「トップガン マーヴェリック」
監督・ジョセフ・コシンスキー
主演・トム・クルーズ
大ヒット中らしいし、コロナ禍でずーっと公開が延期に
なっていて噂だけはずーっと耳にしていただけに楽しみにはしてましたが
こんな世間的な大ヒットになるとは、、正直思っていなかったです。
前作大ヒット映画のトップガンを割と冷めた感じで
書いているのでリンクを伝って呼んでみてください。
ただ、わたし的にはトップガンはモロ同時代で
本当は、冷静に評価できないというのが正直なところ。
当時はヴィデオだったけど何回見たか数え切れないくらい。
さらに、私しつこく書いていますが軍事ミリオタで
そのミリオタの中でも飛行機が一番の専門分野だから
余計にもう普通の映画として評価ができない。
だからこそ、本作も個人的には絶対に見ないといけない作品だったわけで、、。
今回は完全にネタバレなので、、。
ネタバレ
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スタッフとキャストも簡単に、
監督は、SFや空中戦の演出に定評のある(らしい)ジョセフ・コシンスキー。
オブリビオンも異常なまで「空」に拘ってますし。
ただ、実話をもとにした、オンリー・ザ・ブレイブはもう一つだったので
鑑賞は要注意。
今回も、トム・クルーズ理論で一見実写に拘ったようで
実は冒頭のマッハ10の機体とか、
観客の想像以上に機体そのものはSu-57とかCGを使ったシーンが
多いんじゃないでしょうか。
この人多分SFの人だと思うんですよ。
で脚本はチームで取り組んでますが、
現在トム・クルーズと一番蜜月な映画作家、本作では脚本
のみですがクリストファー・マッカリー。
MIPの最新二作とか原作がしっかりついていますが
なんかも評価します。
ちょっとやっちゃった作品もありますが、まぁ一番おもしろい脚本を
書く人ではないでしょうか。トム・クルーズも手離さないし。
主演は永遠の若さを保ちかつ無茶をやる男トム・クルーズです。
その驚異の若さは世界的なドキュメンタリー番組にもなってるぐらいですから、、。
一体いくつなんだよ。
80年代初期から中盤、ヤングブラッドと言ってハリウッドが売り出した
若手の中の端っこのほうにいたぐらいですが、世界的にはトップガン。
その記事にも書いたけど、実際は「タップス」ではイケイケの脇だったし。
コッポラの「アウトサイダー」でも何処に出てるの?と
探さなきゃなきゃいけないぐらいの役だし
アメリカ的に売れたのはレベッカ・デモーネイと出た「卒業白書」なんですよね。
これは日本ではほぼ無視されました。
(それが書きたいだけ)
ただ、演技のスタイルもあるけど今は抑えて演技してますが(特に本作は)
イケイケって書いたけど、いつでも100%フル稼働で頑張ってる感は
出てた俳優で、背も低しこんな大俳優にしかも永遠の若さを保つ
人になるとは想像だにしてませんでした。
また相手役がジェニファー・コネリーと。
帰ってきた80年代という感じですね、、。
「カクテル」でもコンビを組んだし「グレイハウンド」にも出てたエリザベス・シュー
ではダメなんですかね。
ジェニファー・コネリーも相変わらずきれいですね、、。
この人も80年代はほぼティーンか子役で実際に若いんだと想いますけど。
ただ、悪いけど、このジェニファー・コネリーとの恋愛パートの出来が
前作の要素を受け継いだだけでもう一つ。
残念ながら超退屈パートと化しています。
若手のパイロット群は良いでしょう。
トム・クルーズは劇中ではaviatorと呼んでましたが。
エド・ハリスがマッハ10が出る機体の場面でちょこっと出てるのも
同じく80s航空機映画のライトスタッフへの完全なオマージュですね。
ライトスタッフも航空宇宙映画としてはちょっと長くて後半は
だれますが、航空機ファンとしては割とできの良い映画です。
これ劇中の設定としてマーヴェリックっていくつぐらいの設定なんでしょうかね?。
普通、戦闘機パイロットって高卒でも米国、空軍海軍空自ともにパイロットに
なると将校にはなれるのですが現役の実戦部隊バリバリのパイロットって
プロ野球選手みたいなもので40歳ぐらいが限界。
劇中でも高Gに耐えていたように30代後半で小隊長か学歴があれば中隊長で
マーベリックも盛んに抵抗していましたが飛行時間をゆる~く設けて
パイロット免許と記章は維持しますが教官になって
定年を迎えます。
そこら辺がわりとむちゃくちゃやるマーヴェリックとリアルさが加味されてて
良く出来てるなぁ、、と。
ただ、脚本そのものは半分ぐらいまで見た感想だと構成と要素そのものが
前作と全く同じで、ほぼ新しさがない。
そこに多少興ざめというか失望はしましたけど、、。
けどこのへんは、続編というしかも世界中の人なら誰でも知っている
大ヒット映画の続編という枷のせいでしょうがないですね。
私個人はあまりにも前作を見すぎているので、冒頭の空母甲板での
離発着シーンのデンジャーゾーンとか、ビーチでのタッチフットとか、
胸が高鳴るというより軽く引く感じでしたけど。
商売旨いなぁぐらいで、、。
だけど、マーベリックとルースターのEpiなんかはうまくドラマに
するなぁと感心しましたけど。
あと字幕の訳だとかなり意訳されてたけど、マーヴェリックに
なんか企んでる顔だなと、いうと、この顔しか持ってないってマーヴェリックが
言うのもまぁ天丼だけど面白かった。
それとこれはブルース・リーからのパクリかオマージュ。
Don't think just do it.というセリフ。
撃墜されてからのルースターのYou told me not to thinkはめちゃめちゃ笑ったけど。
ちなみにブルース・リーは
Don't think just FEELって言ってました。
ミリオタとしては前にパイロットのコールサインについては書いたので省きますが、
今回もかっこいいコールサインですよね。
フェニックスに、コヨーテ。ペイバック(回収人 取り返すこと)に
ファンボーイこれはお楽しみ坊やとかご機嫌坊やぐらいの意味。
ルースターも「勇気ある追跡」でジョン・ウェインがそう呼ばれていて
そういう名前があるのかと思っていたけどおん鶏だとか、、。
前作のアイスマンに続いて強烈なのがアイスマンも
氷屋とかそれくらいクールだという意味もあるけどスラングで殺し屋と
いう意味があります。
ハングマン。勿論殺し屋。
あとミリオタ航空機オタクとしては、オタクのくせにそんな事も
知らないのかといわれそうですけど、空母の離発着ではF-35がチラチラ
写っていましたよね、、。
実戦部隊への配備状況は知りませんが、劇中のこの手の任務もF-35に任せるべきでしょう。
ただ、F-35ってスティルス性を重視したためメタボで亀みたいなんですよね。
(まだ平成のガメラのほうが尖ってる)
F-18のE/Fがバンバン飛ぶわけですけど、こっちもF-18A型のレガシーホーネットに
比べると3次元的に大きくなっていて鈍重になったと言われているけど
見た目は超かっこいい。
私のセンスがティーンシリーズの戦闘機で止まっているからかもしれませんけど。
もう退役していますがF-117見たときにもう戦闘機のデザインは
スティルス性を重視する限り終わったと思ったもん。
また、加速が悪いとか言われてるF-18E/Fでもほんのちょっとタテ系の
急加速急旋回をするだけでFLEXや翼からべイパーがあんなにわきだつとは
思わなかったです。
前回が空中戦で今回は爆撃か、、と思ってみてたわけですが、
狭いところを低高度で旋回しながら爆撃進路を進むのは
はっきり言えば、モスキートが乱舞し航空機映画の傑作の一つと言われている
「633爆撃中隊」だし、それを完全にルーカスが真似たと言われてる
SWのEpi4のデス・スターでのトレンチ・ランですよね。
どんなに早く飛ぼうが周りの対象物がないと速度感って出ないのが航空映画の
演出上よくわかります。
これはカーアクションやバイクアクションでも(トム・クルーズはバイク好き)同じです。
低高度から山を一つ越えて最終工程に入るわけですがここもかっこいい。
山沿いに上昇してエルロンロールで横転で180度回して背面で山沿いに降下し
さらにポッドのシーカーを作動させないと行けないので勿論爆撃も。
もう一回180度エルロンロールを行って姿勢を戻す。
なんちゅー。
マジで、かっちょよすぎ。
ここがCGだったら私は逆に怒ります。
ファンとして絶対に実写実機実演であって欲しい。
で、常に爆撃で戦争に勝利してきたアメリカならではの
bombs are awayこれは無重力の中、SW Epi8でもやってるぐらい、
アメリカ人はやたら興奮するらしい。
されて大敗北を喫した日本人は、、、、ですけど。
この飛び方だと 地対空ミサイルに探知されないはずなんだけど、
なんとこっからミサイルの来襲と乱舞に。
これも、実際はアクション映画に分類されるべきなんですが、
「エネミー・ライン」というF-18がミサイルに追われるだけのシーンが
航空映画としてよくできている映画がずーっと戦闘機とミサイルの格闘
アニメだと板野サーカスですけど、あったんですけど
本作で軽く抜きましたね。
戦っているわけじゃなくて、躱して逃げてるだけじゃんとか、
普通の人には言われそうですけど。
板野サーカスの板野一郎さんがバイクにロケット花火を載せて打ち合って
たわけですけど、最初はロケットを打つほうが面白いって思うそうですけど
やり続けると打たれて逃げるほうがスリリングで楽しいって本人が言ってましたから。
このあとが、賛否両論の、展開になるんですけど、、、。
両論どころか、完全否でしょうけど
私も「水曜どうでしょう」の大泉さんじゃないけど、
おいおいおいおい、、と想いましたが、、、、。
まぁ許してやってください。
ここでおそらくまだ配備もされてない
Su-57とF-14で空戦して終えたことでワタシ的には
お腹がいっぱいになりましたから、、、、。
やり過ぎなのは認めるし、ありえないことも認めるけど。
映画なんだよ。嘘なんだよ、商業作品なんだよと。
ただ実際に俳優をマッハ2級の実戦機のコックピットに乗せて撮ったのは
すごいと思うけど、F-18そのものや航空機に対する空撮は実は戦闘機部門が専門の
ミリオタとしてはちょっと不満。
前作のほうがCGで処理できない分、実機が飛んでた感じがする。
というか、これだけ時間が経ってもあんまり空撮技術って進歩してないのかなとも思う。
し、単純に空撮そのものが難しい。
そんなところにカメラを同じ速度で動かせないしおけない。
ダンケルクのスピットファイアしかもイミテかもしれないけどmk1
のシーンのほうが興奮するんですよね。
ヘリでも撮れる速度が遅いレシプロのほうが撮りやすいのかなとか、、。
ジェット機って早いですからね、、、。
それと、Su-57は全部フルCGのハズだから。
だけど、ケチもつけられるけど、まぁ航空機映画としては、お腹いっぱい。
大満足ですわ。
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評価
☆☆☆☆☆。