映画と感想

簡単な映画評です。シネコンで見ようが、DVDで見ようがTVで見ようが、無慈悲に書いていきます(笑)。

カテゴリ:洋画 > 戦争映画

5
TG_marverick

「トップガン マーヴェリック」
監督・ジョセフ・コシンスキー
主演・トム・クルーズ

 大ヒット中らしいし、コロナ禍でずーっと公開が延期に
なっていて噂だけはずーっと耳にしていただけに楽しみにはしてましたが
こんな世間的な大ヒットになるとは、、正直思っていなかったです。
 前作大ヒット映画のトップガンを割と冷めた感じで
書いているのでリンクを伝って呼んでみてください。
 ただ、わたし的にはトップガンはモロ同時代で
本当は、冷静に評価できないというのが正直なところ。 
 当時はヴィデオだったけど何回見たか数え切れないくらい。
 さらに、私しつこく書いていますが軍事ミリオタで
そのミリオタの中でも飛行機が一番の専門分野だから
余計にもう普通の映画として評価ができない。
 だからこそ、本作も個人的には絶対に見ないといけない作品だったわけで、、。

今回は完全にネタバレなので、、。


ネタバレ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 スタッフとキャストも簡単に、
監督は、SFや空中戦の演出に定評のある(らしい)ジョセフ・コシンスキー。
オブリビオンも異常なまで「空」に拘ってますし。
 ただ、実話をもとにした、オンリー・ザ・ブレイブはもう一つだったので
鑑賞は要注意。
 今回も、トム・クルーズ理論で一見実写に拘ったようで
実は冒頭のマッハ10の機体とか、
観客の想像以上に機体そのものはSu-57とかCGを使ったシーンが
多いんじゃないでしょうか。
 この人多分SFの人だと思うんですよ。
 で脚本はチームで取り組んでますが、
現在トム・クルーズと一番蜜月な映画作家、本作では脚本
のみですがクリストファー・マッカリー。
 MIPの最新二作とか原作がしっかりついていますが
アウトロー 2012なんかも評価します。
 ちょっとやっちゃった作品もありますが、まぁ一番おもしろい脚本を
書く人ではないでしょうか。トム・クルーズも手離さないし。

 主演は永遠の若さを保ちかつ無茶をやる男トム・クルーズです。
その驚異の若さは世界的なドキュメンタリー番組にもなってるぐらいですから、、。
 一体いくつなんだよ。
 80年代初期から中盤、ヤングブラッドと言ってハリウッドが売り出した
若手の中の端っこのほうにいたぐらいですが、世界的にはトップガン
その記事にも書いたけど、実際は「タップス」ではイケイケの脇だったし。
 コッポラの「アウトサイダー」でも何処に出てるの?と
探さなきゃなきゃいけないぐらいの役だし
アメリカ的に売れたのはレベッカ・デモーネイと出た「卒業白書」なんですよね。
 これは日本ではほぼ無視されました。
(それが書きたいだけ)
 ただ、演技のスタイルもあるけど今は抑えて演技してますが(特に本作は)
イケイケって書いたけど、いつでも100%フル稼働で頑張ってる感は
出てた俳優で、背も低しこんな大俳優にしかも永遠の若さを保つ
人になるとは想像だにしてませんでした。
 また相手役がジェニファー・コネリーと。
 帰ってきた80年代という感じですね、、。
「カクテル」でもコンビを組んだし「グレイハウンド」にも出てたエリザベス・シュー
ではダメなんですかね。
 ジェニファー・コネリーも相変わらずきれいですね、、。
 この人も80年代はほぼティーンか子役で実際に若いんだと想いますけど。
 ただ、悪いけど、このジェニファー・コネリーとの恋愛パートの出来が
前作の要素を受け継いだだけでもう一つ。
 残念ながら超退屈パートと化しています。
 若手のパイロット群は良いでしょう。
トム・クルーズは劇中ではaviatorと呼んでましたが。

 エド・ハリスがマッハ10が出る機体の場面でちょこっと出てるのも
同じく80s航空機映画のライトスタッフへの完全なオマージュですね。
 ライトスタッフも航空宇宙映画としてはちょっと長くて後半は
だれますが、航空機ファンとしては割とできの良い映画です。

 これ劇中の設定としてマーヴェリックっていくつぐらいの設定なんでしょうかね?。
普通、戦闘機パイロットって高卒でも米国、空軍海軍空自ともにパイロットに
なると将校にはなれるのですが現役の実戦部隊バリバリのパイロットって
プロ野球選手みたいなもので40歳ぐらいが限界。
 劇中でも高Gに耐えていたように30代後半で小隊長か学歴があれば中隊長で
マーベリックも盛んに抵抗していましたが飛行時間をゆる~く設けて
パイロット免許と記章は維持しますが教官になって
定年を迎えます。
 そこら辺がわりとむちゃくちゃやるマーヴェリックとリアルさが加味されてて
良く出来てるなぁ、、と。

 ただ、脚本そのものは半分ぐらいまで見た感想だと構成と要素そのものが
前作と全く同じで、ほぼ新しさがない。
 そこに多少興ざめというか失望はしましたけど、、。
 けどこのへんは、続編というしかも世界中の人なら誰でも知っている
大ヒット映画の続編という枷のせいでしょうがないですね。
 私個人はあまりにも前作を見すぎているので、冒頭の空母甲板での
離発着シーンのデンジャーゾーンとか、ビーチでのタッチフットとか、
胸が高鳴るというより軽く引く感じでしたけど。
 商売旨いなぁぐらいで、、。
 だけど、マーベリックとルースターのEpiなんかはうまくドラマに
するなぁと感心しましたけど。
 あと字幕の訳だとかなり意訳されてたけど、マーヴェリックに
なんか企んでる顔だなと、いうと、この顔しか持ってないってマーヴェリックが
言うのもまぁ天丼だけど面白かった。
 それとこれはブルース・リーからのパクリかオマージュ。
Don't think just do it.というセリフ。
 撃墜されてからのルースターのYou told me not to thinkはめちゃめちゃ笑ったけど。
ちなみにブルース・リーは
Don't think just FEELって言ってました。

 ミリオタとしては前にパイロットのコールサインについては書いたので省きますが、
今回もかっこいいコールサインですよね。
 フェニックスに、コヨーテ。ペイバック(回収人 取り返すこと)に
ファンボーイこれはお楽しみ坊やとかご機嫌坊やぐらいの意味。
 ルースターも「勇気ある追跡」でジョン・ウェインがそう呼ばれていて
そういう名前があるのかと思っていたけどおん鶏だとか、、。
 前作のアイスマンに続いて強烈なのがアイスマンも
氷屋とかそれくらいクールだという意味もあるけどスラングで殺し屋と
いう意味があります。
 ハングマン。勿論殺し屋。

 あとミリオタ航空機オタクとしては、オタクのくせにそんな事も
知らないのかといわれそうですけど、空母の離発着ではF-35がチラチラ
写っていましたよね、、。
 実戦部隊への配備状況は知りませんが、劇中のこの手の任務もF-35に任せるべきでしょう。
ただ、F-35ってスティルス性を重視したためメタボで亀みたいなんですよね。
(まだ平成のガメラのほうが尖ってる)
 F-18のE/Fがバンバン飛ぶわけですけど、こっちもF-18A型のレガシーホーネットに
比べると3次元的に大きくなっていて鈍重になったと言われているけど
見た目は超かっこいい。
 私のセンスがティーンシリーズの戦闘機で止まっているからかもしれませんけど。
 もう退役していますがF-117見たときにもう戦闘機のデザインは
スティルス性を重視する限り終わったと思ったもん。
 また、加速が悪いとか言われてるF-18E/Fでもほんのちょっとタテ系の
急加速急旋回をするだけでFLEXや翼からべイパーがあんなにわきだつとは
思わなかったです。

 前回が空中戦で今回は爆撃か、、と思ってみてたわけですが、
狭いところを低高度で旋回しながら爆撃進路を進むのは
はっきり言えば、モスキートが乱舞し航空機映画の傑作の一つと言われている
「633爆撃中隊」だし、それを完全にルーカスが真似たと言われてる
SWのEpi4のデス・スターでのトレンチ・ランですよね。
 どんなに早く飛ぼうが周りの対象物がないと速度感って出ないのが航空映画の
演出上よくわかります。
 これはカーアクションやバイクアクションでも(トム・クルーズはバイク好き)同じです。
 低高度から山を一つ越えて最終工程に入るわけですがここもかっこいい。
山沿いに上昇してエルロンロールで横転で180度回して背面で山沿いに降下し
さらにポッドのシーカーを作動させないと行けないので勿論爆撃も。
 もう一回180度エルロンロールを行って姿勢を戻す。
 なんちゅー。
 マジで、かっちょよすぎ。
 ここがCGだったら私は逆に怒ります。
 ファンとして絶対に実写実機実演であって欲しい。
 で、常に爆撃で戦争に勝利してきたアメリカならではの
bombs are awayこれは無重力の中、SW Epi8でもやってるぐらい、
アメリカ人はやたら興奮するらしい。
 されて大敗北を喫した日本人は、、、、ですけど。
 この飛び方だと 地対空ミサイルに探知されないはずなんだけど、
なんとこっからミサイルの来襲と乱舞に。
 これも、実際はアクション映画に分類されるべきなんですが、
「エネミー・ライン」というF-18がミサイルに追われるだけのシーンが
航空映画としてよくできている映画がずーっと戦闘機とミサイルの格闘
アニメだと板野サーカスですけど、あったんですけど
 本作で軽く抜きましたね。
 戦っているわけじゃなくて、躱して逃げてるだけじゃんとか、
普通の人には言われそうですけど。
 板野サーカスの板野一郎さんがバイクにロケット花火を載せて打ち合って
たわけですけど、最初はロケットを打つほうが面白いって思うそうですけど
やり続けると打たれて逃げるほうがスリリングで楽しいって本人が言ってましたから。

 このあとが、賛否両論の、展開になるんですけど、、、。
 両論どころか、完全否でしょうけど
 私も「水曜どうでしょう」の大泉さんじゃないけど、
おいおいおいおい、、と想いましたが、、、、。

 まぁ許してやってください。
 ここでおそらくまだ配備もされてない
Su-57とF-14で空戦して終えたことでワタシ的には
お腹がいっぱいになりましたから、、、、。
 やり過ぎなのは認めるし、ありえないことも認めるけど。
 映画なんだよ。嘘なんだよ、商業作品なんだよと。

 ただ実際に俳優をマッハ2級の実戦機のコックピットに乗せて撮ったのは
すごいと思うけど、F-18そのものや航空機に対する空撮は実は戦闘機部門が専門の
ミリオタとしてはちょっと不満。
 前作のほうがCGで処理できない分、実機が飛んでた感じがする。
 というか、これだけ時間が経ってもあんまり空撮技術って進歩してないのかなとも思う。
 し、単純に空撮そのものが難しい。
 そんなところにカメラを同じ速度で動かせないしおけない。
 ダンケルクのスピットファイアしかもイミテかもしれないけどmk1
のシーンのほうが興奮するんですよね。
 ヘリでも撮れる速度が遅いレシプロのほうが撮りやすいのかなとか、、。
 ジェット機って早いですからね、、、。
 それと、Su-57は全部フルCGのハズだから。

 だけど、ケチもつけられるけど、まぁ航空機映画としては、お腹いっぱい。
 大満足ですわ。

関係記事。
トップガン 

オブリビオン 

オンリー・ザ・ブレイブ

MIP フォールアウト

MIP ゴースト・プロトコル
 

マイノリティ・リポート 

バリー・シール アメリカをはめた男

ザ・マミー 呪われた砂漠の女王
 

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

アウトロー 2012  

オール・ユー・ニード・イズ・キル 

評価
☆☆☆☆☆。

2
battle   

「戦場」
監督・ウィリアム・A・ウェルマン
主演・バン・ジョンソン

 時代もあるんでしょうが、めちゃめちゃ地味なWW2の西部戦線もの。

 これ、脚本は、言ってしまえば、戦争映画あるある、軍隊あるある、戦場あるある
なんだけれど、原作者の人が脚色化していてめちゃめちゃよく出来ています。
 よく出来ているというよりアイデアてんこ盛り。
 セリフは多少喋りすぎかなぁとも思うけど、下手なウォッチャビリティの
高い現代の映画よりアイデアとネタは詰め込んである感じ。
 だけど、これぐらいそれが映画そのものの面白さにつながっていない作品も
珍しい。
 観ててエピソードやネタ、アイデアが全部見てて
ふーんとは思うけどどっちでも良いんだわ、、。
 つまり、映画全編の大きな本筋とあんまり関係ない。
第101空挺師団の群像劇だと言ってしまえばそれまで
なんだけど、、、。
 どうしてこう、面白さにつながらないのか不明。

 当時、精鋭で知られる精鋭で知られる2個師団しかない米軍の空挺師団の
一つ第101空挺師団があんなにヘロヘロな状態だったとはしりませんでした。

 戦争あるあるって書きましたけど、さんざん行軍してきたのに
米軍はフォックスホールって言いますが日本軍はたこつぼ。掩蔽壕を掘らされて兵隊が野営
させられる普通の戦争映画では描かれない兵士の姿が描かれているのは
感心しました。
 しかも、2時間交代ですが立哨ですよ、、。兵隊さんって本当に可愛そう。
 ただ、本当は建物があるかぎり進軍をちょっと緩めてまで
そこを中世や近世の軍隊っぽいですけどそこを占拠して一晩すごすらしいですけど。

 また、1949年の制作なのでしょうがないのかもしれないけど、
戦場のシーンもほぼセット、スタジオで撮っているのも原因かも。
 ロケしている雪のいいシーンがたくさんあるのに
やっぱり現場での現場での状況のコントロールが難しいんでしょうね、、、、。
 当時のカメラはちょっとした機関砲ぐらいの大きさがあるし、
フィルムの感度も今とは全然比べ物にならない精度です。

 ラストの前に良いアクションシーンがあるんですけど(ちなみにこれもスタジオ)
映画最大の見せ場がリアル記録フィルムのオーバーラップの合成ではね、、。
 なんじゃそりゃの一言でした。
 
評価。
☆☆。

5
theene  

「眼下の敵」
監督・ディック・パウエル
主演・ロバート・ミッチャム

 戦争映画、いや潜水艦映画の映画史上に残る名作。見たの三回目ぐらいかな、、。
正直なこというと、そんなにめちゃめちゃ面白いかぁ??。
 というのが感想なんですけど。
 
 本作は潜水艦映画というよりWW2の海の戦いを描いたもので、
純粋な潜水艦映画とはちょっと違う。  
 潜水艦映画って名作が多いって言われますが、どうしてかというと、
理由は至極簡単で映画にしやすいからです。
 艦内は完全なセットで海中のシーンはVFXこの切り貼りできちゃう。
 状況は命令が口頭で言い渡されるのでどうなってるか画面でなく
セリフで説明もしやすい。
 なんとなく場面に合致するVFXがぼやーっとした海中の中画面に写っていればOK。
 しかも、水上艦側の出す徐々に音が大きくなり距離を詰める
探針音が最高に場面を盛り上げてくれる。

 このブログでも何度も書いていますが、私はミリオタで戦争映画が大好き。
 陸海空と戦いはありますが、実は海の戦いが一番知識が少なくて興味がありません。
 実際WW2ぐらいまではよく知ってるつもりだけれど、
現代の海戦は全然知識がありません。
 「沈黙の艦隊」がかわぐちかいじによって
大ヒットしたときに潜水艦(攻撃型原潜)が最強伝説が出来たわけですが、実はこれもちょい怪しい。
 現在のスクリュー音もしくは潜水艦の作動音を入力したホーミングまたは、
各種パッシブ・アクティブセンサーを搭載した
魚雷がどれくらい追尾できるのか、全く知りませんが、これも、たぶん実戦では松本零士の
戦場漫画シリーズじゃないですけど、撃たれてみないとわらないような、、。
「レッド・オクトーバーを追え!」 なんか、ディッピングソナーで拾った
音を入力しただけの魚雷一本ですよ。
 
 なんかどんどん話がそれていきますが、この当時のUボートのディーゼル艦よりかは、
格段に原潜はスピードアップしてて静粛性はかなり落ちるけど、
今や、造波抵抗のある水上艦の駆逐艦より早いという、、、。
 海戦ってどうなっての一体。

 で、一応この映画に対してツッコミを何発か入れると、WW2のころは潜水艦と水上艦の戦いは、
水上艦の圧勝です。
 まず、Uボートで駆逐艦に勝負を挑むことは絶対にありません。
 潜ったら4ノットとかですよ、、。30ノット(時速にするとなんと時速60キロ)
近く出る駆逐艦から絶対逃げられない。
 ただひたすら、Uボートはじっとするか闇夜の夜中に浮上して逃げまくります。
(実は浮上しても駆逐艦よりはるかに遅い)
 まず、それが一つ。

 あと、駆逐艦側のソナーですけど、ソナーも大変微妙なセンサーで駆逐艦が
全速力もしくはそれ近くで走っているときは使用できません。
 海水がソナーにあたりすぎて聴音が難しい。
 また、駆逐艦の側も爆雷を積んでいるだけ落とし放題って感じでしたが、
一回ばらまくのがかなりの博打というか、勝負で、
一回大量にまくとこれまた、ソナーが使えなくなります。深度設定もそう。
海中の爆発による泡で、、。これは「沈黙の艦隊」でもあったような、、。
 これが、2つ、3つ。
 こうやって書くと水上艦圧勝とか書きながら、
そこそこ潜水艦が逃げれるチャンスがあるような、、。

 ここら辺の駆け引きをみっちり描いてほしかったな、、。

 ここら辺を大量にオミットしてるのが戦争映画ファンからするとブーブーという感じ。
 まぁミリオタの俺の方が詳しいぞ、っていう怪気炎だけですが。

 ただ、この映画のある種ハイライトですけど、爆雷投下のシーンはすごいですね。
ガラガラって落とすだけかと思ってましたら、
投擲って感じで打ち上げるんですね。でまぁ潜水艦の二重の外郭内郭を壊すわけだから
爆発力が尋常じゃない。
 このシーンだけでも見る価値があるような、、。
そこに水兵が指を失うエピソードをいれてるわけなので、
力を入れてるのがよくわかります。
 ちなみにゴジラ 1954 でも、特撮でない爆雷を爆発させるシーンがありました。
 けど、本作ほど爆発してなかったような、、、。

 結局はどういったわけか、ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンスの
ねじりあいの戦いになりしかもそこを編集で重ねて切り貼りしただけで
気がついたらお互いがパラレルに進んでて魚雷を別々の角度に4本打つことで
大勢が決するという、、なんか論理を超越した結果で観てて
騙された感はあります。
 どう旋回しながら4本撃ったんだ、と。最初にやれよと。

 ただ、敵味方をシーマンシップも見事に描ききりでほぼ平等に扱い。
互いに見えない敵を音だけを頼りに技術だけで戦う様をきちっと描いたところが
画期的だったんでしょうね。
 
 としかいえない。

 私的潜水艦映画のベストは、「Uボート」です。
 もともとはTVドラマなんですけど
破綻なく再構成され緊迫感はほぼホラー映画クラスです。

 次は意外に思われるかもしれないけど
なんとタランティーノの脚本なんですけど「クリムゾン・タイド」かな。
 ラストはなんか中途半端な予定調和でいただけないけど、、。

 その次が「レッド・オクトーバーを追え!」 かな。
 これも、将校全員がアメリカへ憧れてて亡命を望んでるという
設定そのものがもう最初からアメリカ圧勝のシナリオで超右翼のクランシーの
甘さが全編ににじみ出てますけど、、。

 本作の評価は映画史に残るという惹句に甘んじておまけで
☆☆☆☆☆。

本当は☆☆☆☆です。

関係記事。
「レッド・オクトーバーを追え!」 

エル・ドラド

さらば愛しき女よ   

4
abridge 

「遠すぎた橋」
監督・リチャード・アッテンボロー
主演・ロバート・レッドフォード

 今回観ては、今は少し違う感想を持っているんですけど
前からこの映画大好きでした。 
 それも書き出すと長くなるけど、わりと個人的な戦争映画としてのツボで。

 前からこのブログでも書いていますが、私ミリオタで
戦争映画も大好きです。
 また、戦争の規模がどんどん大きくなってWW2ほど人間が
その能力を最大限使って真剣に殺し合った戦争はないと思っています。
 そして戦争ほど馬鹿げた行為はない。

 そのバカさ加減がめちゃめちゃよく表現できているのが、この
映画「遠すぎた橋」だと思っています。そのへんはあんまり変わっていません。
 戦争が冷静に見れば、いかに狂っていておかしいものか描いたコメディ映画とか
ブラックジョークの映画はありますが、この映画はそんなことを脇において
超エンタメ戦争映画を目指してはっきり言うと失敗してます。
 もうこんな予算をかけ、いつどこから見ても大スターが写っている
スターを並べた戦争映画は恐らくもう二度と制作されることすらないでしょう。
 それが戦争そのものなのです。 
 それこそ、英雄が人を集めて戦っていたなになにの戦いからWW2まで、、。
 私は、この無駄に予算をかけてスターを集めた映画に戦争そのものを
見ている気がします。
 もっと面白い映画になっているとこうは思わなかったかもしれません。

 本書原作は、コーネリアス・ライアンの「遠すぎた橋」
(遥かなる橋ともいいます)という聞き書きの
WW2ものを書き続けている大作家が書いたノンフィクションです。
「史上最大の作戦」もそうです。
 Epiがバラバラでめちゃめちゃ他視点になるのも、
聞き書きがメインのノンフィクの原作だからです。
 宮崎駿も言ってましたが、実は聞き書きの戦記物ほど読みにくいものはないって。
 私自身はあまり感じたことはありませんが、喋る人は大きく嘘をついてしゃべるし
喋らない人は全然喋らないものでしょう。
 本人によって語られないことこそ真実で大きい、そんな気もします。
 プロデューサーまでは知りませんが、「史上最大の作戦」のカラー版を
目指した感もありますね。
 WW2の欧州戦線で連合国側が唯一失敗したマーケットガーデン作戦を描いています。
 作戦は簡単。8つだったけ詳しくいくつか忘れましたがそれらを空挺部隊で
降下させ保持し、だーっと英国の機甲部隊で空挺部隊が橋を保持したまま駆け抜けて
ものすごい速度で前進してゆくというもの。
 しかし、実際は、これがタイトルが英語だとよく出来ているんですが
A bridge too farといいます。一つだけ橋が遠すぎたのです。

 元々空挺部隊はグライダーでジープぐらいは降下させられますが、
本当に携帯できるだけの食料と飲料水、弾薬も3日分、撃ちだしたら一日か半日
ぐらいと言われています。対装甲部隊用の装備もバズーカーetc限られています。
 おまけにパラシュートは予備も含めて二個。
 まさに人が持てるだけの武器しか持たず敵の戦線の後ろにいくのです。
 どこの国も志願制で精鋭部隊であることは間違いないのですが、
あまり語られませんが被害もすごい。市街戦だと歩兵が有利とか言われていますが、
装甲部隊、戦車がやってくると全滅です。
 まぁこの映画を見ればわかると思います。
 今回見て気付いたのは一応その戦争の悲惨さに結構演出と描写を割いているんだなぁ
ということ。

 もう書きたいことは、概ね書いちゃったんですけど、この映画のスターがたくさん
予算も沢山そのわりにもう一つ面白くないのが、めちゃめちゃ戦争そのものの
お金の無駄さ、実際やっている人はどこらへんをどんなふうに戦っているか
よくわからないというのが見事に表現されていると思うのです。
 多分こんなこと感じるのは私だけでしょう。
 それでかまいません。

 とはいえ、ロバート・レッドフォードの渡河のシーンとかハラハラ・ドキドキの
シーンやEpiがないことはないのですが、あそこも爆破が不発って、、
オチがちょっと、、、、。
 やっぱりその規模の大きさで語られることはあっても戦争映画として
よく出来ているとはならないでしょう。

 これは、私と同じミリオタ、いや失礼、本業の軍事評論家の
岡部いさくさんが言っていたんですが、勝った側、特に岡部さんは英国好きですが
が悲惨な映画を描けば描くほど、苦労話って実は自慢話みたいなことで
あんなに大変だったけど結局勝ったんだよな、俺たちってなるって言ってました。
 めっちゃ同感です。
 そして敗戦国側はただただ悲惨なだけの映画になる。

 この無駄な感じの規模の大きさが戦争そのものを想起させる
変な映画だと思ってください。

関係記事。
王になろうとした男 

グランド・イリュージョン 見破られたトリック 

ダンケルク 

レッド・オクトーバーを追え! 

アウトバーン 

ロビンとマリアン 

日の名残り

評価
☆☆☆☆。


  
 

 
  

3
win2 

「ウィンター・ウォー」
監督・ペッカ・パリッカ
主演・タネリ・マケラ

 WW2中にももう一度戦うことになるんですが、その前にソ連とフィンランドが
戦った通称「冬戦争」を扱った戦争映画です。 

 オリジナル完全版を見たということもあるのですが、197分だっけ!?。
一言長い、、。

 潜水艦映画の大傑作、「Uボート」と似たような経緯で
制作された映画でして、元々テレビ・ドラマだったらしい。
 それを短く編集したのが最初に映画化されこれは更に伸ばしたのが
本作らしいです。

 一頭最初の戦争になる経緯から動員と非常に史実に
基づいて(おそらく)丁寧に描かれてはいますが、 
 実際の戦闘シーンまでが以上に長く、また後半というか、
ラストももう一つ盛り上がりに欠ける。
 全体の雰囲気は人口でもかなり劣る小国が
大国の侵略に苦労しつつも打ち勝ったという一種の愛国と
いうか、プロパガンダ的要素の多い映画でして、
多分思い入れの大きなフィンランド人はもりあがるのでしょうが、
縁もゆかりもない東洋に住むアジア人には、もう一つ感情移入すら難しい。
 というか、一つ一つのEpisodeも戦争映画あるあるで弱いし。
 人間が濃厚に描けているとも思えない。
 つまり、映像媒体としては、中の中といったところ。
 戦争映画ファンにしかおすすめできません。
 
 ただ、戦争している兵士はいつ果てるとも終わらず戦争が
だらだら続くし、食い物はないし、どうなってるの俺たち?って感覚は
嫌というほど理解できる。
 また、塹壕が浅いのも美術手をお金をかけれれなかったかもしれないけど
 掘るのにも疲れたみたいな感じで最低限の深さだけ
掘るみたいな変なリアルさがあります。
 また宮崎駿も漫画で書いてたけど、
みんな戦争なんて本音で言えばしたくないので
戦闘にとぼとぼうなだれながら歩くシーンなんてめっちゃリアル。

 ミリオタ的には、武器や装備がバラバラなのが、面白い。
 またソ連兵はメットを被っていなかったり、
 武器の供与を受けてたのがメットがドイツのメットっていうのが
一足先にやってきた東部戦線みたいな感じがします。 
 ただ、中隊長とかはロシアの遺棄したかロシアから鹵獲した
バラライカとか呼ばれる、円形弾倉のppsh-41を撃ってます。
 戦車もデッチアップだし、まぁこんな感じかなぁ、、と
これわりと古い映画なんですね。1989です。

 フィンランド語の映画なんて、正直アキ・カウリスマキ以来ですよ。

 二度書いてしまいますが、戦争映画マニア以外は
おすすめできませんね。 

評価。
☆☆☆。

3
raid 

「ロンメル軍団を叩け」
監督・ヘンリー・ハサウェイ
主演・リチャード・バートン

 ロンメルとか実名が入っているのでもうちょっとシリアスな
映画かと思いましたが、これはちょっと、、。

 wikiによるとトブルク戦線という映画からアクションシーンはかなり
引用されているらしい。
 昔のハリウッドはこういうのよくやったらしい。
流石に二次情報ですけど、「633爆撃隊」という航空戦争映画
としてはサイコーの映画があるんですがこのフライトシーンだけ
利用してもう一本作ったり、、。もう一本は失念しましたが。
 軽い怒りすら感じます。完全にミリオタをバカにしてますね、、。

 監督はヘンリー・ハサウェイ、オリジナルのほうの
「勇気ある追跡」の監督です。
 もっとシリアスな戦争映画だと思ったんですが、
笑いありの完全なお気楽極楽戦争ムーヴィーですね。
 別にドイツ軍びいきではありませんが、こんなにうまくいくわけがない。
 ただ、ロンメルが切手の収集家だということでのエピソードは
わりと面白かったですが、、。

 しかし、あながちめちゃめちゃな脚本でもないということだけは
指摘しときます。
 ロンメルがアフリカ戦線で破竹の進撃をするわけですが、
この人、第一次世界大戦から軍人だったわけですが、
そのころから、敵に対してめちゃめちゃ迂回して戦う人でした。
 あまりにも移動または機動するので、どこに現れるかわからないので
通称、「砂漠の狐」。
 第一次世界大戦では歩兵を率いていましたが徒歩でも
めちゃめちゃ迂回して回り込んで攻めてました。
 それがWW2で装甲化というか機械化されたわけで
ロンメルにとってはまさに力の発揮場所。
 ただし、アフリカ戦線の悲劇は片一方が地中海で海だということ
迂回できる方向が内陸側だけ、、。しかも内陸側のほうが
当たり前ですが補給が大変で気候も厳しく砂嵐がひどい、、。
 実際は英国側が地雷原で待ち構えていたところにハマり
進撃はストップするのですが、(それと砂嵐)、。
 本作であった、燃料補給所を破壊するというのは、
移動するのが大好きなロンメルの移動を止めましたよ、と
いう間接的な表現なのですね。
 あと、もう一つ、考えたなぁと思ったのが、
ダニエル・デ・メッツという女優をイタリアの娼婦として
出したところ。
 普通これ男性ばっかりの映画になります。
 ただ、もうチョット脚本で一つ二つEpiを考えてあげればいいものの
おバカななだけの女性に終止し逆に女性から怒りを買いそうです。

 ミリオタ的には、これが変な知識が入っているだけに
めちゃめちゃややこしい。見るに
 簡単に借りれる戦車と飛行機があるみたいですね。

 ロンメルがアルバトロスという飛行艇で現れたときは
鹵獲した機体なのかとびっくりしましたが、あれ実際だとシュトルヒなんじゃないの。
なぜ飛行艇なのかが不明。
 海から来たということを観客に伝えたかったのか、、。
 ドイツ軍のSdkfz251というハーフトラックは米軍が使っていたM3という
もう一回り大きめのハーフトラックがあるんですがそれでした。
 これも、鹵獲したのかと思うほどのややこしさ。
 もしくはコマンド部隊が偽装して使用しているのかと。
 また、機銃も12.7ミリのM2ブローニングがドイツ軍で使われていて
意図的にやってんのかと思うぐらい。
 戦車は三号戦車だと思って欲しいのでしょうが、走ってるシーンは
M-41ウォーカーブルドッグ。
M-41はもう退役しているのか扱いが雑。
 とまってたりちょっとうごくだけだとM-48パットン戦車でした。

 あと、忘れてはいけません。完全に実機が飛び興奮したのが
P-40の地上銃撃シーン。イギリス軍のラウンデルでしたが
P-40ってランドユースしてたのかな、、。
 ミリオタで飛行機が専門とかいいながら知らない筆者。

 ラストのというか、このためにすべてがあるのですが、
砲台の破壊は「ナバロンの要塞」から拾ってるのかなぁとも
思いましたが、このアフリカ戦線かチュニジア戦線での
実話かもしれません。
 よく知りません。

 総じて、全部うまく行き過ぎ。
 ただラストのRバートンと軍医が捕虜になる終わり方は
実は戦争映画あるあるなんですけど、好き。
 みんなが自己犠牲でばんばん死んでいく好戦映画よりよっぽど
ドラマがあると思います。

 リチャード・バートンだと、同じく痛快戦争アクション映画の
クリント・イーストウッドも出てる「荒鷲の要塞」という大傑作があるので
そっちを絶対見てください。

関係記事。
寒い国から来たスパイ 

クレオパトラ 1963

評価
☆☆☆。

3
mich 

「ミケランジェロ・プロジェクト」
監督・ジョージ・クルーニー
主演・ジョージ・クルーニー

 ナチス・ドイツが強奪していった(ヒットラーは画学生)美術品を
取り戻していった部隊のお話し。
 ジョージ・クルーニーも、頭のいい人で演出や製作サイドの仕事
までこなします。というかそっちにも大いに興味のある俳優。
 ハリウッドだと今でも俳優第一主義が貫かれていて、
昔は、映画のタイトルの前に必ず男優のトップと女優のトップを
クレジットすることを強制していたほど。
 よくクレジットに製作で主演俳優の名前が入っているのは、
出資者への安心感を醸し出す対策です。←たぶん←きっと。
 イメージ的に重なるのは「レッズ」とか主導して監督した
ウォーレン・ビーティとかかな?。純二枚目という点でも一致するし。
 あれも、途中でインタビューが入ったり相当の意欲作だったけど、
すごい作品だとは思ったけど、面白いとは思わなかった。 
 ああ、C・イーストウッドがいるか、だけど、あの人の
映画の作り方は製作者っぽいんだなぁ、、、どうも。
 ドラマERのころから存在感的には他の俳優より圧倒的に際立っていたけど、
映画界にステップアップしてこんな大スターになるとは思ってませんでした。

 よく知りませんが、よく書けたノンフィクションをベースに
映画化した感じですね。
 映画は自由に作りますよと、どこまでと誰までが史実なのかわからない感じ。
 予想していたよりは、緊張感ももう一つなく、緩慢な戦争映画あるあるの連続で
サスペンス性はかなり低いです。
 マット・デイモンのEpiなどもっとスパイ小説やスパイ映画の
風味を加味できたと思うんですけど、なんかおしゃれで小奇麗なEpiに
終始した感じ。
 
 全体として見た感じ、なんか教育TVを見ている感じなんですね、
あとヒストリーチャンネルを有名な人を出してドラマ化したみたいな。
 全体的に、芸術を扱っているだけに、お上品で非常に啓蒙的。
 しつこく説明されて、バカにされてる気はしないけど、
「レッズ」のW・ビーティーもそうだったけど
今作のGクルーニーも、正直いうと頭のいいところを見せようとして
ちょっと背伸びしすぎた感じ? 
 すいません、ファン方々。
  
 映画の一頭最初から、人の命か、美術品の保護かという
命題をテーマとして背負い続けた映画になるわけですが、
 もちろん、劇中でもセリフでも何度も激論を交わしています。
 だけど、性悪説でだからこそより良くしないといけないと
思っている価値観の私からすると、人の命のほうが
絶対重いと思う。
 劇中でも実際あるんだけど、出来るだけ美術品や歴史的建造物は
尊重すべきだけど、作戦が2つあって、かた一方のほうが
人的損害が少ないとするとそっちをチョイスするべきだと思う。
 本当はこの考え方は原爆をも正当化するのに
使われているのでいやなのだけれど、、。
 たとえ歴史的芸術家ほど才能がない取るに足らない学もなく才もない一兵卒
だとしても、、、。
 まぁ綺麗事かもしれないけど、、、。
 美術品を守るほうがエリート主義です。

 だから、もう一つ乗れなかったのかな、、。 

 ミリオタ的にはレプリカかどうかわからないけど、
キューベルワーゲンに乗ってノロノロ欧州っぽい路を走っている映像だけで
満足ですね、、、。(少し押井さんのビューティフル・ドリーマー的?)
 本当は80キロ近く出たそうですが、、。

 多少緩慢ですけど、決して見て損とか悪い映画ではないと思います。

関係記事。
マネーモンスター

ディパーテッド
 

アウト・オブ・サイト 

トゥモローランド 

スーパー・チューズデー 正義を売った日 

オデッセイ

ボーン・アイデンティティ

ジェイソン・ボーン 

ブルージャスミン 

ロスト・イン・トランスレーション 

キングコング 髑髏島の巨神 

10クローバーフィールドレーン 

インサイド・ルーウィン・ディヴィス 名もなき男の歌 

評価
☆☆☆←戦争映画には厳しい私。

5
redo 

「レッド・オクトーバーを追え!」
監督・ジョン・マクティアナン
主演・ショーン・コネリー

 原作者のトム・クランシーは原作をデビュー作にしてベストセラーにし
かつその後ジャック・ライアンをシリーズ化して大作家になりえました。
 ただ、前にも書いたかもしれないけど、超保守派の作家でして
(作風からもわかると思いますが)
もう、現役でバリバリ書いていた頃ではないのですがとあるシンポジウムで
「プラトーン」のオリバー・ストーンと壇上で同席し、その場で
高校生や大学生に
「君たちはラッキーだ、君たちが今こうしていられるのは、
我が軍が冷戦に勝利したからだ」
と発言したところ、オリバー・ストーンに壇上の万座の中
一発パンチを食らったとか、、。
 ほぼ同じ分野を書いている感じの福井晴敏に言わせると、このころは、
ぎりぎり官僚的すぎて機敏に動けない軍部と政権と対峙させる位置に
ジャック・ライアンを置いていますが、成功することによって
(ジャック・ライアンとトム・クランシーともに) 
 どんどん大きな保守の右側に取り込まれていったって理解しているみたいですが、
 今回見直すと、もうかなり布石は打たれているというか、
右よりであることは間違いないですよね。
 ほぼ、アメリカに憧れた潜水艦乗り(将校)たちが最新技術をもったまま
そっくりそのまま亡命するお話なんだから。
 しかも、アメリカ側の画策する作戦は大成功。傷ついたり死ぬのは、ほぼ
ソ連の軍人だけという、アメリカ完勝どころか圧勝のお話し。
 ある意味、アメリカの勝利宣言みたいな作品です。
 原作のシリーズそのものは、あまり多くの方はご存じないと思いますが、
尻すぼみになっていったのと真逆にジャック・ライアンはアメリカ大統領に
まで上り詰めます。

 ちなみに、私に言わせると、福井晴敏自身も、
キャプテン・ハーロックぐらいからかな?
 この人も、資本側に軍事スリラーを書かせるとこいつだろうと
取り込まれていきますよね。
 この人、仲人が富野由悠季さんだと言うぐらい典型的なガンダム世代で
登場時から今まで似たような競争相手がいなかったせいもありますが、
 初期はともかく、今はあまりクリエイティブな仕事をしていないような
気がします。
 
 映画に戻りますと、
 90年代は、「プレデター」「ダイ・ハード」そして今作と
ある意味、ジョン・マクティアナンの絶頂期でした。
 映画って世代が確実にあるけど、とにかく「ダイ・ハード」の衝撃は
すごかった、何回も何回も見すぎて、もう見たくないくらいだもん。
 しかし、わりとつねに大づかみでわかりやすく
そんな演出が優れているとは思いませんけんどね、、。
 また、この作品、撮影はのちの「スピード」のヤン・デ・ボンと
まぁいろいろたっぷり話題がある作品です。
 ハンター・キラー 潜航せよでも、書きましたが、比較的映像として
編集で取りやすい潜水艦ものとしてはギリギリ成功作ではないかと、、。
 潜水艦の発令所も、ダラスはあんな感じとして、
「U-571」では驚異の広さでしたが、レッド・オクトーバーは
新造のタイフーン級って設定なのでまぁあの広さはギリギリ許容出来るかな。
 だけど、本音はちょっと広すぎると思う。

 海溝をギリギリで通過しながら、魚雷攻撃を受け、旋回点を数秒オーバーする
スリリングなところが、ラストのどんぱちがありつつソ連の潜水艦と
戦うシーンより好きです。

 映画の方と原作は全然シンクロしてませんが、映画の方はこのあと、
ジャック・ライアンはハリソン・フォードにバトンタッチし、
 アレック・ボールドウィンはMIPにバトンタッチし、とややこしい。
 そして、ジャック・ライアンでないハリソン・フォードはエアフォース・ワンで
アメリカ大統領を演じと本当にややこしい。

 シリーズといっても、あと二作だけですが、
「パトリオット・ゲーム」が映画としてはよく出来ているかな?
トム・クランシーの小説はほぼコンプリしているのですが、
あまりというか、ほぼドンパチのない純粋なスパイ小説に挑んだ
「クレムリンの枢機卿」が一番好きなんですよ、、、。
 出来もある意味本作よりもいいと思う。
 ただル・カレやグレアム・グリーン級に地味ですが。

 女性がほぼ出ない、完全な戦争映画ですが、
よく出来ている方だと思います。

関係記事。
MIP フォールアウト

ディパーテッド

王になろうとした男

ロビンとマリアン 

評価
☆☆☆☆☆。
 

  

3
hunt 

「ハンターキラー 潜航せよ」
監督・ドノバン・マーシュ
主演・ジェラルド・バトラー

 「ワイルド・スピード」の制作陣が放つだったのか、、。
やめとけばよかったかも、、。
 この映画の公式HPでも潜水艦映画にハズレ無しって銘打っていますが、
私クラスんのミリオタだと、たくさんハズレ知ってますが、、。
 逆にヒットして面白いほうが少ないぐらい。
「Uボート」「レッド・オクトーバーを追え」「クリムゾン・タイド」
あたりでしょうか?「Uボート」が究極に突出していますが。
 なぜ、そう言われるのかは容易に理解できます。
スタートレック 2009のときに、ブリッジと船体のVFX映像だけで
組み立てられているって言いましたが、それそのものなのが、潜水艦もの
なのです。 
 発令所と呼ばれる閉鎖空間にセットを集中して制作して、
船の動きはVFXか今なら3DCGでぱっぱっとインサートカットぐらいのほうが
緊迫感が出る。 
 早い話、全体の位置関係とか全部セリフで報告するし、
絵しなくても俳優が焦ってくれさえすればいい。
戦争映画の媒体としてめちゃめちゃ映画にしやすいんですね。
 今回、あんなドローンみたいな海中センサーが登場しますが
基本的にたった深度300mですが視界はゼロ。音だけで勝負します。
 しかも、位置と存在が知られるだけで攻撃対象になってしまう。
「沈黙の艦隊」ほど水中艦に優位性は無いと考えてもいいぐらいです。
 と言い切っていますが、私海の戦いが一番ミリオタ分野でも知識が乏しく。
 最先端の対艦ミサイルの精度や魚雷の速度、精度なんか全然わかっていません
のであしからず。 
 
 これ、ORだったかな後付けなんですけど、
原作パトリック・ロビンソンなんですよね。もう20年近く前になりますけど、
めっちゃ読んだ。
 もうトム・クランシーも弟子や若手に名前貸しして書かせてますけど、
トム・クランシーの海軍版みたいな人です。現代海戦軍事スリラーの第一人者。
 翻訳って上澄みだけさらっていきますから、あっという間に消えていきますが、
デビューまもないころの
nimi

kilo

 ニミッツクラスとキロクラスは面白かったな、、。もう新刊で探すのは
大変かと思いますが、一番最近だと、ノンフィクですが
af
 こんなのを書いているらしい。

 この映画もよく知りませんが、アーノルド・モーガン提督シリーズの
8作目かな??らしいんですね。
 ところが、映画の劇中ではモーガン提督なんて出てこない。
コモンという黒人の軍人さんがそうなのかな、、、。

 これね、ざっと簡単に言うと、潜水艦映画ではないし、
早い話、悪いけど全部の分野がチープ。
 ドラマも緊迫感もVFXもアクションも仕掛けも、ギリギリ及第点程度。
 シールズのところは、バタバタ死にますが、ことが簡単に行き過ぎだし、
敵の設定もeasyで楽しすぎ、、。
 VFXも最新の魚雷の速度って知りませんが、演出としては、
ミサイルみたいにスピード感だしたかったのだろうけど、
 スタートレックやSWのプロトン魚雷並の速度で推進します。
 あれね、「レッド・オクトーバー、」でありましたけど、コーナーを曲がって
何秒とかカウントするところがドキドキするんですよ。
 早い話、魚雷は遅く追いかけられるほうがドキドキする。
 天才アニメーターの板野一郎さんが言ってましたけど、バイクに
ロケット花火つけて打ち合ってて気がついたら撃たれるほうが
楽しいことに気づいたって言ってましたけど、、Mかもしれないけど
そうなんですよ、、。

 バタバタしてて最後までは、見れますけど、
戦争映画としては普通かな。あまりおすすめできません。

関係記事。
裏切りのサーカス

レオン

評価
☆☆☆。

3
h 

「突撃隊」
監督・ドン・シーゲル
主演・スティーブ・マックイーン

 タイトルとS・マックィーンが出ていることぐらいは
知っていましたが、なんと監督がダーティーハリーのドン・シーゲルとは
知りませんでした。
 知って急遽鑑賞。

 ドン・シーゲルってダーティーハリーでボーンと業績が
持ち上がっている人ですけど、この人典型的なハリウッドの
雇われ監督。
 きっちりスケジュールと予算を守り、90分そこそこの短ーぃ作品で
エンタメにして仕上げる。
 初期はそれこそはっきり言えば、B級だけどいつもそこそこ
おもしろいって作品をそれこそ質より量で大量生産しています。
 スタジオや資本側からすれば使いやすく大助かりの監督さんです。
 同じく手堅く面白い作品を量産してきた
ロバート・アルドリッチとよく比較されますが、
 ロバート・アルドリッチのほうが私に言わせると上ですね。
 上記の条件をクリアした上でアルドリッチのほうが
人間がうまく描けてる。

 見た感じ、アメリカにしか見えないロケ地と欧州戦線のGIものの
よくある戦争映画でやっちゃったかなぁ、、また、これと言って兵器も出ないし
とも思うんだけど、
マックィーンの異様に軽快な動きとアクション。
(本当はあんなに飛んだり跳ねたりしたら弾にあたっちゃうような気もするけど)
 と、壮絶なラストで強烈な印象を残す小気味の良い作品に仕上がっています。
 だけど、B級かな、、。
 分隊の面々とか描き分けが良く出来ているんだけど
破天荒で無鉄砲な主人公のマックィーンが強烈過ぎて、
主人公なのに感情移入しにくいのがチョット難点。
 それであのラストは、切ないを通り過ぎてショッキング。
しかも、分隊員も十字切っていたけど、トーチカをマックィーンもろとも
燃やすとは、、、、。

 戦争映画としてはもう一つかな、、、。 

関係記事。
マンハッタン無宿 

突破口! 

ダーティーハリー 

評価
☆☆☆。

5
apo 

「地獄の黙示録」
監督・フランシス・フォード・コッポラ
主演・マーティン・シーン

 概ね、というかERでもマーロン・ブランドがトップなんだけど
主演はなんといってもマーティン・シーンだと思う。
 死ぬほど回数見てるけど、ディレクターズ・カット版も見ました。
相変わらず映画としてはめっちゃ力を持ってますね。
 わけの分からなさ、後半の萎み感も含めるて余計に、
凄いの一言。

 ベトナム戦争に限らず、戦争の狂気を描いた作品ってそれこそ
山程あるし戦争映画の定番テーマの一つだし、この映画が描くというか
演出された狂気ってちょっとあからさますぎるというか、はっきり言ってあざとすぎ。
 過剰に演出されてて戦争の狂気だけを謳うのであれば、もっと
静かに違ったやり方で描く方法もあったと思います。

 ミリオタの私は当然この映画にめっちゃはまり込み、
小説ばっか読んでいる時期に本作の原作にあたるコンラッドの「闇の奥へ」
も読みました。
 かなり時間軸がホモジーニアスではないかなり読み難い原作ですが
こっちもといいますか、意外ときっちり原作のテーマとか
これまたわかりにくさとか戦争は関係しませんが狂気とか精神性、思想性は
ビックリするほど受け継いでいます。

 まず最初に断っておきたいのは、
ma 
 町山智浩さんの「映画の味方のわかる本「ブレードランナー」の未来世紀」
という映画評論集があります。
 私的にまぁ映画や音楽っていってもセンシティヴな時代に見たものが
そのまま心に刺さりますから、時代だと言えば、一言なんでしょうが、
この本からめっちゃ影響を受けてて、どこまでが、
この本の町山さんからの受け売りか
原作まで読み、完全版まで見て思ったことかぐちゃぐちゃになっているぐらい。
 この本から多数引用していることをあらかじめ指摘しておいて
書いていきます。

 まず、原作から言うと、メインプロットは実はほぼ同じです。
 コンラッドの原作では、舞台はアフリカ、
時代は19世紀の欧米による植民地獲得時代。
 アフリカに派遣されたものの会社の業務命令を無視して
アフリカの奥地で先住民を統治し王国を築き、
象牙の密売をする困った男が現れます。
 その男を殺しに行くのか、やめろと、説得しにいくのか、
忘れましたが、そこへいくのが、主人公で概ねこのお話です。
 その象牙の密売をする男の名前がクルツ。
 映画では、カーツ。ドイツ語読みするか、英語読みするか
ってことだけで一緒でしょ。
 多分綴りも一緒。
 で、白い象牙も映画では扱われていませんが、位置的にいって
白い麻薬の黄金の三角地帯。
 ね、また一緒。
 そう、アフリカ=非西洋なんだけど、ここに深い入り込んで
おかしくなってしまうというのを、ベトナム戦争に置き換えただけなんです。
 この辺が、原作との一致性と引用ですけど、このコンラッドをベトナム戦争に
当てはめるあたりがセンスですよね。

 これも、書かなきゃいけないんだけど、コッポラには
フォロワーというか、ルーカスとか
お弟子さんがたくさんいるんだけど、一番のお弟子さんはなんといっても、
本作の脚本を描いた、ジョン・ミリアスです。
 Jミリアスは、志願したのに兵役検査に落ちたほどの人で
そこで、精神的に更に歪んでしまったのかそのせいかめちゃめちゃ
マッチョでタカ派な本を書きます。
 一番わかり易いのは監督までした、コナン・ザ・グレートかな。
 これも、実はラストが本作とそっくりなんだけど、まぁ置いときます。
「怒りの翼、イントルーダー」もそうですよね。
 クーンツの原作とは、かなり違うんだけど、結局首都まで勝手に爆撃して
最後も勝利を収めてしまう。
 本作でも、ラストの訳のわからなさはあとで詳細に書きますが、
 カーツがやたら真の精鋭とか、最強のとか言いますよね。
 あの辺、Jミリアスの影響大爆発です。

 本作の尻すぼみ感は、あまりにも、ヘリボーンと呼ばれる攻撃手法の
ときのワルキューレの騎行のシーンが印象に残り過ぎてしまうのも
理由ですけど、
 一番の理由は、これは、もろに町山さんからの受け売りですけど、
マーロン・ブランドその人。
 撮影現場に現れたマーロン・ブランドは、ゴッド・ファーザーの
ときとは、信じられないくらいに太りに太りに登場。
 そして、コッポラに一切のアクション・シーンの撮影を
まぁ立ち回りですけど、を拒否します。
 というのも、この脚本、ミリアスの描いたもともとのオリジナルは
特殊部隊の工作員で最強の兵士でもあるカーツが王国を築き、
 そこへ、マーティン・シーンたちが来るんだけど、その時、
もうカンボジアかラオスかベトナムかよくわからないけど、
カーツの王国は隣の最強の部族の集団の攻撃を受けます。
 ラストは、最強にして最精鋭の部族同士の大激突となり
あの王国の中での大戦闘シーンになります。
 もちろん、カーツもライフル、ナイフ、ナタを使用し大奮闘。
しかし収集がつかず、最後にマーティン・シーンに言うわけです。
「俺の上に爆弾をありったけ落とせ」と。
 劇中ではたくさんタイプされた紙の中に、爆撃しろって
書いてあったでしょ。
 だからわりと、ミリアスVerは踏襲されているのです。
 
 しかし、いかなるアクションシーンも拒絶と成ると
困ったのは、コッポラ。
 おそらく困ったどころではなかったと思います。
 コッポラは強引にミリアスVerのラストを変えます。
 まずフィリピンの古書店に古い誰が書いたかもわからない
詩集を買いに行かせこれをマーロン・ブランドに読ませ、撮影。
 この映画の難しさというか、奥深さかもしないけど
わけのわからなさってこの辺にあるんです。
 
 ただのマーロン・ブランドのわがまま。

 だけど、今回注目してこのあたりを見てたけど、
このラスト改変の事実を知らないときは、
やたらMブランドが小難しいことを言いまくってたって印象でしたけど、
見てみたら、詩集読んでるのってワンショットだけじゃん。
 しかも、詩集を持ったまま読んでるだけじゃん!。
 おい!。
 やっぱり詩集を読むのはコッポラと言えども、”良し”とは
思っていないんだなぁと理解した次第。

 まぁ映画ってわからないものですね。ミリアスVerの大エンタメVerの
脚本のほうがおそらく百倍面白いけど、
本作がこれほどの評価を受け映画史に残る映画になったかどうか??。

 ディレクターズカットですけど、河を遡上する途中に
ベトナムのフランス統治時代のまま住み着いちゃってる
フランス人の大邸宅に寄ります。
 まぁ、これも、時代錯誤でイっちゃってる人々の象徴なんだろうけど、
河をさかのぼりながら悪夢のような信じられない経験をしていくって
筋立てだから、あのプレイボーイのバニーちゃんの慰問とか、
 どれかのシークエンス最悪一個なくても、大丈夫ですよね。
みんながよくみる版はこのフランス人のシークエンスが
まるまるカットされてます。  

 最後に、原作との一致と言うか、符合に戻って偉そぶりたいのですけど、
 映画の方でも、ちょこっとだけですが、カーツが
「怖い、(horrible)」って言いますが、
 コンラッドの原作だと、クルツはやたらめったこの
「怖い、 (horrible)」を連呼します。
 まぁ強いやつが好きで最終的にはマッチョが勝つというのが、
ミリアスの精神でしょうから、ミリアスは”良し”としてなかったでしょうが
原作だと、王国を築き先住民を支配しながらも、そのアフリカ、
もしくは、非西洋的考えに飲み込まれていってしまう、西洋人の
怖さと狂気がこの一言に含まれているとしか思えません。
 人って、生物としての生存本能からでしょうが、最初に覚える感情も
恐怖で、老いてボケても最後まで残るのは、恐怖の感情だって言いますから、
 人のいや、生物の根源を表した一言かもしれません。

関係記事。
ランブルフィッシュ 

アウトロー 2012 

ブレードランナー 2049 

SW フォースの覚醒 

逃亡者 

マトリックス リローデッド 

評価
☆☆☆☆☆

3
mid 

「ミッドウェイ」
監督・ジャック・スマイト
主演・チャールトン・ヘストン/ヘンリー・フォンダ

 この戦いに敗れて日本は太平洋戦争を敗北しました。
まぁ勝っていても終わりが長引いただけかもしれませんが、、、。
          ↑
    これを書いたら日本人として終わり。
 それぐらい強烈な敗北だった。
 山本五十六は1年半は暴れてみせるといいましたが、実際は
開戦からたったの6ヶ月の栄光でした。

 それをアメリカ正確にはハリウッドでしょうが、、、。どう見ているのか
大変興味が合ったのですが、、。
 だいぶ日本人の戦史の解釈とは概ね合致しますがかなり違いますね。

 というより、新造で撮影した戦闘シーンがゼロに近いらしく、
既存のハリウッドや日本のフィルムも使われているとか、
既存の撮影し終わった戦争シーンと現存する戦争記録フィルムなんかを
継ぎ貼りして作った戦闘シーンがあまりにもミリオタとしては
酷すぎて怒りすら感じます。
 戦争映画って放っておくとおっさんばっかりしかも
血と油と煤で汚れた、、の映画になってしまい女性の
出演がゼロになるのですが、収容されている日系人の女性との
シーンを入れてかろうじて女性を出しています。
 まぁEpisode的には苦しい感じですね。

 しかし、RミッチャムにHフォンダ、Cヘストンに三船さんと戦闘シーンに
あまりお金をかけていない分、役者さんはめちゃめちゃ豪華です。
 一部訳語というか、原語でもcaptainっと呼んでいたのですが、
艦長と訳すべきなのか、階級の大尉なのかよくわからないところが
ありましたね、、。(Wikiでも記述があった。あれは映画が間違っていると思う)
 海軍は難しい。カタリナとかはきっちり現存する実機が飛んでいるのに、
その他の単発機は艦攻から艦爆、戦闘機とほぼ、A-6テキサンと呼ばれる
初等練習機の改造機ばかりで、しかも改造の完成ぐわいもめちゃめちゃで
見ていて、ミリオタとして変な知識が余計にあるばかりに混乱します。
 最後は塗装だけみて判断するしか無いのかと理解した辺りで
山口多聞さんの飛龍での刺し違えぐらいで終わってしまいました。
 複座の艦爆でも、三座の艦攻に切り替わっていたりと
怒りを通り越して混乱を生じさせています。
 逆に、役者の搭乗シーンがあるコックピットだけでワイルドキャットか
ヘルキャットかわからない自分を攻めていたぐらいです。
(当時はワイルドキャット)

 三船さんは残念ながら吹き替えですね。けっこうハリウッドって英語の
発音にうるさいんですよね。
 有名な話しだと、同じ英語どうしですが、
米語しか話せないアンディ・マクダウェルが
ターザンのリメイクで英語しかも上流階級の
英語が話せずにかっちり全部吹き替えられたと言われていますから。

 暗号を解読されていたのは概ね一緒ですが
そこからは、ほぼほぼ日本の通説とはぜんぜん違うというか
艦攻の雷装だったのを爆装にしてもう一回雷装に戻す
勝利を分けたと海軍がしきりに主張する7分間の描写が皆無。
 とにかく、両軍ドタバタしてなんかわからないけどアメリカが勝った
みたいな描き方です。
 まぁこれはアメリカも窮地だったと映画的に煽りたい描写なのかもしれません。 
 最近の日本側の研究でも、実はこの7分間は海軍が作った
創作だって説も流布しているのでわかりませんが、、、。
 山本五十六さんは良いとしてやっぱり源田さんとかも、
アメリカ的には有名なんですね。ルメイに勲章を与えたぐらいですから。

 私は源田さんも含めて、ルメイへの勲章は置いといても
このミッドウェイに参加した海軍の前線高級指揮官は
全員日本が裁くべき戦犯だと思っています。
 6隻ある正規空母のうち、2隻が傷んでいて
残りの4隻全部沈んだら、普通ゲームオーバーでしょ。
 それこそ、あと3年間だけどどうやって作戦立てるのよ、、。

 戦争映画としては完全におすすめできませんね。
 アメリカのミッドウェイの戦いの認識が分かる程度。
 あとスターがたくさん出ているぐらい。

関係記事。
さらば愛しき女よ

ダンディー少佐

華麗なる激情

黒い霧 

隠し砦の三悪人

赤ひげ  

七人の侍 

日本でいちばん長い日 1967

用心棒 

評価ギリギリ3かな。ほんとは2。
☆☆☆ 。

4
pr 

「プライベート・ライアン」
監督・スティーブン・スピルバーグ
主演・トム・ハンクス

 ミリオタにして戦争映画オタクの私としてはめっちゃ盛り上がる筈
いや持ち上げないといけない本作ですが、。
 これがもう一つなんだなぁ。

 ただ長いってこともあるけど、今見直すと力はありますよね。
 なんか力任せの無手勝流ですけど。

 スピルバーグもすんごいロングキャリアでそれこそ端から端まで
撮っている人ですけど、大型書店の映画評論のコーナーでも
あんまりスピルバーグ論って見ないでしょ、この人って哲学とか
主張とか究極言えば、ドラマとかもあんまりない人なんです。
 ちょい前NHKBSで放送してた、マイノリティ・リポート
撮影中に足したと思われるアイデア満載でごちゃがちゃした感じに
なってるなぁって思ったから。
 再三このブログでも書いていますが、初期の「激突」から「ジョーズ」から
基本同じ方法論で撮ってて、ライブ感覚ですか、撮ってて
これどう、それどう、あれどうってアイデア足していって
ここぶつかったほうが面白いとか、引っかかったほうが面白いとか
子供が遊んでいる感じにしてしまうんですね。
 大筋で脚本は守るみたいですけど。
 その分、すんごい早撮り、撮影やプリプロとかでも予定が伸びたとか
一切ないらしくて、スタジオとしては大助かり。
 逆に、黒澤さんとか、テッド・ギリアムとか、撮り直したり
する人のほうが、評論が書かれたり、ファンではカルト的人気を得たりする。
 
 スピルバーグってアマチュアで映画の体裁にすらなっていない
始めて8ミリフィルムを買ってもらった時に一番に撮ったのが
戦争映画→戦争ごっこだったていうから、
キャリアで一度は戦争映画を撮りたかったはず。
 
 本作、作中でセリフで一個分隊で一人を助けに行くことすら
意味がないって言ってますけど、そこに引っかるのでなくて、
全体として、まとまりがないですよね。
 ダラダラ、その場で戦争映画でありがちのおもしろエピソードを
連続して組み込んでいる感じで。
 撮っている分には楽しいと思うけど、見てる側は冗長に少し感じる。
 
 しかし、最初の上陸シーンは映画としての掴み的には当時でも
今も、すごいなぁと、思いましたけど、、。

 ミリオタとして突っ込ませてもらうと、米陸軍って志願、徴兵問わず。
普通にライフル小隊(部隊)そこから志願→で空挺部隊(ライアンの居たところ)
で、そこから更に志願で→レンジャー部隊って順序に精鋭化されてまして
まぁ、最初のシーンでもギリギリ砲台がある厳しい戦場になっていましたが
「史上最大の作戦」でポール・アンカが演じている部隊が
そうなんですけど、あれぐらいの縄梯子と梯子で崖登るとか、
もっと強烈な戦場に送り込まれます。
 それに、いくら大卒でも、高校の先生がレンジャーの大尉とか
ちょっと無理。まぁ、だからフックの謎解きになっているんですけど。

 それと、多分、一番ミリヲタを泣かせたのが、あのデッチアップの
タイガー戦車ですね。
 二重転輪から結構よくできているのに、なんだろう、
砲塔の幅が、、決定的に狭い。あそこで嘘だってすぐバレてしまう。
 特に、デヴィッド・エアなんていう、現場監督みたいな人が
フューリーで本物のタイガー戦車持ち出したでしょ。(映画界初)
 射撃の砲弾とか駐退機の後退とかどうやってのか知りませんが、。

 あと、救われたライアンが老後に自分は価値のある人生を
本当に送ったのかというめちゃめちゃ重い問いかけを自身にまた、
観客に投げかけるのも、ドラマとしてはいいですけど、
はっきり言って、人間って生きている意味ってないですよ。
生きていることにこそ、意味があるって思うしか無い。
 ちょっと重すぎるんですよ。

 もっとボロクソ書くつもりが、意外と普通に。
映画としては力はありますが、典型的なスピルバーグムーヴィーに
仕上がっていると思います。

関係記事。
フューリー
 
マイノリティ・リポート 

ハドソン川の奇跡 

ビッグ

ボーン・アイデンティティ

ジェイソン・ボーン 

太陽の帝国

1941 

評価
☆☆☆☆。

3
el 

「炎の戦線エル・アラメイン」
監督・エンツォ・モンテレオーネ
主演・パオロ・ブリグリア

 これ、数年前NHKのBSでやっていましたよね。
NHKのBSの映画ってだいたいそうなんですが、、。
 私はミリオタだって再三書いてきていますが、この映画の存在は
ロードショーで知りませんでした。ただ、私映画に対して興味を
失っていた時期もかなりあるので、あてになりませんが。

 よく、ツタヤとかレンタルビデオ屋さんとかいくと、
趣味の分野でも概して結構自分の知らない戦争映画ってありますよね。
 で、パッケージみても、知ってるスタッフも役者も居ないみたいな。
  まさにそんな感じ。

 WW2の北アフリカ戦線を敗戦国のイタリア側から描いています。
もちろん、イタリア映画。
 南部は酷いって劇中でもいっていますが、やっぱり地中海から
離れるから補給も含めて大変みたい。
 だけど、補給にいったときに海水浴するシーンもありますが、、、。

 はっきり言って、ハリウッド映画の規模に比べると、かなり安っぽいですが
その安っぽさが装備や補給が安っぽかったイタリア軍そのものを
描いているようで、ちょっと悲しくなります。
 これも、予算の関係か、戦闘シーンが極端に少ない。
 それを目当てに見るとちょっと失望するかも。
 イタリア側からすると同盟国であるはずのドイツは
リッチで補給も行き届いててってイメージがあるらしくて、
まぁ、敗残し撤退中なのですが、両軍とも、罵り合って
かなりギスギスしているのが面白い。
 ただ、ロケは美しいし、リアル。レターボックス版で
いくら16:9でも切っていると思うので小さくなってるみたいですが、
ロケいかして、もっと人を小さく撮ってほしかったなぁ、、、。

 戦闘シーンが少ないですが、戦争映画鑑賞のプロの私からすると、
手紙の執筆、地雷、歩哨、物品の奪い合い、狙撃 気がおかしくなるやつ。
 戦争映画にありがちのEpiの連続で映画としてももう一つかな、、。

 これね、ハリウッドが創ったロシア側とドイツ側の狙撃兵の戦いを描いた
「スターリングラード 2001」と違って、今ひとつヒットしなかった
Uボートのスタッフが再結集して創ったといわれる、ドイツ映画。
「スターリングラード 1993」にめっちゃ似ていますね。
 まぁ、負けた国の負けた戦いを描いているわけで、
 悲惨も悲惨、こんな悲惨なことがあった、あんな悲惨なことがあったと
泣き言とは書けないけど、嘆き節、泣きの映画になってしまうんですね。
 この辺が、戦勝国が失敗し、破れた戦いを描いた「遠すぎた橋」
とかと作りかた、見終わった感が全然違います。

 ちなみに「スターリングラード 2001」は簡単なハリウッド映画に
なっていましたが、これ原作がめちゃくちゃよく出来た戦争小説で
「鼠たちの戦争」デヴィッド・L・ロビンズ・著なので、
おすすめします。

 ただこの映画、ラストはちょっと盛り返す。すごい。
 また、その後の、シーンも。

 だけど、もう一つかな。

評価。
☆☆☆。

4
f 

「フューリー」
監督・デヴィッド・エア
主演・ブラッド・ピット

 再三、書いていますが、私ミリオタです、なので、戦争映画って
正当に評価できないんですね、、、。レストアされた実車実機が出ているから
評価が高くなるとか、
 CGで誤魔化しているから、評価が下がるとか、そんな感じ。
 そんなミリオタさんが最大の賛辞を送る映画が
「バトル・オブ・ブリテン、空軍大戦略」でしたっけ、日本語版には
よけいなのがついて、、。
 これも、Ju-87はリモコンですが他が、ほぼ実機。何型までとかいうと
嘘いっぱいですが、、。
 CGでも誤魔化してないし、、。でこれを絶賛した空自関係者の方が居て、
それをみた、英文学の評論家が見てあまりの酷さにひっくり返ったという、、。
 それぐらい、ミリオタと一般ピーポーとは観点が違うんですよ。

 で、本作ですが、もちろん、ロードショーで一回行っていますが、、
一番ストレートに受けた印象はね、
 ブラッド・ピットがおっさん役の軍曹をやっているという、、、こと。
「リバー・ランズ・スルー・イット」ぐらいから知っているだけに、
永遠の若者だと思っていた、、、、。
 なんか、ミリオタだとか、かなりコアな話から入った割には、
女子映画ファンみたいなこと書いてますが、そう思っちゃったんだから
しょうがない。
 なんだろう、正直言うと。
 ブラピのここまでの作品ってあんまり評価すべき作品がないんですね。

 これね、監督がブラッド。エアーだっていうのも、ちょっと曲解させる
ポイントなんでしょ。
 この人いうわゆる現場で頑張る(しかもちょっと誤った方向に)典型的な
力技の監督で、いい意味でも悪い意味でも、よくこういうシーン撮ったな
こういうのってスタントショー見てるみたいな感じになっちゃんですよ。
 多分、スタントマンとかカメラマンとか役者も含めて、
現場ではめちゃめちゃ好かれてると思うんですよ。
 典型的な現場監督。だけど、その歪んだ頑張りが
端的に映画の面白さに結実してないんほぼどの作品も、。
 ただ、変なパワーどれもはある。
(二三作しか見てないけど)

 ミリオタ的には、色んなタイプのシャーマン戦車が出て見てて
おおってなるんだけど、やっぱりメインはフューリー号のイージーエイトになっちゃうのか
とちょっと残念だったり。時代的にはあったるのか、ギリギリあってないのか、
微妙だったり。
 
 で、一番の見どころはね、もうわかっていると思うけど、
 本物のタイガー戦車が出てきたってところ。
 どっかの戦争博物館にある動く状態でレストアされているのを
借りられたらしい。なんと世界でたった一台!!。
 本当に飛行機に比べると、戦車って分解が難しいわりに動態保存されてるのって
見た目のせいか(ほぼ全員が美しくないっていう)少ないんですね、、、。
 キュラキュラ走る程度のタイガーをどうやって、
空砲撃たせて駐退機を後退させたりしたか。まではわかんないけど。
 これだけでも、この映画は見る価値がある。

 「プライベートライアン」でもタイガーでてきますが、あれデッチアップです。
幅が変でしょ。
 映画なんだから、見た目こそ命なのであの幅の小ささはミリオタからすれば、
致命的な裏切りです。
 最初に撮った8ミリ映画が戦争映画っていうスピルバーグ、あんたの
熱意はその程度なのか、という。

 でね、戦車をメインにした戦争映画なんでしょ。
本当は、このタイガー戦車VSフューリーの件で終わるべきなんです!!。
 これは、声を大にして言いたい。何度も何度も。
 もしここで終わっていたら、星を六個あげてもいい。
 
 履帯を破壊されて、これは、俺の家だとか言って、
精神的に盛り上げといて
大部隊の歩兵と最後戦うでしょ。
 あれでね、デヴィッド・エアーまたやっちゃったな、、、と。

 これだけどね。実は、ミリオタ的リアルさでいくと、戦車って実は
ものすごい複雑な兵器でして、
 今でもというか、今だからこそですが、戦車ってじゃんけんでいうと、歩兵に
圧勝するんだけど、肉薄されると、完敗します。
 常に相撲じゃないけど、露払いしてくれる歩兵か
大部隊で移動したり、野営することが求められる、
 強いのか弱いのかわからない兵器なんです。
 そこまで、理解した上で、一台の戦車に大部隊の歩兵が取り囲むって
設定を脚本家が書いたのなら、許すけど、、、、、。

 けど、やっぱり最終的には、ハリウッドお得意のガンアクションで
どうぞって意味で、このラストにしたのなら、
 私は、怒りを爆発させる。

 だから、ビミョーなんだな、この映画。
 ドラマ的には、普通だし、、、。
 最後、結局、人の打ち合いかよって、、。

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評価
本物のタイガー戦車が出てるから
☆☆☆☆。

4
wa 

「ワーテルロー」
監督・セルゲイ・ボンダルチューク
主演・ロッド・スタイガー/クリストファー・プラマー

 世界史大好き、でミリオタな、私ですが、
どうにもナポレオンとシーザーはもう一つ萌えません。
一応、ざっとは攫ってますが、あまりにも有名なのが原因かな。
 すいません、ひねくれものなので。

 監督のセルゲイ・ボンダルチュークは、確か、4部作の
合計何時間か知りませんが、ソビエトの国家的映画事業で
制作された「戦争と平和」
(これも、ナポレオンのロシア遠征をいみじくもあつかっています)
を見た手前、見なきゃならんというか、もう一回、イタリアとの合作で
ナポレオンを描いたって感じなんですかね?
 ちなみに、私、この4部作のセルゲイ・ボンダルチュークの
「戦争と平和」も見ました。向こうが国家的映像化作品なら、
こっちは、人生的観賞作品として、まぁ、それは、すごい作品で
見たら、他人に自慢できますよ、、。
 だけど、もう一回全部見ろと言われたら、拒否ります。

 ロシアにというか、非フランスならどこの国にとっても、
侵略者だったわけでナポレオンは徹底的に悪いやつとして
とくに、上記した「戦争と平和」では描かれていました。
 本作でも、幾度も、セリフで怪物だと評されています。
 でも、主演にロッド・スタイガーをナポレオンに
当てているように、わりと歴史的には、公平に描いている感じ??。
 多分、視点もナポレオン・サイドのほうが、多い。
 というか、この映画、こんなたくさんEpiや将軍が出てくる
すんごい戦いをきれいにまとめています。
 戦いのロケとか、モブシーンより、この構成の見事さに
感服したします。
 しかも、二時間強にまとめると、いう見事な編集と構成。
 そして、なにより、めちゃくちゃわかりやすい。
 Wikiですら予備知識無しでは読むのに結構苦労するのに
(まぁ、それぐらいEpiが多すぎなんですよ)
 一からこの戦いを理解するには、この映画を見ることを
受験生も含めておすすめします。
 それぐらい、よく出来ていて、わかりやすい。
 多分、詳しい人から見ると、カリカチュア化されてて
あそこ、描いていないとか、カットしてるとか、あるんだろうけど、
 あんな4部作の超大作の作品撮った人が、こんな綺麗に二時間でまとまった
作品を撮れたことがまず信じられません。
 ロケとモブ戦闘シーンの演出は、まぁ、こんな感じかなぁですが
「戦争と平和」で延々多用された、飛行機かヘリからの
超俯瞰ショットは、フランス軍の騎兵が英軍の方陣に
苦労するところで、やっぱり使われています。
 
 あの方陣って最強なんですかね??。
なんか、中世の戦争の感覚だと、方陣組んでも突っ込むんですよね
逆に突っ込めるのが騎兵隊だけみたいな、、感じなんだけど。
 あのネイの騎兵隊が突っ込んだ時に英国軍の大砲を
破壊しそこねたのが本体の戦闘の敗因の一つらしんですが、
なんか、そんな描写はなく、方陣の周りを騎兵が避けて走り回っている
シーンが空中撮影で描かれていました。
 実際、ゲムスロのシーズン07の私生児の戦いでも、方陣
にどこの家の騎兵かは、ネタバレになるので書きませんが、
つっこんで破綻して決着がつきます。

 これね、戦闘シーンもすごいし、モブシーンの撮り方も
すごいし、知識があまりなくても、ちゃんと理解できるし、
大作の割に短いしで文句のつけようがないんだけど、
 どうだろう??。
 逆に破綻がないところが、フックにならないというか、
書道見に行ってきれいな、フォントを魅せられた感じで、
映画としてめちゃくちゃおもしろいかと、言われると、
クエスチョン??。
 だけど、減点すべきところは、一切ありません。
監督の押井さんがいうところの、無意識の部分は
きれいに刈り取られているし、
これ以上何を足せばいいのかすら、不明。

 ただ、めちゃくちゃ面白いとは、思わない。
けど胸を張っておすすめできる良作です。

評価
☆☆☆☆、こんないい映画に4つって殺されるよ、、。 
 

4
pttn 

「パットン大戦車軍団」
監督・フランクリン・J・シャフナー
主演・ジョージ・C・スコット

 これも、ミリオタで戦争映画ファンの私としては、
はっきり言って、めちゃめちゃ評価が難しい映画です。
というか、一応、映画史、特にアメリカでは史上に残る名作となっている
かと思いますが、、、。
 まず、戦争映画として見ると、めっちゃ空振る。
 というか、これ、ジャンル分けするとしても、
正確には、実録モノというか、評伝なんですよね。
 戦争映画として、決定的に足りないのはですね、
ひと目見たらわかりますが、戦闘シーンの著しい欠如ですね。
 前半に割とあるんですけど、シリアス度もハリウッド的モブの壮大さ
もちっともない。
 それに後半のバストーニュ救出作戦なんか、
シリアス度ゼロですよね。困ってた部隊の描写もないし、
いかに無理な行軍進軍だったかという描写もない。
 それより、戦後の荷馬車に事故で殺されそうになることや、
結果、左遷されるところのほうがEpiとしては心に残る。 
 何度も、書きますが、これ、実録モノ、評伝なんですよ、
配給会社のタイトル付け方にめちゃ違和感あり。
 だけど、質量ともすごい作品なので、緊張感を持って見られるかは、
ちょっとどころか、かなり疑問がのこりますが、、。
 同時代の映画っ子は衝撃はすごかったと思います。
特に、名シーンと言われる、巨大な星条旗をバックにしての
演説のシーンはまさに映画史に残るシークエンスなのですが、
あそこも、実際の演説からほぼ引用されているんですが、
大分、コッポラの手によって、穏やかな表現にかえられているらしい。
 というように、これ、いろいろアカデミーの賞を受賞してますが、
私は、監督のシャフナーより、まだ映画人として脚本の修行時代だった
コッポラの習作として記録されるべきだと思います。
 あと、JCスコットの演技もすごいというか、ここに言及しだすと、
ちょっとずれてくるんですが、パットン本人をよく知っているかどうか
また変わってくると思います。
 パットンってね日本の場合戦争に派手に負けて戦犯になったり
で、戦争のちょっと変わっているけど、英雄的な将軍とか軍人の英雄
が日露戦争までもどらないといないんですよ。
 山下奉文ぐらいがWW2では適当かと思いますが、
戦犯で処刑されて死んでますしね。
 まぁ、負けたし侵略戦争だとされたことが大きい。
 だけど、パットンも時代錯誤というより、現地でもかなり変わった人
というか、ちょっとおかしい人ぐらいのあつかいです。
 だけど、あいつがいたから勝てたんだよな、、みたいな感じ?
ルメイの狂気とはまた違う穏やかな、アメリカ人の男性の
ギリギリ愛すべきガッツみたいな、、。
 ルメイは、源田さんですか、が、勲章与えてますが、
(こんな皮肉というか、ディレンマはないでしょう)
はっきり言って、ヒットラーとかと同じレベルの大量殺戮者ですね
本当に、戦争に勝つためなら、敵側が何人死のうが気にしないみたいな。
そこまで、パットンはぶっ飛んでない。
 まぁ軍人らしい突撃バカだったことは、確かですけど、まぁ、
ギリギリ理不尽な命令にも言うことは訊くしで、、
というあたりが、よく出ているらしいんですよ。
 実は、私もよくわかっていないし、基礎情報の少なさからわからない。
 迫力のある演技だと思うけど、キューブリックの「博士の異常な、、」
とそんなに差が感じられないし、、。
 いわゆる、ものまねチックな、完コピー芸でもない。
 まぁ、アメリカ人の男性のもつクレイジーさとか、男なら
やってみろ、この根性なしめ、みたいなのは、感じますけど。

 戦争映画としての欠点は、とにかく、
 戦車の描写が、というより、当時だと可動な実車がたくさん
あったろうに、米軍はドイツ軍より小さな戦車で戦っていた
という表現に固執するために、
 ドイツ側をM-48とM-60の中間に作られた戦車(私も詳しくなくてすいません)
米軍サイドをM-41や、M-24の軽戦車にしたところらへん
にたぶんだけど、ミリオタは、がくんって、画面の前か、スクリーンの前
かわかりませんが、憤死したと思う。アニメみようと思ったら、パラパラまんが
だったぐらいの感覚です。
 かくいう筆者がそう。最初のHe111の爆撃シーンに萌えたぐらい。

 映画史上に残る名作と言えども、
日本人からみたら、私の評価だと、☆4つだな。
長いし、もう一つテリングでもないから。

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評価
☆☆☆☆。

4
tg 

「トップガン」
監督・トニー・スコット
主演・トム・クルーズ

 大ヒット映画です。中学生か小学生ぐらいでしたけど、
どストライクでした、、。
 この映画で街中大騒ぎ??。
 これで、トム・クルーズの名声が確実に確立したような。
実は、トム・クルーズこの前にも、まさに端役ですが「アウトサイダーズ」
とか、(ほぼキャメオ出演)「タップス」(こっちは、モロ脇ぐらい)
とか、ヤングブラッドと売り出してた、端っこにギリギリ座っていた感じ。
向こうでは、レベッカ・デモーネイと出た「卒業白書」で大スターに
なったと言われてますが、これ、日本では、
もうひとつヒットしなかったんですよね。
 親が家を開けているうちに、高校生だけで、パーティしたり、
コールガール呼んだりってアメリカ人の定番エピなんだけど、
日本人には、少し馴染みの薄い慣習なので、、、。
 で、親が帰って来る、直前に、どわーて片付けるっていう。
これ、絵本なんかの、「ドクター・スース」映画化名は「グリンチ」ですが
でも、ありました。
だから、子供の頃からのおなじみEpiなのです。
 
 私、実は、ミリオタだって何度も書いているので、
この映画、まさに巷間のどなたよりも、どストライクでした。
 空の戦いは、一時期、冷戦の頃ですが、突き詰めると、
戦闘機不要論まで行き着きます。早い話、戦闘機よりも、
超広大な空域を索敵しカバーし、長距離の射程のミサイルをもっているものが、
最強だって言う論理がかなり大勢を占めます。
 戦闘機から、バルカン砲を取り外したぐらい。
要するに、戦闘機は、空対空ミサイルの空中発射台ぐらいの認識まで
センチュリーシリーズからF-4ファントムのあたりまでいきます。
 もう有視界でのドッグファイトなんて起こらないって信じられていました。
 ところが、ベトナム戦争をしてみると、ミサイルが当たらない。
 思わぬところから、時代遅れのジェット戦闘機に攻撃される。
米軍のほうがキルレシオは高かったものの、やっぱり空中での格闘戦闘って
おきるじゃんみたいな、ことになり、トップガンがミラマー基地でしたっけ、
創設されます。
 ただし、これら、空軍でなく、海軍航空隊でのお話ですが、、。

 今から、この映画見ると、トム・クルーズの若さに驚かされますが、
(それが一番印象に残った)
 綺麗に、ハリウッドの戦略に乗せられていいお客さんだったことが、
証明されてしまいました。 
 主人公は、才能はあるものの、我が我がのスタンドプレーヤーで評価を落としている
一匹狼。 
 この辺、コールサインorタックネームと関係してきますが、後で説明します。
 そんな主人公が、トップガンで恋をし、挫折し、そして立ち直り、
真の英雄になっていくという。
 映画の話どころか、古代の神話かなにかでもよくあるビルディングロマンスの
典型になっていて、
 こんな単純なお話にワーキャーいってたのか、と、
少し、気恥ずくなる感じ、、、。
 それと、このあたりから、80'sって音楽産業もキャッチーさで
売っていた時代なので、どの映画からそうだとは、いえませんが、
この映画は、まだ曲がかかる方ですが、劇伴とはまた別個にサントラ盤を
つくって、主題歌といつかかったのぐらいの短さでキャッチーな
曲を散りばめたサントラというより、イメージ・アルバムぐらいですが、
それを意図的に音楽業界と組んで造っていきます。
 そのサントラもこの映画は大ヒット、メインタイトルの
ケニー・ロギンスの「デンジャーゾーン」に
ベルリンの「愛の吐息」でしたっけ、「Take my breath a way」
今、聞くと、けっこういい曲でエンドロールで流れる、
チープトリックの「マイティ・ウィング」ヒャクパー自身では、
書いていないと思うけど、。

 あと、戦闘機ですけど、この頃、というより、このちょっと前に、
戦闘機のカラーリング(塗装)に一大革命がおこりました。
 それ以前のカラーリングをハイビジ。トップガンのころから、いまのを
ロービジと模型界では呼んでおります。
 んで、実はF-14がぶんぶん飛ぶ映画ってこのちょっと前に
「ファイナルカウントダウン」というこれ種明かししてしまうと、
全部オシャカになってしまうのですが、SF映画がありました。
 このころは、ハイビジでした。正確には、ヴィジでしょうが、、。
しかも、撮影に使われたのって、海軍の戦闘機隊sqnでもマーキングが
一番かっこいいと言われていた。Vf-84中隊。
hvi
 この辺のスカルマークがマクロスのヴァルキリーにも
いってます。
 んで、典型的なロービジも
lovi

 あと、F-14にも、少しだけ、私も子供の頃のあこがれの
戦闘機です。大好きです。
 おそらくどころか、完璧にマクロスのヴァルキリーVF-1でしたっけ
の元ネタになりました。
 でも、エンジンが変わってからはいい戦闘機になりましたが、
劇中でも描かれていたように、
Tf-30って言うエンジンのころは、機体の重さに対してパワー不足
だし、途中で止まるし、と実は、みんな大好きなのにも
かかわらず、パイロットからは、「ビースト」とよばれるぐらい
扱い勝手の悪い飛行機で、まぁ、それでも、我慢して長く使った方ですが、
F-18に機種転換してパイロットがこんなに
楽に離発着できるのか、と喜んだぐらい、、、。
 超長距離ミサイル、フェニックスというのを6発搭載せんがための
大型戦闘機だったんですね、、。
 これも、大きなレーダーと6個の標的を同時に復数認識してロック
できるエビオニクスとともに、売り出されたわけですが、
 この辺、魚雷と違って、ミサイルよりひらひら戦闘機のほうが、
はるかに高Gに耐えて飛べるわけで、超長距離ミサイルそのものは、F-18に
引き継がれませんでした。
 アメリカって予算がある国なので、結構トライ&エラーで
誰も知らないうちにやめてる兵器やシステムがいっぱいあります。

 この映画のあと、グースは、大ヒットドラマERのドクターに
また、グース亡きあとの、RIOの役は、
ショーシャンクの空にのティム・ロビンスがやってます。

 コールサインと、タックネームについてですが、
これ、バレーやバスケなんかの、コートネームみたいな
もので、無線で呼び合う時のあだ名です。
 自衛隊でもやってますが、本当に基地とか、無線で
そう呼び合ってるのかは、しりません。
ベトナム戦争を扱った、「イントルーダー 怒りの翼」でしたか
あれでは、もう付けるあだ名がないって、部隊で言ってましたが、、。
SWみたいに、レッド5とかで良いのではと思うけど、ちゃんと
一機、一人のパイロットを認識して指示したいときがあるんですかね
空中戦なんかやったことないので、わかりませんが。
 みんな自分の名前の短縮形を付けるので、こんな映画みたいな
派手な人はいませんが、
 Tクルーズのマーヴェリックですが、これって、NBAのダラス・マーヴェリックスって
チームがあったり、K・マッギリスがからかったりしてましたが
一匹狼と思えば、概ねただしいのですが、
羊か、ヤギか知りませんが、群れてるとみんな中心へ中心へと
ぐるぐるまわっていく性質がこの手の草食動物にはみんな備わっていますが、
時々というか、50匹に1匹ぐらいの割合で
ぽつーんと、絶対に群れないやつが必ずいるそうです。
 それをマーヴェリックと呼びます。
「マーヴェリック」という、メルギブソンの映画もありました。

 最後に、最近、亡くなった、この映画の監督、
リドリー・スコットの弟、トニー・スコットのご冥福をお祈りして
終わりたいと思います。

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アウトロー 2012 

オブリビオン 

ヒート


評価
今見たら、
☆☆☆☆だな。

  

5
dunkirk 

「ダンケルク」
監督・クリストファー・ノーラン
主演・フィオン・ホワイトヘッド

 予告編から、ずーっと注目してたんで、観てきました。
 どう書けば良いんだろう、、。←いつもの悩み。

 最初に、ミリオタであり、歴史オタである、著者から、
ダンケルクの戦いについて、ペラペラと。
 ヒトラーは、これで、欧州の戦争が終わると思っていました。
 だから、同じ欧州人として、英国をリスペクトして、ダンケルクの手前で
機甲部隊(戦車部隊)を停止させ、降伏を勧告。
 前々から、イギリス人ってガッツとど根性の国だって、このブログで書いているとおり
そんなものイギリス人はしません。
 しかも、ヒトラーは、フランスを征服(事実上は、2/3だけ征服)したことで、
イギリスも屈服するか、もしくは、ある程度大きくイギリスが、
譲歩した、和平になると思っていました。
 そんなわけがありません。しかも、英国に比べると、劣った海軍しか持っていない、
ドイツは制海権も握っておらず、その後、攻める場所を失い、
不戦条約を結んでいた、東部戦線のロシアに向かって進軍しだし、
自滅していきます、、、、。
 どうなんでしょうね、よく、歴史のIfで多出する、ダンケルクですが、
 もし、あのまま、機甲部隊が停止せずに、わーっと20万人ですか、30万とか
とも言われていますが、を虐殺か、捕虜として攻めてたら、歴史変わりましたかね、、。
なんか、そのあとの展開を知っているだけに、全然そうとは、思えないわちきですが。

 イギリス人は、ダンケルクのこの救出作戦から、戦争は変わったとよく言いますが、
まぁ、撤退戦まで、勝利の始まりとか、言うんだから、勝てば官軍ですよね。

 どっから、書けば、いいのか、わからないこの映画ですが、
まぁ、ミリオタとして、クソボロに書いてやろうとか、思って鑑賞したのですが、
率直な感想は、やっぱり映画としてすごいな、、の一言。
 おもしろいうかどうかは、どうだろう、、。 
 それなりに、面白いとは、思うのですが、女性とか、ドンパチに
全然興味のない人が、面白いと思うかな、、。
 女性の視点はまったくないし、、。

 監督のノーランですが、この人、一応、映画界では絶賛されてますよね。
バットマンのダークナイトシリーズとか、コンプリしてないけど、
名前を耳にするようになったのは、やっぱダークナイトシリーズかな、、。 
 「ユリイカ」って詩と評論の雑誌があるのですが、それに取り上げられると、
なんでも、どの分野でもある程度すごいってわからない分野でも決めてるんですけど、
当然、ノーランも特集で扱われました。 
 映画人として、才能あるとは、もう一つ思わないけど、
 一生懸命作る人だなぁとは、思います。
 「インターステラ」とかも。
WS000007
インターステラでも、多用されてたノーランの好きな、
飛翔物からのナメのカット。
 実は、ググると出てくるのですが、このカット用に
飛行機を改造して、飛ばしてます。

とにかく、真面目に作るな、、というのが、一番の感想。
 ただ、それが、エンタメにつながっているかというと、一言、ダウト。
 その真面目さが、暗さになってる、その暗さが、悲劇性に繋がってて、
文学性を産んでる感じでは、!?。
 エンタメじゃないけど、格調が高い感じに、、。
 なんか、どの作品も、骨太のソリッドな格調の高さは、感じますよね。
 こんな人が、よく我慢してDCコミックなんか撮ったなとか、
思いますけど、多分西洋人には、マジックが働いて、
DCコミックもエンタメ業界に居る限り、越えてこなければ、
いけないステップだと感じるんでしょうね。
 で、アメコミから、SFを経て、史実に切り込んだノーランですけど、
 これ、どんな感じで企画がスタートしたのか、興味ありますね。
 脚本ま自身で書いているんで、相当のめり込んだ企画だとは、思うのですが、
 割りと、短く仕上がっているし、別個にプロデューサーいるので、
WBも、そんな好き勝手には、作らせていません。

 続いて、映画そのものについて、一言で言うと、戦争映画だけど、
戦争映画じゃない。要素としては、ホラーですね。
 戦争映画としては、究極に外した、オフビートな作品だと言えるでしょう。
帰り道に思ったんですけど、それもその筈、ドイツ軍は、停止しているわけだし、
 あれ、陣地は、縮んでるって言ってましたから、独軍の攻撃再開後なのかな
だけど、逆に脚本書く段になってノーランもちょっと困ったと思いますよ、
火薬(最近は、ガス使用)使ったり、戦いのシーン描けないじゃんって。
 実は、以前の「ダンケルク 1964」フランス映画なんですが、これも、
めちゃめちゃオフビートな作品で、絵的には、砂浜に並ぶ連合軍兵士って
一緒なんだけど、すんごい静かな、戦争映画と言うか、
SFでよくある、終末モノみたいな作品でした。
 じっさい、終末ですけど。敗残し、逃亡してきた、フランス兵が、フランス人女を
レイプすることだけ、なぜか、憶えています。
 で、本作だけど、これぐらい、敵兵が一切描かれていない戦争映画って
ないでしょう、、。ドイツ機は出てくるけど、ドイツ兵は、出てこない、
(ラストでちらっと出てきますが)
 逆に、これ、ドイツ側のワードローブ準備しなくていいから、
他にお金使えるいい脚本上のテクだったかも。

 画作りについてですが、ノーランってCGの嫌いですね。SF齧っててそんなの
ありえない気がしますが、この人、じっさいにセットや、ロケするのが大好き。
すくなくとも、ブルーバックは嫌い。多少作り物っぽくても、大型のプロップを
愛してます。
 それで、主役のランクを落とした俳優にしたんじゃないかとさえ、思います。
 転覆する船とか、多少作り物めいたプロップはありましたけど、、、。

 それと、ここからは、私の専門分野になりますが、飛行機!!。
スピットファイアー!!、。三機出てきますが、本物らしい。
WS000005 
先は、イスパノのメッサーシュミットかな。

 ミリオタには至高の映画がありまして、「空軍大戦略」このダンケルクの後
おこる、バトルオブブリテンを描いた作品ですが、実機のオンパレードなんですが、
プロペラの枚数で、スピットファイアーはタイプが違うって分かっちゃう。
あと、ラジエターもだっけ、
 それを、ノーランはうまくごまかしてます。

WS000006
 んで、パイロットにトム・ハーディ、ちょっと前は、いいものか、わるいもの
かわからない、びみょうなタフガイをやってましたが、
 いや、この作品で、いい役に出世。存在感のある、いい俳優ですね、
                ↑
               今頃。
 ただ、ググって見ますと、メッサーシュミットはイスパノなのは、
いいとして、He111は、この「空軍大戦略」の頃は、実機があったのですが、
 本作では、ラジコンらしいですね、、。
 でも、CGで処理しないところに、ノーランの意気をかんじます。

 これ、ホラーだって、書く二度目ですが、理由は、実は、音楽の方にもありまして、
スコアは、ハンス・ジマー、私的には、プロの仕事はするけど、
所謂、典型的な劇伴作曲家で、もう一つ印象に残る主題を書かない人で、
あんまり評価してません。
 だけど、本作では、多分ノーランがそうやって発注しているんだろうけど、
緊張煽り感が半端ない、メロディラインのもう一つない殆ど効果音的な音楽が多いですが、
煽り感はすごいですね。ちょっと見直したりしてます。

 ツイでたまたま流れてきたのに、あったのですが、
 この映画、ちょっと時間軸がずれてまして、ちょっとわかりにくい、、。
 でも、全員最終的には、絡むのですが、、、。
 また、視点を3つにしたことも、ちょっと感情移入しにくい
ポイントになったかと、思われます。
 でも、そんなわかりにくい映画ではないと思いますけど、、。
 どうでしょう。

 ここまで、くどくど書いてきて、なんだけど、やっぱり、わたし、
 ミリオタだし、歴オタだし、正当に評価できないわ、、。

 モブシーンの撮り方演出でなく画的な効果ですが上手いし、
エンタメの観点からいくと、ホラーの要素が強くて、ちょっと怖いけど、
見るべき映画だとは、思いますよ、、、。

レヴェナント 蘇えりし者」

ヒトラー 最後の12日間

裏切りのサーカス

評価
☆☆☆☆。瑕疵はあれど、見て損は決してない。

5
hsr 

「ハクソー・リッジ」
監督・メル・ギブソン
主演・アンドリュー・ガーフィールド

 私、本当は、ミリオタでして、
戦争映画が専門分野ぐらいなんですがね、、。
なんか、素が出るのが、いやなのか、あんまりこのブログにupしていませんね。
 意外と言うか、ちょっと自分でも驚き。
 観てきました。
 正直言うと、あんまり期待してなかったんですけど、、、。
メル・ギブソンその人がどうのこうのというわけではないのですが、
 メル・ギブソン監督の前の戦争映画「ワンス・アンド・フォーエバー」
がちょっとね酷かった。
 ベトナム戦争を描いた戦争映画なんですが、完全にベトナムに
ロケ地が見えない、、、。どこをどうみても、北米のどこか。
 まぁ戦争映画のロケ地って一般に難しいそうです。
大量に火薬と可燃物を使用するから、、。
 まぁ、みなさんが画面で見ている以上に安全と環境に配慮して撮影してて
同じ場所で、何回も爆破シーンを撮ったりして、地域への
変化を最小限にとどめたりしているそうですが、、。
 
 この映画、公開前から、人間ドラマ、人間ドラマって
批評家辺りからは言われていましたがが、鑑賞後ソッコー納得。
 これ、タイトルに偽り有りですね。
 タイトルは、「デズモンド・ドス」か、「良心的兵役拒否」のどっちか。
 もちろん、あのオキナワのどこかの断崖絶壁が舞台なのですが、
映画の主眼点としては、舞台装置にすぎません。
 というか、やっぱり人って、人の物語としてしか、
見ることが出来ないのでしょうかね、、。
 主人公は、宗教的な良心的兵役拒否者。というか、
劇中でどんどん語られていきますが、青年期のトラウマが発端となっています。
 この辺も、WW1の帰還兵として心を病んだ父親のせいということで、
 二重に軍組織をブレイムしているのでしょうか。
 従軍経験など一ミリもない、私がオタク的知識として知っている
良心的兵役拒否は、もっと非日本では理解があるというか、、。
 そもそも、兵隊教育、そもそもの兵役そのものを嫌って、
(そうとう、教育係の軍曹とかに絞られるし、
マッチョな世界で同僚にはいじめられるしで)
 地域での清掃とか、貧困世代への教育提供とか、所謂、社会奉仕とか、
他の海外での(これが、旧植民地的なアフリカに行くのですが)
ボランティア活動をします。で、確か、当たり前かもしれませんが、
兵役期間よりやや長い間、拘束されます。
 ドイツや、フランスはこの例を聞いたことがあります。
 それで、街(地元)で臆病者とそしられるとかあまり聞いたことありませんね。
第一、ブッシュJrがベトナムへの派遣を避けるため、州兵へ志願して
逃げてるでしょ。
 それに、この主人公は、ドスは、兵役そのものには、参加しているわけだから。
ちょっと違和感ある設定ですが、当時は、今以上に
マッチョな価値観が世界を支配していたでしょうから、。
そうだったのかもしれません。
 それと、戦争映画では必ず、聞く単語、"Medic"の衛生兵ですが、
 基本、衛生兵は、応急処置セットを山のように抱えているので、
戦場でもライフルを抱えていません。すくなくとも、コンバットはそうだったし、
プラトーンもそうだった。
 で、次に、負傷した兵隊を後送する係ですが、これは、
「シン・レッド・ライン」でも描かれていましたが、懲罰兵が当てられるときが
あるみたいです。よく知りませんが。
「シン・レッド・ライン」は、戦争映画としては、変わってますが、
名匠テレンス・マリックが撮っていまして、違う意味でめっちゃいい映画です。
 この人の、マジックアワーとして有名ですが、自然描写とライティングの光の捉え方
は、本当にお金を払ってでも見た方がいいほどです。
 だけど、ドスの場合のライフルに触りませんという主張が宗教的
内心の自由として認められるかというと、やっぱり映画のとおり、
 けっこう微妙ですね。わかんない。正直。
 それと、良心的兵役拒否で、後方に配置してくれというのも、
戦時で通るのかわからない。(彼はそんなこと一言も言っていませんが)
 まぁ、この辺が逆にドラマになっていくわけですよね。
 演じているのは、アンドリュー・ガーフィールド
act 
もう次のスパイダーマンは違う人がやるそうですが、
アメイジングシリーズのスパイダーマンです。
 ちょっと耳が大きくて、繊細そうで、本編ではしっくりきます。
 
 公開まえから最近までSNSとかネットで物議をかもしていた
日本兵をあててThey are an animal.って言う台詞ですが、
字幕は”連中も必死だ”になっていました。サム・ワーシントンが、
もうその前にJapって言っているんだから、あんまり目くじらたてることないと
思いますが、それより、劇中の戦闘シーンのほうが、
 正直、あんまり素直に感情移入できないというか、あんなに日本兵居たのかなとか、
 ちょっとかわいそう感がどうしても感じますね。

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この断崖を登っていく。「史上最大の作戦」だったら、完全にレンジャー部隊向け

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 こんな感じ、これは、大変。

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正に、人がアリのよう、、、これが戦争。

 あと、メル・ギブソンって「ワンス、、、、」でもそうだったんですが、
火を使った演出が好きと言うか、多いですね、、。
 ちょっとつらいです。
 戦闘シーンに飛んでしまいましたが、教育係の軍曹がそのまま、
戦闘部隊の軍曹になるのは、私でもわかる完全な間違いですね。
 まぁ、映画的にオミットしたのでしょうが。
 10週間でしたっけ、それで一人前の兵隊にして実戦部隊にバラバラに
派兵されていきます。(アメリカの場合)日本だと、内務班とかで、
県単位の連隊規模でそのまんま派遣されていたのかもしれませんが、。
 JWS000003 
その超大柄な軍曹が撃っていたのが、通称グリースガンと呼ばれる、
M3マシンガン。コンバットなんかでおなじみのトンプソンガンで
ないところが、興味深い。
 トンプソンガン持ってる兵隊もけっこういましたね。
 分隊長の軍曹なんですかね、、。
 だけど、戦闘シーンでは日本の手榴弾がカチッと発火させないと
いけない方式だとか、よく知ってんな、、とか思ってみてましたが。
 あれ、いつもすごいハンデになると思うんですよ。
 夜とか、静かに待ち伏せとか、潜伏とか出来ないじゃん、、と。
それと、米兵はオートマティックのライフルですが、
日本兵は、一発づつ排莢して装填するボルトアクションです。
 これも、ちょっとね、、、。

 そうじて、戦闘シーンとか、どんどん特効の技術も上がるので、
どんどん進化しているのですが、この映画も戦闘シーンは相当な
ものですね、、、。

 と、戦闘シーンはそんなに思ったほど、実は、大したことなかった。
町山さんとかからの洗脳でちょっとハードルが上がってしまったかも、、。
 やっぱり、脚本のリーディングだと思いますが、
 この主人公、デズモンド・ドスの内心、生き様に焦点が行くわけです。 
 どうしても、、、。



ネタバレ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 

 でも、上映後
 思ったのですが、このドスさんとかの葛藤、活躍があったからこそ、
 現在の良心的兵役拒否への理解が進んだのかもしれませんね、、、、。
 
 何度も、書きますが、
 これ、戦争映画ではありません。

 人間ドラマです。

評価
戦闘シーンはやっぱり迫力あるし、
人の葛藤も見られるしで、やっぱり5つかな、ちょっと甘めで
☆☆☆☆☆。

5
babr 

「戦場にかける橋」
監督・デヴィッド・リーン
主演・アレック・ギネス

 デヴィッド・リーンって超大作の傑作を撮る
監督として超有名なのですが、あげるとしたら、
「ドクトル・ジバゴ」に「アラビアのロレンス」「戦場にかける橋」
でしょうかね。
 映画史としてもおさえておかないといけない
三本ですが、どれも、超長くて、結構見切るのに根性入ります。
(しかし、面白くないという意味では決してありません)
 私個人的には、「ドクトル・ジバゴ」だけコンプリして観てません、
革命のとこだけとか、部分部分はみてるんですが、、。
 もう、著名な方から、一般ブロガーまで、
色んな人が感想を書いていると思うので、
私は、少し、オフビートに外して書いてみたいと思います。
 
 「ドクトル・ジバゴ」も見れていると比較に鳴っていいと思うのですが、
めっちゃ残念です。
 先ず、最初にいいきってしまいますが
 この映画「イギリス人を描いた、イギリスの映画です」それにつきます。
 もちろん、「アラビアのロレンス」もイギリス人を描いた映画ではあるのですが、
このロレンスという男。超変人。名匠Dリーンでもキャラを掴みきれていません。
というか、謎のままで、終わらせているんですよ、、。そのかわりエキセントリックさ
を全面に出している。
 このロレンスの変わったところは、冒頭にすべてが描かれていまして、
マッチの火を指でもみ消して、熱くないのかと問われ、
「意志の問題だ」と答えます。それぐらい、変わっているのです。
 だから、このロレンスをこれがイギリス人だとは、ちょっと言い難い。
 閑話休題に、いきなりなってしまうのですが、

 ここで、Aギネスが演じるニコルスンですが、
 彼こそ、イギリス人そのものです。みなさんは、
イギリス人と言われて、フーリガンとか、ロイヤルファミリーといか、色々
思い浮かべるでしょうが。
 私に言わせると、イギリスって、支配されてしまった、スコットランドとか
変わり者のウェールズとか、本当に宗教も違い支配されているアイルランドとか、
色々あるものの、全部に共通するのは、ど根性の国です。
 とにかく、歯を食いしばって頑張る国なんです。
 もちろん、どこの国にも、頑張る思想や風潮はあるでしょう。
 大和魂に、ヤンキー魂。全部結構です。
 しかし、英国ほど、厳しい社会はない。これは、上流階級
だからとか、ワーキンングクラスだからとか、かんけいありません。
 上も下もどっちもど根性です。一例を紹介すると、
英国海軍は、WW2でも、実は、日本海軍もそうだったのですが、
(英国海軍を真似てた)ベッドでなく、ハンモックでした。同盟国のアメリカ海軍の
艦船に乗り込んだ時、どれだけ英国水兵が喜んだか、、。
 閑話休題。

 とにかく、頑張る、これがイギリス人なのです。その権化本編のアレックギネス。
 ジュネーブ協定に入っていない、日本軍にも自分が過酷な懲罰房で耐えることによって
認めさせてしまった。
 あれがイギリス人なのです。
 食事を持ってきた軍医に対してさえ、アレック・ギネスはいいます、。
 これは、主義の問題だと。
 ただ、少し、今回見て、違う印象も受けましたが、。
 日本人もややステレオタイプに描かれていますが、まぁ、いいでしょう。
 問題は、というか、イギリス人のアメリカ人感がモロに嫌な風に出てるのが、
ウィリアム・ホールデンです。ネタバレになってしまいますが、
 階級は詐称して捕虜として入っているわ、途中で逃げてしまうわ。
 あの根性の無さというか、ルールを無視する感覚が英国人による
アメリカ人への偏見というか見かたなのです。

 とにかく、この映画、最後の台詞madnessというほぼみんな死んでしまう
戦争の狂気だけが描かれているようですが、アレックギネスが登場すれば登場するほど
英国人が際立って、描かれていくのです。
 そして、このイギリス人のど根性さと、真面目さが、軍医の呈する疑問、
相手への利敵行為になるのではないかという、疑問さえも簡単に超越するのです。
 イギリス人は、逃げもせず、もしジュネーブ協定が守られさえすれば、
何百年も持つようなきちっとした橋をきちっとつくるのです、。
 それがたとえ、利敵行為で自軍のコマンド部隊に強襲されようと、、。
 アレック・ギネスは疑いを微塵も持っていません。
 あのラストまでは、、。
 彼が、ラストでHelpと叫んだのは、なんと日本軍に対してです。
 しかし、Jホーキングが迫撃砲撃つ中、逃げた
アメリカ人、Wホールデンが向こう岸からやってき、
 目の前に雷管を見せつけられると、さすがのイギリス人の典型である
アレックギネスも、どうしていいかわからなくなります。
 どうしていいかわからないのは、彼があまりにもイギリス人だからです。
 普通なら、あの若いコマンド兵を押さえ込むことなく、
 爆破させてやっているでしょう。
 そして、名台詞、
What have I doneになるわけです。これ本当は、めちゃくちゃ訳したかたが
難しいいのですが、
 まぁ、極簡単に、おれ、どうしたらいいの、、。
 どうしたらいいんでしょうね。
 これは、どの時点でも人間が抱える悩みです。
 
 実際、橋はどうなったのか、知りませんが、
枕木一本英国人一人と言われた泰緬鉄道は今でもしっかり走っています。
ちなみに、日本人は戦時中めちゃめちゃ線路を敷きました。
台湾の線路の何%忘れましたが、それも、日本軍が戦時中に敷いたものです。 
 
 この映画を通してイギリス人への理解が深まれば、
と馬鹿なことを考えているのは、私だけです。

☆☆☆☆☆。

5
htle 

「ヒトラー ~最期の12日間~」
監督・オリヴァー・ヒルシュピーゲル
主演・ブルーノ・ガンツ

 これ、前ちょこっと終わりの方だけ見て、衝撃を受けて
全部見ればよかったと後悔して今回、きっちり見させてもらいました。

 すごい作品ですね、、。ちょっと言葉がないです。

 戦争映画というか、戦争そのものがものすごい極限に人間
追い込むものなのですが、それの究極版といいますか、
ヒトラーがガチガチに防御された首都の地下壕で
汚れ一つない軍服や服装の中、
どんな最期を迎えたか、きっちり描かれているわけですが、
 テーマというか、主旨は岡本喜八さんの
日本でいちばん長い日に近いかもしれませんが、
 味方でドタバタやってた日本とは、同じ敗戦国でもちょっと違うかもしれません。

 意図的に、対比とし描いていると思いますが、
 壕を一歩出た外に居る人間が中に入ってくるとずごい違和感が
あるんです。外まさに戦場泥まみれ、血まみれの人間が、壕に入ると
そこはコンクリートで囲まれて入るものの、全員が清潔そのもの。
 又、終盤の壕内に呼ばれる、軍医と看護婦が目にする、壕内の
阿鼻叫喚というか、もうめちゃくちゃになっている壕内がすごい。
 厳重に警備されているものの、中では、ゲッペルス婦人が子供に
 傷ついた人を元気づけるために、歌を歌わせ、次の間にいくと、
 将軍たちそれも、ハイパー偉い陸軍内の幕閣たちが、酒を飲んで酔っ払ってる、
最終的にヒトラーにあうと、怯え手が震え、近づいてくれと言われる。 
 それと、女性なら、自身の子供を全員毒殺したゲッペルス婦人が
一番印象に残ると思います。事後夫のゲッペルスが手を伸ばしても
その手も取らず、カードをものすごい速さできり占いをする。
子供を毒殺させたのは事実としてゲッペルスの伸ばした手と占いは史実か、
演出なのかしりませんが、
 強烈なドラマです。
 
 とにかく、映画の持ってる力をまぁ、ドラマですが、それをこれでもかと、
見せつけられた気がしました。
 又、ブルーノ・ガンツの演技にも圧倒されました。ときには、穏やかに、威厳に満ち、
怒り、怯え、これだけ喜怒哀楽を表現できたら
俳優として本望でしょう。
 ブルーノ・ガンツも一番有名なのは、ベルリン天使の詩かな?。

 ナチがどうのとか、ヒトラーがどうのというより、
映画としてみてほしい作品です。

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日本でいちばん長い日

☆☆☆☆☆。

2
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「老兵は死なず」
監督・ マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー
主演・ ロジャー・リブセイ

 これ、マッカーサーの有名な科白だから、
マッカーサーの映画かと思って観てみたら全然違うじゃない。
  まず原題からして違う。昔の映画関係者って
 チケットが売れればいいと文芸的で勝手なタイトルよく付けたもんですね。
 よく知らないけど、名画らしい。制作1943ですよ、、。WW2戦時中。
このマイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガーという二人のコンビで、
監督、脚本から制作まで、(制作のクレジットはマイケル・パウエル一人)
まで、こなし、良作をたくさん生産したそうです。
完全に映画史のレベルですね。
 「赤い靴」の監督なんですよね、、。どうにかこうにか知ってます。  
  最近、スコセッシが監修しデジタルリマスターして話題になりました。
 一人の頑固者とまでは言わないものの、英国陸軍の将校の
人生をそれこそ丹念に丁寧に描いていまして。
名作なのは心から認めます。
 ただ、悪いけど、今のレベルからいくと
(どんどん映画のリーダビリティじゃないや、ヴューダビリティかな、
こんな単語あんのは、あがっているので)
 かなり退屈。英国のどの戦争まで扱うのだろうと、、、。
いやな予想してしまうぐらいのレベルでした。
 主演のロジャーリヴセイよりも、女性のほうの、メインロールの
デボラ・カーが3人の女性をそれぞれの綺麗時を演じ分けてまして
そっちで有名だそうです。
 男性だけどんどん老けていって、デボラ・カーはそのまんまと
ちょっと怖い感じもする映画ですが、、。
 デボラ・カーといえば、「地上より永久に」ですね、、。
(父親と何回付き合わされてみたことか)
さっきちょこっとググるとなんと
デボラ・カーってこの作品がデビューなんですよ、、。
へーのボタンを押しましょう。  
 
 丹念に一人の軍人の人生を戦争とともに描いているのは
いいのですが、バリバリの戦時中ということもあり、
英国は正義だとか、正義が勝つとか、平気で科白にあるんですね。
 植民地支配の権化だし、WW2中は使ってはいませんが、
炭疽菌をガンガン製造していたのに、、、。
 
 まぁ戦争中に反戦めいた作品を作るほうがよっぽど
根性居るというか、もう映画界からおさらばするぐらいの覚悟で作らないと
行けないと思うから、、、。
 
 暇な時にどうぞ、、。
 デボラ・カーはとても美しいですが、。如何せん映画として退屈です。
 あと、英国がとても好きな人もどうぞ。  

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「ディパーテッド」

☆☆   

2
em 

「太陽の帝国」
監督・スティーヴン・スピルバーグ
主演・クリスチャン・ベール

 この映画、スピルバーグ映画史上でも、極めつけの駄作として
知られているのですが、今回改めて見て、、。
 そんなに悪く無いじゃん。
 でも、やっぱり退屈。
むしろどうして面白くなくなったのか、
見ていてわからない。
 どこを改善すれば、面白くなるのか、わからない作品になりました。
  
 これ、色んな要素が入っている作品で、それがこんがらがってる。
正にcomplicated。
 まず、一個一個解きほぐしていきたいのですが、
 原作が実は超偉大。JG・バラードでして所謂SF界ではいろいろムーブメントが
あるのですが、そのうちのニューウェーブと呼ばれる世代に入る大家です。
 丁度、Wギブソンとか、B・スターリングのサイバーパンクの
前にあたります。’私的には、もうリアルタイムじゃないので、ほぼ
史実というか、文献資料ですね、、。一度このバラードの
燃え尽きた後の一作みたいなの読んだことがあるんですが、
文学的にすごいのはよく分かるんだけど、もう一つピンとこなかった。
わかんなかったんですね。
 で、そのバラードがこの原作で英語圏とりわけイギリスなんですけど
エンタメ本、純文学と両方を合わせたすごい文学賞がありまして
ブッカー賞といいます。その受賞作。
 まぁ、所謂偉大すぎる時の一冊を映画化したわけです。
で、最初は、こんな超大なというか、作品は名匠デヴィッド・リーンにしか撮れないと
しかも、ブリティッシュマインドあふれる企画なので、(中国の英国租界地の話)
D・リーンで企画は進んでいたんですが、まぁ多分天皇陛下ではありませんが
高齢が原因だと思いますが、企画そのものが頓挫。
 そのお鉢がスピルバーグに回ってきたわけです。

 スピルバーグってまぁ名監督ってことになっていますが、
この人、実はライブ感覚を大事にして撮る人でして、
あんまり最初にプリプロダクションでかちっと絵コンテからなんから
組み立てて取る人じゃないんですね。
ただ、ジュラシックパークの時のチラノサウルスのシーンは
めちゃめちゃ準備したそうですが
 後、すごい速撮りでも知られています。
 これ、実は、映画会社的にはめちゃめちゃありがたい。
 なんといいますか、撮りだしたら
 その場のテンションでバーっと撮っちゃうんです。
若い時は、そのへんが、うまく作用してドライブ感が映画そのものに
ハマっていたと思うんですが
 最近はちょっと空回りしてるかな、、と
 空回りというよりは、撮影後に修正が効かない感じですね。
「プライベート・ライアン」なんか、勢いで撮った映画の極地だと思います。

  後、今回見て思ったのは、脚本が少し製作年次にしては、
ちょっと古いのかな、、と。
 もう一つ、ドライブ感がない。また、少年が本当は、ものすごい日中戦争
に巻きこまれる話しなのに、切迫感がない。
なんか、どこか、どうにかなるんじゃないのという安心感が常にある。 
 ただ、私もミリ・オタクの代表なのですが、この主人公の
クリスチャン・ベールの気持ちはめちゃめちゃよく分かる。
 日本も今も米軍の占領状態にあるようなものですが、
 だれか沖縄の論客の方が 言っていたんですが、
  米軍の基地問題を散々言いながら、頭上を米軍の戦闘機
が飛ぶとうるさいなぁぐらいは、思うものの、
 かっこいいなぁと思う自分がいると、、。
 私も完璧にそうですね。 
 だから、ゼロ戦熱を上げるクリスチャン・ベールの気持ちは、
めちゃめちゃよく分かる。 
 でも、P-51がやってくるそれ以上にテンションがあがるという、、。
 p-51 
 盛り上がってるクリスチャン・ベール↑

 しかも、ミリオタとしては、ゼロ戦はテキサンの改造なのですが、
P-51はフライアブルな実機。
 この映画最大のハイライトです。

 ずーっと普通にクリスチャン・ベールって書いていますが、
実は、今回始めて、この主演の男の子がクリスチャン・ベールって
気付きました。
 クリスチャン・ベールって子役上がりだったんですね、、。
知らなかった。←子役あがりに対する完璧な偏見を持つ。
 口を中途半端に開けた時の顔が全然今と変わりませんね。
 フィルモグラフィー見ても、やっぱり空白期間はあるんですね。
ティーンエイジの一番かっこいい次期だったかもしれないのに、、。

 日本軍が押収して置いていった大量の物資とか、
印象的なシーンはけっこうありますが、
 やっぱり悪いけど、映画としておもしろいかと
言われると、、ですね。


 

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