映画と感想

簡単な映画評です。シネコンで見ようが、DVDで見ようがTVで見ようが、無慈悲に書いていきます(笑)。

カテゴリ:洋画 > 歴史

4
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「レッドクリフ Part1」
「レッドクリフ Part2 未来への最終決戦」
監督・ジョン・ウー
主演・トニー・レオン

 手抜きですが、もともと一本の映画だったのを2本に
分けたらしいので、まとめて記事に。

 正直評価が難しいですね。
 三国志ってもともとが三国志演義といって
演劇ベースだったり正史もありますし、、。ドラマ、小説、ゲームまで
あってみんなそれぞれ自分の三国志が在ると思います。
 だから、ここの描き方は違うなぁとか、。
 こりゃないよとか、ケチはいくらでつけられる。

 簡単に言うと、中華系主導とはいえ
俳優でも日本人が出てたり台湾人とのハーフである
金城武が孔明さんをやってたり音楽が岩代太郎だったり
大アジア合作映画みたいな感じ。
 岩代太郎の音楽もいろんなバラエティの中国のシーンで
使われてるせいもあるけど頭に残るいい音楽だと思う。

 プロデューサーが一番頑張ったみたいな映画で、  
ザナックがプロデュースした大昔のハリウッド大作みたいな感じ。
 大味なのは否めないけど。
 まぁこんな感じかなと。
 
 お金はかかってることはわかるんだけど、人がめっちゃ出てくるって
感じでもない、、。この辺撮り方と言うか演出なのかな、、。
 個人的にはジョン・ウーってハリウッドまで行って一流の作品の仕事はしたけど
続かず(MIPも追い出された)単発の仕事ばっかりで
もう一つエンタメ性も演出もサスペンスも
すごい監督とは私は思わない。
 タランティーノが私淑するのはわかるけど、
スコセッシまで評価するのははっきり言って??。
 
 作品としては、part1のラストの戦いのシーンがちょっとあの陣で
惑わすところは好きじゃないけど一番良かったかな。
 この作品趙雲のキャラ立てがすごいですね。
 やたら登場シーンが多い気がします。
 んでまたかっこいい。
 劉備がちょっと老けすぎ。
 金城武の孔明も良い。
 よく、中国では関羽より張飛のほうが人気があるって言われますが、
本作では平等に出番が少ない。あらあらと。
 中村獅童は甘興という創作の人物になってるけど
すんなり甘寧でよかったんじゃない。  
 
 実は一番違和感があるのが、トニー・レオンの周瑜。
 中国ではどう扱われているかしらないけど周瑜って超男子なんだけどめちゃめちゃ性格が
悪い人なんですよ。
 しかも、冷酷にして残酷。
 あの矢を調達するシークエンスですけど孔明の命はマジで狙ってました。
 この映画ほぼほぼ周瑜が主人公なんだけどトニー・レオンじゃあ
優しすぎる。
 そこが見ててずーっと不満かな?。
 周瑜と簫幹のシーンは日本ではあんまりにもベタなので
ばっさりオミットされたりするんですけど
 あそこ京劇とか中国の演劇では酔っ払ったふりをしたり
寝た振りをしたりとコメディリリーフでみんなで笑いながらみる
演劇上の名シーンなんですね。
 だから中国的には外せない。
 孔明さんが東風を吹かせる場面も現代人の感覚上あっさりと表現。
 真冬なので暖冬なら逆風がふくぐらい誰でもわかると、、。
 ここは逆に儀式めいたことをしてベタな演出をしてほしかったですね。
 かわりにありえないんだけど、東風が吹くまで林志玲が魏軍本陣までいって
時間をかせぐのは考えたなぁとか、、、。
 林志玲は逆に中国本国組じゃなくて台湾組なんですね。いまどこに住んでるかは
知りませんが。
 黄蓋の苦肉の策もセリフで提案があっただけであっさりオミット。
 この映画の最大の欠点というか、ええっなのが肝心要の赤壁の戦いの火攻めの
シーンがもう一つ短くて大したことがないこと。
 すくなくとも私にはそう思えた。

 で、本当はあるはずの、あんまり本筋の三国志では描かれない
曹操の陸上の本陣を全員で襲撃するところを延々描くのも、
ちょっと違和感が。
 趙雲や周瑜が行くのはわかるけど、孫権まで行くのはありえない。
 でジョン・ウーお得意の主要な役者全員が銃じゃなかった剣を突きつけての
長台詞。
 まぁpart2のほうが、不満が多いんですね。

 ここで、三国志について大雑把に曹操がこんな大敗したのに
どうして三国鼎立が続いたかってよくいわれますが、
(実はこの時点で蜀は建国していないのですが)
 ここで曹操が勝っていたら魏による中国統一がなっていただけで
周瑜と孔明が頑張りすぎてそれを阻止しちゃったというのがまぁ事実。
 よく言われることですが、赤壁で大敗しても曹操軍の中核の武将や軍師は
誰一人死んでいない。
 つまり荊州の占領して得た水軍がぱーになっただけなのです。
 それと、マジちゃぶ台返しですけど、三国鼎立とかっていいますけど
実は三国といってもほぼ一強ニ弱。
 官渡の戦いで曹操が袁紹に勝った段階でもう大勢は決していたわけです。
 その辺は三国志 Secret of three kingdomに描かれてますので
見てください。
 また、所謂魏に対する北伐ですけどこれも、一強ニ弱なので
実は蜀と呉が共同戦線を張ったときはかなり押せる。
 ところが、この二国にはこの難民となって押し寄せた赤壁の
ときにできてしまった荊州南部の係争地がずーっと争いの種として残ります。
 で、本作のような魯粛みたいな親蜀の人が実験を握ると
うまくいきますが概ね揉めてる感じでやっぱり三国鼎立だと。

 まぁ、大味な映画でプロジェクトとしては大成功なんじゃないでしょうか。
 ただ、儲かったかかは知らない。

 関係記事。
ディパーテッド

三国志 Secret of three kingdomのまとめ 

神回 三国志 Secret of Three Kingdoms 第30話 勝敗の行方 

三国志 Secret of Three Kingdoms 予想どうり、第30話以降 

評価。
☆☆☆☆。

4
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「最後の決闘裁判」
監督・リドリー・スコット
主演・マット・デイモン/ジョディー・カマー

 これ割とシネコンでも上映期間が短くてあんまりお客さんが
入らなかったらしいんだけど、、。
 どうですかね?。
  リドリー・スコットの歴史ものに外れなしとよく言いますが、
私的には今作は残念ながらもう一つだったかな、、期待しすぎたってのもあったけど。
 いつも思うことだけど、歴史ものをコスチュームプレーとかいいますが
当時の衣装を着てるだけととれなくもないですが、画面全体を全く一から創作するって
意味ではある意味どころか私に言わせれば、SF映画と作り方が(画面に関してですが)
全く一緒です。
 それでプロダクションデザインの力を思う存分にいかんなく発揮する
R・スコットにとっては得意分野なわけです。
 ただ、この人キャリア全部ですけど、脚本は一切弄らないしあんまり注文を
付けたりもしない。
 兎に角、画(え)で勝負している人です。
 数々の名作があるので絶対に一緒にしたくないんだけど、スタイル的には
数々の名作SFをだめにしてきた迷監督の
ドゥニ・ヴィルヌーヴといっしょかもしれない。

 もともとR・スコットのデビュー作「デュエリスト」っていうぐらいである意味
この作品には完全に合致した監督起用だとプロデュースサイドから言えば、
言えます。
 Pも脚本を書いた、もうひとりとマット・デイモンとベン・アフレックの
コンビが兼ねているんでね。

 ただ脚本に口を出さないところがこの作品としては仇になったかな、、。
 まぁ脚本チームがPチームなので納得かもしれないけど。

 如何せん一言でいうと脚本が地味。

 あとドラマというか煽りがわかりやすくてベタな演出を好む
一連の大雑把なハリウッド映画にしてはなさすぎる。 
 その分めちゃくちゃリアルで微妙な心理描写の大人の映画になった
とは言えると思いますけど。

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 ときは完全な力が支配する中世の乱世。

 ネットなんかでは黒澤さんの「羅生門」をよく引き合いに出していますが、
確かに似てますね。
 だけどきっちり原作があるみたいなのでそこからネタを持ってきたというのは
無いんじゃないかと思います。
 騎士の奥さんに対するレイプ事件を主人公で旦那のマット・デイモン。
 強姦魔として告発されてしまったアダム・ドライバー。
 被害者の奥さんジョディー・カマー。
 と三者の意見と言い分を三章に分けて映像化すると言った構成に
なっていますが原作もこんな感じなんですかね。
 そっちの方が気になる。
 メグ・ライアン主演の「戦火の勇気」という軍事裁判が焦点になる
作品でもこういった構成にされているんですが、証言者が変わるたびに
メグ・ライアンが全く違った女性に描かれていました。
この辺がハリウッド映画らしいし、ハリウッドはそう描きます。
 ところが、この本作だと、三者三様なんだけれど、解釈やEpiにほぼほぼ差がない。
 それもびっくりするくらい。
 多少、二三、Epiが足されてるぐらい。
 問題のレイプシーンも密室なので微妙ですけど当事者二人分
きっちりほぼ描かれてます。

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 持参金や領地とともに嫁いできた美しい女性マグリット。

 主人公のマット・デイモンは、上昇志向を持つどっちかというと猛烈サラリーマン
みたいなタイプ。粗野だけど誠実。仕事はスコットランドまで遠征に行くくらいだから
めちゃめちゃ働きます。
 収入を多くするため、土地も欲しがるし権力やポストもほしい。
 そえが留守の間にとんでもないことがあったと告げられます。
 観客は最初に描かれてほぼ事件のアウトラインをMデイモンを通じて
知ることになるなので、これが一番の大筋になります。

 二番目に描かれるのがその親友で強姦犯として告発される
アダム・ドライバー。
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 ラテン語も読み、マット・デイモンより背も高く。見た目も良い。
女性にも不自由しないと言われモテモテです。
 ところが、ここに大いなる落とし穴が。
 そう思ってみてしまうのはこのわりと高級な描き方をしている映画に対して
わりとおバカな視点かもしれませんが。
 強姦か和姦かよく裁判やドラマでも議論になったりもしますがこの映画の場合
あの性的交渉は誰が見てもレイプです。
 演出的にもしかもそう描いています。
 ただこのモテモテのアダム・ドライバーはあれがレイプじゃないと思っているんですよ。
 この辺が狂ってると言うか、おかしいというか、キモいというか、、
 最低のラインでレイプじゃないとは思ってないかもしれないけど。
 女性なら黙るだろうと思ってる。しかも黙っとけってセリフで言いますしね。
 この辺が一番女性の心を逆なでしまた見てる男性客もカチンと来るわけです。
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 で、最後に第三章として描かれるのがジョディー・カマー。
 この章だけなぜか、Truth(真実)とサブタイトルがでます。
 かなり意味深です。
 実は夫が自分の家の持参金と土地が目当てだったと知ったり、
(しかも結婚してすぐぐらいに)
跡継ぎが出来ないことをネチネチ言われたり。
 ドレスの新調の件でも性格や価値観で夫と一致しているわけではなく
実はそんなに円満な夫婦でもない。
 姑とも当然うまく言っていない。まぁここは家族の構造上普遍的に
うまくいきませんが。
 ラストの三章なだけに強烈な事実というかなにかすごいことが観客に
開示されるのかと思いきや、実はなにもない。
 ショッキング・トゥルースがなにもないことに逆にびっくりみたいな。
 姑がなぜこのことを隠し通さないんだと詰め寄った挙げ句、
姑自身もレイプされたことがあると驚愕の情報開示はありますが、、、。
 まぁ中世ですから女性の人権意識なんてないぐらいの時代だったのでしょう。

 で、裁判は国中を巻き込み、いろんな呼び方がありますが、本編ではデュエルって
言ってるんですかね?単純に。
 「ゲムスロ」でも出てくるんですけどあれだとチャンピオンとか
トライアル・オブかバイのコンバットって呼んでましたね。
 で闘うのは本人でなくても良い。強い代理人でもOK。
 数々のすごいシーンが描かれるんですけど。小人で武芸がからきしだめな
ティリオンはよくブロンだとかバイパーだとか立ててましたが。
 まさに決闘でなにがどうあれ、勝ったほうが正義で勝利。

 壮絶な戦い。最初は正確になんて呼ぶのか知りませんがアイバンホー形式。 
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 ラストはまさにワン・オン・ワン・マッチアップに 

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 名誉も命も正義も全てかかっていたらそりゃこんな顔にもなるわな。

 脚本のドラマが地味で弱いって書きましたが、
ここのシークエンスはめちゃめちゃ盛り上がります。
 それと、鎖帷子の上にプレートアーマーを付けて闘うリアルさも
殺陣としてものすごい。ガチャガチャうるさいし、動きにくそうだし、
斧やランスの柄だと腕や脛のアーマーでも受けるし。
日本の戦いに斧が使われなかったのもわかるような、、。

 勝つのはどっちだ。
 ラストはどうなる??。

 大体見なくても結果はわかると思いますが、、、。

 実はこの映画のというかRスコットの肝であるPDですけど
サラーっと見た感じですけど、
神や王が近かったエクソダスとかからローマ史劇、宇宙の火星まで
描いてきたリドリー・スコットですから
本作でも中世のフランスが蝋燭の灯りだとかかっちり再現されています。
 ただ、中世世界が完璧すぎて、あんまり画面がすごいって感じはしませんでした。
 やや衰えたか、Rスコットと言いたいけど。
 もう次回作まで出来かかってるとか、、。

 だけど、如何せん脚本の構成がちょっとね、、。
真ん中が特にだれます。もう一つ新しいフックと言うか情報開示兼惹き込みがあればね、、。
 ほぼおんなじ感じもEpiを三回見せられたらダレるでしょう。
 三回墜落シーンを微妙に変えて再現した「ハドソン川の奇跡」 を見ろと。
 だけど、その分めちゃめちゃリアルで大人の中世モノだと言えると思います。

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「SW フォーズの覚醒」 

SW 最後のジェダイ 

評価。
☆☆☆☆。

5
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「ヘラクレス 2014」
監督・ブレット・ラトナー
主演・ドウェイン・ジョンソン

 ロードショー時から、気にはなっていました。
 ドウェイン・ジョンソン主演ということで、おバカ・ムーヴィーかな、と
思い敬遠していたんですけど。
 見たら割と歴史的に考証もしっかりしていて(古代ギリシアはよく知りませんが)
歴史オタクな私としてだけかもしれないけど
結構楽しめた。

 監督のブレット・ラトナーってまぁ色々撮っているんですけど、
大ヒットTVドラマの「プリズン・ブレイク」の人なんですね。
あのドラマも設定とかシーズン1はすげーっと思って面白かったけど
シーズンが進む毎にプリズンじゃなくなってきたというのがバレだし
気がついたら見るのをやめてました。
 ただ、とにかく力こそ正義とか、
マッチョという感覚はこの作品でも反映されていると思う。
 ドウェイン・ジョンソンは現在のところのシュワルツェネッガーの席に
付いた感じですね。
 半身半人のところとか、あまり掘り下げず、都合がいいところとか、
窮地に陥ると半神ぐらいのパワーを出すのは、観客のここでだろ、、という
感覚とマッチしてたり頻繁に出ないところがまぁまぁこの映画成功していると思う。
(簡単に言うと、ヤマトの波動砲です)

 脇もすごい俳優が出てるところがポイントの一つかな、。
敵役にジョセフ・ファインズにジョン・ハート。
 ドラマGOTのキャンプでブリエンヌにボコボコにされた後の
ハウンドの理解者だったレイをやってた
イアン・マクシェーンにレベッカ・ファーガソンと。
イアン・マクシェーンはね、航空映画オタクからすると「空軍大戦略」
という神作のアンディって若手パイロットをやってて有名。
 予算的に意外とCGを使わなくて済んだのかな、、
と老婆心を働かせてしまいますが、。
 戦場のモブシーンも、いいし、ラストのモブも良い。
 ローマ軍より一世代古く、顔の隠れた
SWのストーム・トルーパーみたいなギリシア軍のメットもかっこいい。
 というより、マンダロリアンの戦士かな?。

 ラストのナレーションもこれまた良いんだわ。
ヘラクレスが半神とか、英雄とかどっちでもよくて、
自分自身が英雄だと思えば、誰でも英雄になれるって、、。
 人生負け組にも響く超いいセリフ(ナレーション)じゃん。

 とやたらめったら褒めてますが、
最初の時点での期待感が低かったとも取れる。
 だけどわたし的には良い。

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ワイルド・スピード ICE BREAK

ゲーム・オブ・スローンズ 完結する。 

ミッション:インポート フォールアウト 

ライフ 

評価
☆☆☆☆☆。劇中のナレどおりちょっと強気で。

3
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「クレオパトラ 1963」
監督・ジョセフ・L・マンキウィッツ
主演・エリザベス・テイラー

 こういう大作を映画会社が作る時って実は映画界は
もうTVやパソコンとかの新媒体に押されているときなんですね。
 興行的にこけて20世紀FOXを傾けたことや
エリザベス・テイラーとリチャード・バートンのややこしすぎる
醜聞も含めて(二度結婚、二度離婚した)映画史に残る作品です。
 映画そのものの出来はと言うと、ごもごもなんだけど、
そんなクソミソに言うほど悪くないとは思う。
 ただ、どう転んでも長いわ、、。3時間ちょい、なんだけど。
 もっと感じるということは面白くないのかなぁ、、。
名Pのザナックが主張してたように6時間の二部作の
ほうがやけくそ気味かもしれないけど、良かったんじゃないの、、。
 だけど、多分興行主というか、映画館団体みたいなところも
辞めてくれとか、色々あったと思う。

 まぁ日本に限らず世界中でTVって脅威の媒体だったと思う。
一部の自家製8ミリフィルム以外、映像媒体が存在して以来、
映像媒体って映画館で見るしか
なかったんだから、、。
 それが街頭テレビや電気屋、家で見られるってなったら
世界がそれこそ一つの産業、石炭産業とかぐらいが潰れる衝撃だったと
二次情報でしか知り得ない私は感じますが、、、、。

 閑話休題。

 エリザベス・テイラーがやや太ってて老けて見えるせいか、
映画としてはクレオパトラの後半に重点を置いた感がありますね。
 ラスト近辺だけ覚えているという説もあり。
 シーザーがレックス・ハリソンでかなり老けてるわ、
 アントニー(アンソニー)でも可、R・バートンで老けてるわ。
 普通アンソニーは若さにかまけてクレオパトラとの
恋に走り失敗した男として描かれるため、若手の人がやってるケースを
よくみますが、オクタヴィアヌスがそうだってふうにこの映画では描かれています。 
 世界史好きの著者ですが、意図的にナポレオンとかシーザーとか
有名所は避けています。
 だからこの時代もあんまり知りません。
 結局、当時世界に冠たる覇権国家だったローマ帝国を小さな小国のエジプトの
女性指導者がその絶世の魅力で帝国の指導者を二代に渡り翻弄しめちゃめちゃ
頑張ったっていうのがかなり冷静な目で見た感じですね。
 国力から言えば、それなりどころか、
めちぇめちゃ善戦したといえるのではないでしょうか。
 ただ、男としてはあの手この手で駆け引きも含めて攻めてくる
こんな感じの女性はさっとやべぇと辞めたほうがいいか、
とことん付き合って地獄をみるかしかないですね、、、。
 まぁそう映画でもなっていますが、。

 もっと映画に寄り添って語りますと、最初からハリウッド超大作、
超大作と煽られてから見ているせいか、逆に悪いんだけど、
お金がかかっている風に見えない。
 スター総出演って感じでもないし、マーティン・ランドーの
ルフィオより下の端役は誰ひとり知らない、、。
 セットと衣装にはお金がかかってる気がするんだけど、モブシーンと
合戦のシーンはぎゃくに興ざめクラス。
 アクティウムの海戦でも、ローマの軍船がそれこそ海面が見えないくらい
大量に再現されているのかと思いきや、5,6隻じゃない、、。
 そこにアントニーの一隻が無謀に突っ込むという、、、。
 あと、やっぱり批判っぽくなるんだけど、筋を追うのにというか
既知のお話しを拾うのに精一杯でもう一つドラマ性を
こんな恋愛あり悲劇ありドラマありなのに、、、感じないのは
説明するのに精一杯なんですね。
 上記もしましたが、破綻してるわけでもなく、そんなに面白くないというだけで、
本当に普通の歴史映画だと思います。
 トリビアを一つ書きますと、オクタヴィアヌスを演じた俳優さんは
猿の惑星でコーネリアスを演じられた方です。
 チョット似てるでしょ。
 ちなみに、Wikiで知ったのですが、この直後20世紀FOXは
ドレミの歌のトラップ・ファミリーで大儲けして復活します。
 
 オクタヴィアヌスとコーネリアス絡みでもう一つ書きますと
実は「猿の惑星1968」も当時潰れかかった20世紀FOXがやけくそで
会社の裏庭で撮った(最初の狩りのシーンでしたか)もの
が大当たりした作品で復活します。
 いいんじゃないでしょうか、ダイバーシティーこそ
アメリカの一番の強みだと私も思うので、、、。

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寒い国から来たスパイ 

陽のあたる場所 

華麗なる激情

評価
☆☆☆。
録画してポツポツみればいいと思う。

5
Mis 

「ミッション」
監督・ローランド・ジョフィ
主演・ロバート・デ・ニーロ

 冒頭の圧倒されるシークエンスとその出来の良さから
知ってたんだけど、ちゃんと見たの今回が初めて、、、。

 一言、めっちゃいい映画。
 今はよくわかんないけど、英国映画で(この国名で何映画ってのも
資本系がどこそこの国ってのとPが何処の国で時々表現が変わってくるので
要注意です)
 アカデミーではプラトーンに負け、カンヌで勝ったという
いい映画にめっちゃよくある映画のパターンです。
 もちろん当時は私自身は今よりイノセントで単純に出来ていたので
プラトーンを叫びまくっておりましたが、、、。 

 最初は、イエズス会の驚異の頑張りと言うか、
実はキリスト教国の手先としてのイエズス会ってこうやって
入り込んでくるんだなぁ、、とか思ってかなり懐疑的に
Jアイアンズとか教会組織ををみていましたが、
 途中からは、それこそ、私も洗礼を受けてしまったのかと思うぐらい
入り込んでしまいました。
 まぁ、脚本も上手い、可愛がっていた弟を殺してしまい
悩むデ・ニーロを中心に描いているので、教会と信仰に救いを求めた
というか、この辺容易に観客を教会側に持っていき、
気がつけば、世俗の権利と教会の上部組織VS現地住民と教会の下部組織という
対立で後者の立場にすーっとなってしまっている自分が居ます。
 もっと露骨に書くと、イエズス会ってそれこそ日本でもそうでしたが、
キリスト教国家の一番の尖兵でした。それこそ、武器を持たない諜報員ぐらい??。
 まぁプロテスタントとか出てきて宗教戦争になってからは
違う争いになりますが、それで、この映画だと現地法人というか、下部組織が
反乱を侵したVerですね。
 
 当初は原住民たちのことを3人目の子供は殺すとか言っていたので
NHKで放送していたヤノマミっていう部族かなって思っていたんですが、
 Wikiだと違うらしい。しかも争いも歴史的に実際に起った
戦いらしいし。
 Jアイアンズに驚きというより、リーアム・ニーソンに驚き。
1986のこのころから仕事しているんですね、、。
 ダークマンで有名になったって嘘ですね。
 これね、もう一ついいのが、劇伴、音楽です。
星の数ほど映画音楽の仕事してる人ですが、一番有名な作品だと、
「ニュー・シネマ・パラダイス」かな、。
エンニオ・モリコーネです。
 しかも、キリスト教側の音楽だけで作られておらず、
南米っぽいものから先住民のものまで、多種多様でしかも、
どの曲もじゃまにならない程度によく出来ている。

 ラストに大きな戦闘シーンを持ってくるのも映画のエンタメ性としては
よくできているし。
 デ・ニーロが小さな子供を助けて、橋の爆破に失敗するのは、
ちょっと作りすぎててあざといかなとも思いましたが、
 そのまま、デ・ニーロの視線でJアインズが殺されるまで
引っ張るところは感動の一言です。
 これぞまさしく誰がどう解釈しようとなんと言おうが殉教だと思う。

 キリスト教化されたエコ側の先住民と
白人側の左側の人が喜ぶ映画というのを
乗り越えた、いい映画だと思います。

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ミッドナイト・ラン 

バックドラフト 

ヒート 

マイ・インターン 

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奇蹟がくれた数式 

ある天文学者の恋文 

恋におちて 

スワンの恋 

評価
エンタメとしても歴史の勉強としても
内容としてもちょうどいい。

☆☆☆☆☆。

3
JS 

「ジュリアス・シーザー 1953」
監督・ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ
主演・マーロン・ブランド

 マーロン・ブランドが堂々といや朗々とシーザーを演じるのかと思いきや
なんとアントニーの役。
 原作にシェイクスピアを持ってきていてまさにそのまんまで、
 セリフが仰々しいことこの上ありません。
 そんな大げさなセリフ、現場で人間が思いつくわけ無いだろうと
ツッコミを思わず入れたくなりますしリアリティから程遠いですけど
表現としては素晴らしいですよね、、、、。

 はっきり言うと、シェイクスピアの舞台をそのまんまセットを3Dで組み立てて
カメラで撮って編集した感じ。
 セリフに関しては、脚色したことになってますが、
シェイクスピアのオリジナルそのまんまのセリフが
たくさんあるのではと思わせる感じで
どの役者さんも古典の舞台だということを認識して
仰々しく演技も演じられています。
  
 舞台を見に行かずにシーザーが暗殺されたあとのドタバタぶりを
学ぶにはちょうどいいんじゃないでしょうか。
 一応、最後には大戦闘シーンもありますが、
ハリウッドらしく、淡々と説明する感じで煽ることなく
予算的、量的にコントロールされて編集されています。

 まぁあんまりシェイクスピアとか歴史に興味が無いと、
退屈するかもしれませんね、、、。
 作品としては、可もなく不可もなくといった感じ。

 ただこの頃がピークだとは思いますが、
マーロン・ブランドの存在感は半端ないです。

関係記事。
地獄の黙示録 

評価
☆☆☆。

 

3
ka 

「華麗なる激情」
監督・キャロル・リード
主演・チャールトン・ヘストン

 「第三の男」とか、「落ちた偶像」を撮った名匠、キャロル・リード、
ベン・ハーのチャールトン・ヘストン、主演ということで、
大歴史文芸大作と思っていましたが、概ね正解。
 鑑賞時間2時間20分でそんなに長い方の映画では
ありませんが、途中、休憩が入ります。
 いきなり、ミケランジェロの彫刻の名作たちをナレ付きで
日曜美術館なみに紹介され、相当いお硬い作品かと身構えますが、
そんなに難しい作品ではありません。

 これ、日本ではどうだったのかしりませんが、
アーヴィング・ストーンの「ミケランジェロ、苦悩と歓喜」という
ガチガチのおそらく欧米では大ヒットした原作がカチーンとあり
それを脚色した感じ。
 ということで、ミケランジェロの一生に焦点を当てている評伝と
いうよりシスティナ礼拝堂の天井画を依頼した教皇ユリウス二世との
愛憎劇に焦点が当てられております。

 途中でラファエロが出てきたのは、びっくりしましたが。
そんな時代関係なのこの二人。
 なんか、モーツァルトとベートーヴェンみたい。
 世界史好きとか言っても、その程度の知識な、私。

 まぁ、レックス・ハリソンが演じているのですが、
この戦争ばっかりしている教皇っていかがなものかと
大きなキリスト教的価値観から言うと思ってしまいますが、、。
 ミケランジェロに天井画を頼むぐらいで、芸術面にも
理解があり、わりと世界史といいますか、欧米では人気のある教皇
らしいですが、、(グーグル調べ)
 
 簡単に言うとチャールトン・ヘストンの頑固で不屈で、屈強なイメージが
ミケランジェロにかなり濃厚に投影されて居る気がしますが、。
 エンタメ作を創ってきたものの、一応創造という意味では、アーティストな
長年映画を創ってきたキャロル・リードがPがユリウス二世だったり。メディチ家
だったりするわけですが、Pとも互いに喧嘩もしつつ
俺たち沢山映画を創ってきたよな的な、なんかイギリスの初老のオヤジ
がパブでベロベロに酔ったあとお互いを支え合いながら
帰宅する感じ見えましたが、、、。
 ちょっと穿ち過ぎですか?。

 未完の大作というので、ミケランジェロがは歯をくいしばって絶筆する
のかと思いきや、先にユリウス二世のほうが
だめになっちゃうんですね、、、、。それも戦争好きの戦争がたたって。
 ちょっと意外なラストでした。

 ミケランジェロが唯一愛した女性として、ダイアン・シレントが
出てきますが、これも、実は涙涙の脚本的には結構いいエピソードの
はずですが、Cリードの演出が下手なのか、二人で消化しきれていないのか
私的には、すいませんが邪魔なエピとして感じました。

 これ、おっさんのそれも仕事上でしかつきあいのない揉め同士の
愛憎の話なんですよね。
 この大天井画も、意図的に壮大なものにして意趣返しをしたとか
私なんか性悪説なので、思っちゃったりします。
 というか、やるからには、それこそ、めちゃめちゃすごいものを
創ってやるって芸術家としてのまさに簡単に発注だけして俺の時間奪いやがってぐらいの
誇りでしょうね。
(やっぱり意趣返しか?)
 すいません、性根が悪くて、、。

 あと、画的に驚いたのは、ハリウッドの十八番のマット画の合成が
多いことといって、二回ぐらいだし、露骨すぎてすぐ絵との合成だって
わかりますが、このころからやってんですね。SWのEpi4までいきますから。
 採掘場に隠れ、雲の形から神の啓示を受けるシーンも
どうだろう、凝る監督なら、雲を探しまくってスケジュールを
押しまくったか?。
 でも、あれミケランジェロが描く絵そのまんまに近いから
感動巣するのかもしれませんね、、。判断迷います。

 まぁ、若干長さは感じますが、ボロボロになったユリウス二世を
ラスト見ると、いい映画を見させてもらったなぁ、、、と
変な感動を感じます。
 
 キャロル・リードも、私に言わせると、「第三の男」からここまで、
さしたるヒットもなく、本作と次の「オリバー」で何故かの
大ヒットと、私的には、はっきり言ってあまりどころかほとんど
そんなに評価していません。
 NHKの教育で映画をやっていたおり、「第三の男」の前に監督した
「落ちた偶像」もたまたま(どころかかなり期待して)見ましたが、
頑張ってるのはわかるけどもう一つだった。
 「第三の男」も悪いけど、実際は当時、キレキレだった、
オーソン・ウェルズが相当アイデアとか白と黒のダイナミズムの絵も
照明や撮影と音楽ですね、いわゆる、Cリードとべっこのところで
映画を盛り上げていると思う。
 国際スパイ小説の元祖グレアム・グリーンの原作も含めてね。 
 (もし、キャロル・リードの全部指示だったらごめんなさい)

 世界史の勉強にはもってこいの映画、、。
エンタメ的にはちょっとつらいと思うけど。
カラオケでマイ・ウェイとか歌う人には向いていると思う。

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ダンディー少佐

評価
☆☆☆。
 

  

3
rob 

「ロビンとマリアン」
監督・リチャード・レスター
主演・ショーン・コネリー

 これ、監督、ビートルズの半ドキュメント映画
「ハード・デイズ・ナイト」のリチャード・レスターです。
 ちょっとびっくり。

 NHKのデジタル映画の番組表だと、ロビンフッドの後日談って
紹介されているけど、ちゃんと見てないな!。
 全然後日談じゃないですよ。
 めちゃめちゃオリジナルに忠実にというか、歴的に超リアル超ハードに描くと
こうなったって感じで、歴史ファンの私的には、ちょっと高ぶるものがありました。
 ただ、英国に帰還した年齢をどう設定するかで、
 このやや老けちゃった、当人物全員が、、内容に合致するか決まりますが、、。
 めっちゃ有名人がいっぱい有名人で出ています。
 日本では、SMAPの曲や小説名前で有名な、
リチャード獅子心王にリチャード・ハリス、
英雄として描かれることが多いですが、戦争家、冒険家=酷薄、無茶言う人って感じで
酷薄感がよく出ています。
 矢傷がもとで死んだとは知りませんでした。
 また、ジョン王、ジョン失地王として知られます。に、エイリアンや、指輪物語の
イアン・ホルムが出てます。
 どこか、トロい感じがよく出てていい。
 実際のロビンフッド関係はよくわかりませんが、
 敵役にロバート・ショウ。
 ロバート・ショウも老けてるって設定で、ラストの一騎打ちで
お互い、ゼーゼーハーハー、疲れたって言ってます。
 ロビンとマリアン(ヘップバーン)の恋は、老いらくの恋として描かれて
ますが、わるいけど、もう一つ。
 まぁ、はっきり言うと、超外しまくった、オフビート版のロビンフッドですね。
 最後、シャーウッドの森を巡って、大決戦かと思いきや。
 これまた、外してくれる、、、。えーっみたいな、、、、。
 
ネタバレ

◇◯◇◯◇◯◇◯◇◯◇◯◇◯◇◯◇◯◇◯◇◯◇◯

 若い頃、この映画、途中で退屈で断念したような記憶があったけど、
見てました。最後まで、、。
 ロバート・ショウとの一騎打ち見て思い出したもん。
 私の記憶もオフビート。
 老けたオードリー見るのは、正直辛いけど、
 ユニセフでしたっけ、あのマザーテレサみたいな活動を
思い起こさせます。

 ラストですが、色んな意味が含まれていると思いますが、
 あの天に放った矢で、ロビン・フッドは永遠の伝説になったと
私は、受け取りました。
 映画としては、もうちょっとスペクタクル性というか、
画的に凄さが欲しかったな、、。

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ハード・デイズ・ナイト

ロビンフッドの冒険

麗しのサブリナ 1954

 評価
☆☆☆、映画として地味な感は否めず。

4
ro

「ロビンフッドの冒険」
監督・マイケル・カーティス/ウィリアム・キーリー(英語版)
主演・エロール・フリン/オリビア・デ・ハビランド

 よく、童話や絵本になっているロビンフッドの物語を
大昔(戦前)のハリウッドがカラーで製作したらこうなるという
例。
 私も、多分元絵はディズニーかな??の絵本を
読んだり、そのアニメを幼いころ見たような記憶があります。
 もともとは、キャストはエロール・フリンを念頭に置いて
制作されていなかったそうですが、あにはからんや、
エロール・フリンに、、、。
 図らずも、「壮烈第七騎兵隊」の主演コンビになりました。

 一言感想、、。
 めちゃめちゃよく出ている、、。

 世界史の勉強にもちょうどいい。
 ロビン・フッドが国を乗っ取られるきっかけって十字軍なんですよね、、。
 リチャード獅子心王のときの、、。
 帰ってきたら、ノルマン人に征服されているという。
 ノルマン・コンクエストっていうぐらいだから、強烈な
異民族による征服感がサクソン人はもっているのかと思っていたら、
本作を見る限り、そうでもないんですよね。ちょっと違う王様に
乗っ取られたぐらいの、、感覚。
やっぱりEU統合するぐらいの恐るべし欧州人の感覚。
ノルマン人=野蛮なバイキングって発想もちょっと的外れなんですかね??。
 ちょっと最近、勢いがなくなっている「ヴィンランド・サーガ」でも
 ノルマン人を野蛮で略奪しかしない悪い民族と描いている所、
そのノルマン人が、サクソン人に「お前らだって、アングロ人の土地を征服
して生きてるじゃないか」っていう
強烈なシーンがありますが、本作を見る限り、当てはまりません。

 ちょっと脱線しましたが、
 映画としては、まとまりすぎるまとまっていて、エンタメとして
きっちり、かっちり出来ています。
 やや、セットっぽいセットとロケっぽい美術、
汚れが一切ない、美しい衣装が演劇を見ている感を鑑賞者に与えますが
たーっとダレ場もなく、見終わります。
(昔の映画は総じて短い) 
 オリビア・デ・ハビランドがお姫様をやっているわけですが、
「壮烈第七騎兵隊」時以上にお姫様の衣装とともに美しい。
 ググりネタですが、エロール・フリンとオリビア・デ・ハビランドの
コンビで映画を制作されていますが、エロール・フリンが一方的に
オリビア・デ・ハビランドに横恋慕していたそうで、
エロール・フリンの女癖の悪さを知っていた、オリビア・デ・ハビランドは
歯牙にもかけずだったそうです。エロール・フリン(泣)。

 これも、ワンコインあたりで、ホームセンターで売っていたら、
買って是非みましょう。
 後、1200年代の英国史がわからないという高校生や大学の教養コースの
あなたも、、、。

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「壮烈第七騎兵隊」

評価
☆☆☆☆
ほんとうは、5つでもいいんだけど、やや作りっぽさはあるので。

3
9 
 
「第九軍団のワシ」
監督・ケヴィン・マクドナルド
主演・チャニング・テイタム

 これ、私原作者の大ファンでして、原作は、ローズマリー・サトクリフという児童文学者
が書いています。このR・サトクリフは本当にすごい人で、全然児童文学というものを感じさせない
超ハードな時代冒険小説を男性並に書いています。(実は女性)
 時代設定も、アングロ人とサクソン人が分かれていた時代や、本作 みたいな古代ローマ。
そういわゆる中世もあつかっているのですが、その一歩手前の古代と中世の間ぐらいの
イギリスを舞台にした作品が多いです。
 私、翻訳小説ファンで世界史大ファンなので、すごい重宝して読んでいました。 
 
  そのサトクリフの世界観が損なわれているのではないかと一抹の不安を感じつつ
映画を見てみたのですが、これが原作に忠実な骨太作品でした。
 ローマの帝国内はスタジオか、ブルーバックやグリーンバックのCGかもしれませんが
主人公が、ワシ(ローマ軍の象徴、わかりやすく言うと、軍隊の軍旗)
を奪いに行く一連のシークエンスはオールロケでレヴェナントじゃないですが、
自然がいきいきと描かれています。
 とにかく、リアルにハードに骨太に作られていて、ロケもいい、衣装もいい、美術もいい。
自然光を多用したライティングもいいのですが、
 如何せん、映画そのものの費用が大きくないためか、ラストの闘いのシーンも含めて
ちょっと小振りな印象を与えてしまい、
 ややどころか、めちゃめちゃ残念です。

 主演は、チャニング・テイタム、最近だと、「ジュピター」かな、、。これが、ここではやめておきます。
そして脇に、「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル。ちょっとどころか、大分大きくなっています。
 演技がどうのとかいう感じじゃないですね。
ネイティヴの原住民は全員かつ全編、ゲール語というイングランド北部の古語を話していて
シールと言われる、アザラシ族はメイクもすごい。
 ラストへの過程の追跡シークエンスと本当の最後の盛り上がりのモブシーンにもうちょっと
お金と人数がかけてあれば、すごいえいがになったんだけどなぁ、と思う作品です。

 サトクリフ・マジックがかかった状態で見ているので、信用になりませんが。

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