ジェイソン・ロバーズ。この人を私は知りませんでした。
 だけど、この人で持っている感じ。
 ワイアット・アープものって、よくあるヒーロー物と同じで
ワイアット・アープは建前と良識的なことしかしないし言わないので、
ドク・ホリデイという特異なキャラで(しかも結核持ちで)面白みを
つけるしか無いんですよね。
 もう一つ、この映画の欠点は、女性がほぼでてこない。
 長いセリフをしゃべるのは、店に侵入された床屋の奥さんぐらいという、、。
戦争映画じゃないけど、本当におっさんしか出てこない。

 最後にちょっと褒めましょう。
 さすが、アクション映画一筋のスタージェス
アクションシーンの演出は切れに切れてます。
 撃ち合いで撃たれるでしょ。すると、バタと倒れるのが、
通例ですが。
 なんと、今なら、大口径で撃たれるとワイヤーで後ろに引っ張っていますけど、
ポーンと撃たれた反対側にぶっ飛ぶんですね。
 それで、アクションシーンにキレができて店舗が生まれてます。
1人4回撃たれる人が居るんですが、4回とも跳ねるんですよ、、。
 すごいなぁ、、と。

 短いし、そこそこ面白くてたーっと見終わってあとに残らない感じですね。

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シノーラ 

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評価
☆☆☆。