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「インサイド・ルーウィン・ディヴィス 名もなき男の歌」
監督・ジョエル/イーサン・コーエン
主演・オスカー・アイザック

 これ、ディランのノーベル文学賞受賞の影響ですね。
多分。
 実在のデイヴ・ヴァン・ロンクの自伝をベースに
脚色化され、制作された映画で評伝とまではいかないまでも
ジャンル分けするなら実録ものかもしれません。
 コーエン兄弟ってほぼいオリジナルに近い、脚本なのですが、
大枠の設定なんかは、既存のなにかとか、どっかから
持ってくる場合が多いです。

 コーエン兄弟については色々書かないといけませんが、、。
存在に気付いて、すごいなこの二人って思ったのが、
90年代の「バートン・フィンク」あたりでした。シネコン隆盛の今、
もう死語ですが、単館系という(今でもありますが)
 大手資本とちょっと離れた独自色豊かな作品が
都会だけで上映されていました。
 その”走り”みたいな人。
 ビミョーな笑いのセンスと独自色で、このまま大手とは
離れた状態で、創っていくんだろうな、、と思っていたのですが、
 なんと、「ファーゴ」あたりで、アカデミーに取り上げられ、
私も、コーエン兄弟はコンプリしてないけど、「ファーゴ」が今のところ
一番好き。ファーゴはTVドラマ化されるは、
「ノーカントリー」は賞をたくさんとりました。
 気がついたら、どメジャーとは、言いませんが、
かなりメジャーな二人になってしまった感じ。
 というか、こんなに続けて安定的に映画作り続けるとは思っても
居なかった。
 
 映画としては、典型的な、コーエン兄弟作品です。
 最底辺をさまよう、サイテーな男のサイテーな話し。
 ユーモアも、所謂、ちょっとちがうけど、自虐ネタみたいな
感じですね、、。
 この状況をどうしうろっていうのよ、、。みたいな、、。
 これ、実録ものにしたら、逆にやばいですね。
 PPMは出てくるし、しかもできちゃってるし。
 ブラザーズ・フォーは、ジャスティン・ティンバーレイクが演ってるし。
 ディランもラストにちらっと出てきます。
 それと、コーエン作品には、定番のJグッドマンが出てます。
 岡本喜八作品に天本さんが出ているようなもんですね。
 岡本監督は、天本さんのことをハンコだって言っていました。
 コーエン作品にしては、いつものかなり残虐な犯罪が
ものすごい客観的に描かれていることが多いのですが、
 これは、そんな犯罪は出てきませんね、、。
 このフォークシンガー存在そのものが、犯罪なのか、、。
 そうは、とりたくないですね、、。
 他の作品はちょっと違いますが、
この作品に関しては、この描かれているサイテーな何日間は
許しと癒しだと思うんです。
 うまくいかなくても、大丈夫だよ、、、。
 あるがままを受け入れなさい。みたいな、。

 主演のオスカー・アイザックですが、観ている時は
全然気付きませんでしたが、
 そうです。
 「SW Epi6」のポー・ダメロンです。
po
ファーストオーダーと戦うときは、
こんなにかっこいい。
 ググってびっくり。

 時間の短い作品ですし、。
気楽に見られます。

☆☆☆☆