「レッドクリフ Part1」
「レッドクリフ Part2 未来への最終決戦」
監督・ジョン・ウー
主演・トニー・レオン
手抜きですが、もともと一本の映画だったのを2本に
分けたらしいので、まとめて記事に。
正直評価が難しいですね。
三国志ってもともとが三国志演義といって
演劇ベースだったり正史もありますし、、。ドラマ、小説、ゲームまで
あってみんなそれぞれ自分の三国志が在ると思います。
だから、ここの描き方は違うなぁとか、。
こりゃないよとか、ケチはいくらでつけられる。
簡単に言うと、中華系主導とはいえ
俳優でも日本人が出てたり台湾人とのハーフである
金城武が孔明さんをやってたり音楽が岩代太郎だったり
大アジア合作映画みたいな感じ。
岩代太郎の音楽もいろんなバラエティの中国のシーンで
使われてるせいもあるけど頭に残るいい音楽だと思う。
プロデューサーが一番頑張ったみたいな映画で、
ザナックがプロデュースした大昔のハリウッド大作みたいな感じ。
大味なのは否めないけど。
まぁこんな感じかなと。
お金はかかってることはわかるんだけど、人がめっちゃ出てくるって
感じでもない、、。この辺撮り方と言うか演出なのかな、、。
個人的にはジョン・ウーってハリウッドまで行って一流の作品の仕事はしたけど
続かず(MIPも追い出された)単発の仕事ばっかりで
もう一つエンタメ性も演出もサスペンスも
すごい監督とは私は思わない。
タランティーノが私淑するのはわかるけど、
スコセッシまで評価するのははっきり言って??。
作品としては、part1のラストの戦いのシーンがちょっとあの陣で
惑わすところは好きじゃないけど一番良かったかな。
この作品趙雲のキャラ立てがすごいですね。
やたら登場シーンが多い気がします。
んでまたかっこいい。
劉備がちょっと老けすぎ。
金城武の孔明も良い。
よく、中国では関羽より張飛のほうが人気があるって言われますが、
本作では平等に出番が少ない。あらあらと。
中村獅童は甘興という創作の人物になってるけど
すんなり甘寧でよかったんじゃない。
実は一番違和感があるのが、トニー・レオンの周瑜。
中国ではどう扱われているかしらないけど周瑜って超男子なんだけどめちゃめちゃ性格が
悪い人なんですよ。
しかも、冷酷にして残酷。
あの矢を調達するシークエンスですけど孔明の命はマジで狙ってました。
この映画ほぼほぼ周瑜が主人公なんだけどトニー・レオンじゃあ
優しすぎる。
そこが見ててずーっと不満かな?。
周瑜と簫幹のシーンは日本ではあんまりにもベタなので
ばっさりオミットされたりするんですけど
あそこ京劇とか中国の演劇では酔っ払ったふりをしたり
寝た振りをしたりとコメディリリーフでみんなで笑いながらみる
演劇上の名シーンなんですね。
だから中国的には外せない。
孔明さんが東風を吹かせる場面も現代人の感覚上あっさりと表現。
真冬なので暖冬なら逆風がふくぐらい誰でもわかると、、。
ここは逆に儀式めいたことをしてベタな演出をしてほしかったですね。
かわりにありえないんだけど、東風が吹くまで林志玲が魏軍本陣までいって
時間をかせぐのは考えたなぁとか、、、。
林志玲は逆に中国本国組じゃなくて台湾組なんですね。いまどこに住んでるかは
知りませんが。
黄蓋の苦肉の策もセリフで提案があっただけであっさりオミット。
この映画の最大の欠点というか、ええっなのが肝心要の赤壁の戦いの火攻めの
シーンがもう一つ短くて大したことがないこと。
すくなくとも私にはそう思えた。
で、本当はあるはずの、あんまり本筋の三国志では描かれない
曹操の陸上の本陣を全員で襲撃するところを延々描くのも、
ちょっと違和感が。
趙雲や周瑜が行くのはわかるけど、孫権まで行くのはありえない。
でジョン・ウーお得意の主要な役者全員が銃じゃなかった剣を突きつけての
長台詞。
まぁpart2のほうが、不満が多いんですね。
ここで、三国志について大雑把に曹操がこんな大敗したのに
どうして三国鼎立が続いたかってよくいわれますが、
(実はこの時点で蜀は建国していないのですが)
ここで曹操が勝っていたら魏による中国統一がなっていただけで
周瑜と孔明が頑張りすぎてそれを阻止しちゃったというのがまぁ事実。
よく言われることですが、赤壁で大敗しても曹操軍の中核の武将や軍師は
誰一人死んでいない。
つまり荊州の占領して得た水軍がぱーになっただけなのです。
それと、マジちゃぶ台返しですけど、三国鼎立とかっていいますけど
実は三国といってもほぼ一強ニ弱。
官渡の戦いで曹操が袁紹に勝った段階でもう大勢は決していたわけです。
その辺は三国志 Secret of three kingdomに描かれてますので
見てください。
また、所謂魏に対する北伐ですけどこれも、一強ニ弱なので
実は蜀と呉が共同戦線を張ったときはかなり押せる。
ところが、この二国にはこの難民となって押し寄せた赤壁の
ときにできてしまった荊州南部の係争地がずーっと争いの種として残ります。
で、本作のような魯粛みたいな親蜀の人が実験を握ると
うまくいきますが概ね揉めてる感じでやっぱり三国鼎立だと。
まぁ、大味な映画でプロジェクトとしては大成功なんじゃないでしょうか。
ただ、儲かったかかは知らない。
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ディパーテッド
三国志 Secret of three kingdomのまとめ
評価。
☆☆☆☆。