po 

「疑惑のチャンピオン」
監督・スティーブン・フリアーズ
主演・ベン・フォスター

 真実は、さぁどっち?みたいな書き方をポスターにはしてるし、
宣伝文句もそうだったので、ドーピングしているかどうかを微妙に 描いているのかと思いきや、、、。
 全然。これ、原作が劇中にも登場するジャーナリストの著作なので、
もう完全にクロの状態で描かれています。

 本作、監督が、ヘレン・ミレンの「クィーン」の人なので、ギスギス感が半端じゃない。
というか、人と人との関係は理解し合えるはずがないぐらいの
突き放した感じで描かれております。
 私も自転車のロードレースはNHKでツールが終わった後に二時間のドキュメント
を時間があれば、見る程度なので正に半眼訥々なのですが、
これ欧州では、大スキャンダルなのでしょ?。
 病気に打ち勝った英雄。レース自体は前人未到の7連覇。
それが明白なドーピングをしていたという。
 雰囲気としては、自転車レース業界そのものも巻き込んだ感じで7年間
隠し通したってかんじですね。ただ、やっぱり自浄能力が最終的には、
協会というか、団体には働いた。
 注射をそれこそ練習感覚でぱっこんぱっこん打ちながらレースをし、
喋りそうな奴には軽くどころか、潰すぞぐらいの重い圧力をかけ、
もう超ブラックなアームストロングが描かれ続けるわけです。
benn

 主演はこのかたベン・フォスター全然知りませんでした。

 全然弁護の余地もない。さぁどっちという着地点は用意されていませんでした。


 この後、ネタバレします。



□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□





ラストどぼーんと水に飛び込むアームストロングが描かれるのですが、
あれが、唯一の謝罪というか、反省なのか、、、。
 そして、画面は、自転車を漕ぎ続けるアームストロングで終わります。
結局、着地点などなく、人生汚名を着たまま漕ぎ続けるしかないのか、
 ベテラン監督のわりと意味深なラストだな、、とは思いましたが、、。

 jysi 

 バレる発端になった元チームメイトを
このジェシー・プレモンスが演じております。
そうこの人、 「ブラックスキャンダル」の冒頭でドアップで
(マジでマット・ディモンに似てる、画像検索でもマット・ディモンがめちゃめちゃひっかかる)
映画をスタートさせた人です。ロードレーサーを演じるためか
「ブラックスキャンダル」の頃に比べると大分体重を落としております。

 実際、ドーピングしていたことをアームストロングがどう捉えていたのかとか、
実際行うことに際して逡巡は、なかったのか、そのへんの描写はゼロでしたね。
 スポーツ的倫理観ゼロの医者に出会って、すんなりその道へでした。
すくなくとも、その辺を描いて欲しかったな、、と思います。
 まぁ、そういう他人の心のなかは誰にもわからないだろう?というのが、
この監督のスタンスなのでしょうが。