「遊星からの物体X」
監督・ジョン・カーペンター
主演・カート・ラッセル
こんな超有名映画をなんと初見。
私自身があんまりホラーが好きじゃないというのと、
ジョン・カーペンターも80年代前半から
ずーっと80年代のエンタメ界を駆け抜けた人ですけど
リアルタイムでぶつかった世代の人たちだと私よりちょっと上ぐらいなのかな、。
だけど、SFティストということもあるけどめっちゃ面白い。
一気観でした。
もともとは西部劇で有名なハワード・ホークスの作品があり
そこからのリメイクらしいけど、その前に超有名な原作が在るらしい。
タイトルは「影が行く」。
まずもって設定が南極基地というのが良い。
SFファンだとこの段階で胸がキュンキュン。
庵野さんのエヴァでも頻繁に南極が登場するし、
毛利衛でしたかね、この言葉を言ったのは。
アニメのタイトルにもなった「宇宙より遠い場所」とはまさにこの場所の事。
酸素と気圧が正常だってだけでほとんど異世界です。
多分、人だけに限らず一番生物が生存しにくい地域です。
その証拠にまずもってそこを繁殖地としている生物の種が恐ろしく少ない。
ただ、この映画の場合、ミステリでよくある閉鎖空間。逃げられないし限られた場所と
言う意味で選ばれたかもしれなし、
私自身あんまり詳しくありませんが、ホラー作家の大家、
ラブクラフトの南極を舞台にした作品「狂気の山脈」を
モチーフにしてるのかもしれません。
ただ、見るとわかるけど、エンタメとしてトントン拍子を重んじたからかは
知りませんが、もう一つ南極といいますか、極地ならではの、、
という設定が脚本上や構成的にうまく利用されていないような。
もう少し、尋常じゃない寒さとも戦っているとか
シリアス感を出す演出を加えても良かったような。
南極だとさもありなんというか、何でもありだと言う部分はあると思いますけど。
怖さはそれほどないし、面白いことは面白いんだけど、
ここまでグロく描かないといけないのか?という疑問は残りますね。
というか、多分人間ってこれTHE THINGってタイトルなんですけど
実際はなにかはわからない(細胞レベルの)けどそれが人や動物と
まったく同じ姿になれるってところがポイントで、その正体がバレたときに
グロいもの(当時ではパペット系の処理ですけど)で描写している。
人ってカチッと形がないとあんまり恐怖を感じないのかな、、と
思うぐらい。
だけど、「寄生獣」そのものですね。表現というかデザインも含めて。
パクりとはあえて書きませんが。
あと、誰が同化しているかわからないと言って縛り上げて血液検査するあたりは
ジョン・カーペンターの「ゼイリブ」に近いものを感じましたけど。
もういっちょのツッコミどころは、火炎放射器。
これも、もう「エイリアン」で使われてて、まぁ燃やして殺菌するしかないって
気持ちとかわかるんだけどちょっと、、、、と。
ワタシ的トリビアとしては「プラトーン」でタフな黒人兵、キング役を演じていた
キース・ディヴィッドが超名バイプレイヤーですけど
割とセリフのある役で出ていることかな。
これがデビューらしいです。
なんか、色々ケチを付けましたが、
ホラーというよりSFとしてめちゃめちゃ面白かったです。
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評価。
☆☆☆☆☆。