映画と感想

簡単な映画評です。シネコンで見ようが、DVDで見ようがTVで見ようが、無慈悲に書いていきます(笑)。

カテゴリ:洋画 > 恋愛もの

4
noting  

「ノッティングヒルの恋人」
監督・ロジャー・ミッシェル
主演・ヒュー・グラント/ジュリア・ロバーツ

 私、恋愛映画には疎い方(それほど数をこなして見ていないということ)
なのでよくわかりませんが、
その私が不可なく最後まで見れるということでまぁ良い映画ではないでしょうか。

 だけど恋愛ものとしては、ある意味典型というか定番メニューですよね。
 所謂、身分のかけ離れた二人の恋模様。
 時代ものの身分制度とはちょっと違いますが、格差社会が生んだは言い過ぎとしても
普通は出会わなかったはずの二人が出会い。
「ローマの休日」なんかと構造はいっしょです。 
 またその違った世界に住んでいることが恋愛の障壁にもなるという。

 本当の最初の出会いは違いますが、その後、親しくなるきっかけが
街角でぶつかるというのは、ちょっとベタすぎて引きましたが。
 
 これほぼ英国で撮影してスタッフ、キャストも英国人ばかりなのですが、
英語があんまり英語英語(ブリティッシュ・アクセント)してないのも
今回が初見ではありませんが驚き。
 意図的かもしれませんが、ジュリア・ロバーツの米語で置いといて
イギリス人チームはほぼインターナショナル・イングリッシュ程度??。
 平凡なイギリス人の生活をもっと覗きたかったような気もしますが、、。

 ジュリア・ロバーツの元カレもしくは現恋人役で
突然、ジャック・ライアンじゃなかったアレック・ボールドウィンがポーンと出てくるのは
マジでびっくりしました。
 これは観客のサプライズを狙った配役に違いありません。
 実際は恋愛物というよりロマンティック・コメディということなんですが
脚本がビーンのシリーズを担った人なんですね。
 ヒュー・グラントの同居人のスパイクのコメディリリーフは笑えるかどうか
ちょっと微妙だったけど、、。

 90年代はほぼハリウッドを制覇したジュリア・ロバーツですけど。
 この人最初は80年代の後半ですけどエリック・ロバーツという俳優がいまして
その妹だ、ぐらいの感じで、どんなもんなの??程度でした。
 ところがまぁ決定打は「プリティー・ウーマン」でしょうね。
 その後あっという間に本作のようにスターになって、
逆にエリック・ロバーツがジュリア・ロバーツのお兄さんとか言われて紹介されるようになります。
 エリック・ロバーツも「暴走機関車」のころはすごい存在感の役者が出てきたなぁとか
思っていましたが悪役をやるかB級映画とかPVに出たりする感じでしたね。
 しかし俳優としてのキャリアそのものは安泰。
 逆にジュリア・ロバーツのほうが老け役が似合わないというか、露出が減っているような、、。
 ものすごい美人かどうか置いといて大きな目に大きな口と、細かい感情表現はうまい気がするけど
そんなにすごい女優かと訊かれたら、
、、、、、、、なんだな。
「プリティ・ウーマン」より更に前の映画をあげますが、個人的には
「マグノリアの花たち」が好きかな、、。
 映画そのものも含めて。 

 この映画も恋愛映画によくあるみんな(観客)がある程度ラスト知った上で
逆振り、逆フリを繰り返した挙げ句、、、
 ラストは大団円に。
 最後の会見場でのジュリア・ロバーツのすべてを物語る、まさにビッグスマイルはみんなの心に焼き付くでしょう。
 あれこそ演技。
 挿入歌か主題歌か知りませんがエルビス・コステロの「She」も大ヒットしたんですけど
どこで流れるのかと思ったら、その後のラストだけという出し惜しみ振り。
 ああいうリアル・セレブっぽい超しあわせシーンを描くより庶民としての普通の生活を楽しむ
二人を描いてほしかった気もするけど、、。
 まぁ良いでしょう。

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日の名残り  

評価。
☆☆☆☆。

3
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「グリーン・カード」
監督・ピーター・ウィアー
主演・アンディ・マクダウェル/ジェラール・ドパルデュー

 この映画、監督ピーター・ウィアーなのか。
 あとから知ってちょっとびっくり。
 主演のアンディ・マクダウェルが園芸家ということで、ソッコー納得したけど。
 ピーター・ウィアーって本当に、エコというか自然が大好きな人なので、
ジブリの宮崎駿みたいな感じ。
 めちゃくちゃ面白くて神作な「刑事ジョン・ブック 目撃者」でも
文明を拒否して生きるアーミッシュの人々を描いてたし。
 「刑事ジョン・ブック 目撃者」でほぼ天下を獲る勢いだったのに次の作品で
えらく難解とはいわないけど、また文明を捨てるチョー自然志向の「モスキート・コースト」が
大いに空振って、、一回休みみたいな扱いを受けますが、、。
 まぁ、監督としては好きな作品が撮れてハッピーだったと思いますけど。
    
 本作、主演女優のアンディ・マクダウェルも「セックスと嘘とビデオテープ」
で名前を売ったときは、天下を獲るかと思ったけど、
その後はもう一つ作品に恵まれませんでしたよね。  
 ターザンのちょっと変わったリメイク版でデビューしたんですど英国貴族風の英語に
難があると新人だから舐められたか?本当に台詞回しに難があったか知りませんが、
完全にしかも、当代きって名女優のグレン・クローズにセリフ全部吹き替えられると
いう不名誉なEpisodeも話題になりました。

 で、本作ですが、文明を否定するピーター・ウィアーにしては
結局ラストから考えるとすんごい商業主義的な作品を撮ったなぁというのが
普通の感想ですけど。
 また、あんなに簡単にといえば、いいのかわからないけど島国根性とほぼ統一民族国家
でやっててめちゃめちゃ外人差別がある我々からは考えられないほど
簡単に永住権(グリーンカード)が得られるんですね。
(その代わり外人からの要求には弱い交渉べタ)

g_card
 リアルグリーン・カード。本当に色は緑っぽい。

 観光ビザで入国してもアメリカ人の誰かさんと結婚さえすれば、OKとは。
 リベラルで奥手なアンディ・マクダウェルはわりとよく出来た役回しって
気もしますが、もう一方のジェラール・ドパルデューはあんまりキャラ立ち
してないような、。
 実はピアノ弾けたとかは、脚本が出来すぎ。でもあのパーティーのシーンで
やたら女性陣にモテモテなのは笑ったけど、。
 あと二人の行政調査官が尋問に訪れたときの
象を撃つ(shoot)を、、カメラで、とアンディ・マクダウェルが言い直したところは
脚本のセリフ回しが良く出来てる。
 二人で別れて質問されても良いように互いのことを勉強し合うのは
もう観てる全員が気づくことですけど、あれが恋愛で男女が行う<恋愛>の
<過程>ですよね。

 この映画、結局フックというかツイストがあまりありません。
 ラストも伏線というか質問で失敗するところを観客に見せてしまっているわけで、、。
 そしてこの二人が最終的に結ばれるのは観ててほぼほぼ解ってる。
スタジオ、もしくはアメリカ的価値観から遠いところで仕事してるピーター・ウィアー
にしては、わりとどころかモロ商業主義ど真ん中みたいな作品でした。

評価。
☆☆☆。良くもなく悪くもなくみたいな、、。

2
慕情  

「慕情」
監督・ヘンリー・キング
主演・ジェニファー・ジョーンズ/ウィリアム・ホールデン

 ジェニファー・ジョーンズはあまり知らないけど、これ
監督、あのバッドエンディングで私の中では著名なヘンリー・キングじゃないですか。
 それに渋めで知的な面も持っているウィリアム・ホールデンが出ているって
いうので、きたいして見たみたのですが、、。

 、、、、でした。
 
 良いんですよ、そんなに悪い映画でもないと思う。

 中国人とのハーフの女医さんの自伝が原作らしいのですが、
いまのハリウッドなら中国資本や中国人のお客さんを当てにして
このジェニファー・ジョーンズのスーインの役を中国系の役者か
中国女優にやらしてたと思う。ムーランのリュウ・イーフェイとか、、。  
 だけど、これ本当に国民党と共産党が本土で内戦してたある意味超リアルタイムな
時代の映画で髪が黒いだけの女優さんを当ててしまったのが、
そもそもの敗因じゃないでしょうか、、。 
 どう贔屓目に見てもハーフにすら見えない。
 また、英語もご本人はしっかり教育を受けているとは言え、思いっきり中国訛りに
ふったりしても良かった気がします。
 ちょこちょこ挟まれる中国の文化的バックグラウンドの挿話も
もう一つそうそうとも、へぇーとも感じられませんでした。
 ある意味、完全な西洋人からみた、ホワイトウォッシュの映画。

  だけど、恋愛映画ベタな私にはラストもありがちな感じでもう一つフックも
なく終わっていったなぁ、という感じ。
 典型的な大人のほんの一瞬の悲恋ですよね、、。 

  主題歌の「慕情」が偉いヒットしたそうですが、
これも、「カサブランカ」より、「風と共に去りぬ」のタラのテーマぐらい
ほぼ、サブリミナルで劇伴として各種に編曲されて劇中かかります。

 でも、当時の撮影って本当に大変だったんですね。
車の乗車シーンも遠景で撮ってるときはそのままで車内の会話は
スタジオでバック車窓を流すある種合成。
 ビーチのシーンもロングだとロケしているのに真正面のカットになると
スタジオに切り替わります。
 
 ちょっと文句ばっかりになりましたが、
 そんなに悪い映画ではないと思います。

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拳銃王 

無頼の群 

戦場にかける橋 

評価
☆☆。

5
casab 

「カサブランカ」
監督・マイケル・カーティス
主演・ハンフリー・ボガート/イングリット・バーグマン

 オールタイム・ベスト級の作品。
 評論家や監督などの映画人にとっては、人生のベストに
上げる人もいるぐらいの名作です。
 映画史上に燦然と輝く傑作。
 これを見ていないと、映画という媒体そのものを語れない感じ。
 
 何度も見てるけど、(正直いうと、三回目ぐらいかな)
 今、見た感じでは、そんなにめちゃくちゃ面白いかぁ?とも思うんだけど
見終わって時間が立つほどジワジワきますね。
 というか、ラストが良いんですよね、、。

 最初は、ハンフリー・ボガートのカッコつけすぎがかなり鼻につく。
 映画、フィクションだから成立してるけど、こんなやつ近くに居たら
嫌だな、、ぐらいか、変だろうぐらいの。 
 だけど、これはそのカッコをつけること、ダンディズムの極地を描いた作品なのです。
 そう思って見ましょう。
 今回思ったのは。これスパイというか国際陰謀もの?とか若い頃見たので
もう一つ恋愛パートを理解せずに見てたけど、これゴリゴリの恋愛映画なんですね。
 劇中でサムが演奏し歌うAs time goes byもこれでもかと印象づけるぐらい
劇伴でも編曲して掛かっていました。
 この辺、映画が音楽も含めた総合芸術だという証明ですね。
 そして、これは実は訳がうますぎる、君の瞳に乾杯!。良い方の意訳。
 ただ、Here's looking at you,kidsって言ってるだけで、割と軽い感じで
2回天丼的に使われているだけで、As time goes byほどは、狙って
脚本に組み込んだ感じじゃないです。

 また、まだ戦争の趨勢がはっきりしていないどころか、ちょっと押してるぐらいなのに
1942年(このあと劇的に変化)に枢軸側を
けちょんけちょんに描いたこんな映画を作るハリウッドというか
アメリカ人の凄みも感じました。

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麗しのサブリナ  

評価。
やっぱり映画史に準じて☆5つかな、、。
☆☆☆☆☆。 

4
remai 

「日の名残り」
監督・ジェームズ・アイボリー
主演・アンソニー・ホプキンス/エマ・トンプソン

 この作品もいろんな語り方ができるんだけど日系人で
イギリスの大作家になっちゃったカズオ・イシグロの原作を
イギリスのコアな真髄または魂を映像化してきたJ・アイボリーが映像化しました。

 よく出来た映画ではあるんだけど、、、。
 多分、若い人とか、もっと燃える情熱の愛とか求めて見た人は
あまりにもなにも起こらないのでかなり退屈だったとは思うんですよね。
 ただアカデミーのノミネーション、受賞を見ても映画の格調そのものは
めちゃめちゃ高い。画面を見てマイナス・イオンとか満足しながら見る感じ?

 だけど、私個人的にはめっちゃとはいわないけど
こんな名作だと持ち上げておいて不満がかなりあるんだな、、、。

 私にとて監督のジェームズ・アイヴォリーってなんといっても
記事にしてないけど、「眺めのいい部屋」なんですよね、、、。
フィルモグラフィーを見るとこれ以前にも映画ではないけど
めちゃめっちゃたくさん仕事をしてる人なんですね。
 それはおいといて、「眺めのいい部屋」は本当にVividな時期に
見たこともあるんだろうけど完全にノックアウトされました。
 ストーリーは古典的すぎるぐらいの文芸映画なんですけど、
なんつっても画面ですね、、。
 私はかなり暴論ですが、時代劇(洋邦問わず)とSFは一緒だと思っています。
プロダクションデザイン的に、、。画面を全部現実と違うもので隠さないと
行けないという意味で。
 もちろん現代劇のロケでもPDの人は居ますが
仕事のレベルがかなり違うと思っています。
 ただ、時代劇はゴールならびにお手本がきっちりあり、
SFは一からデザインしないといけないけど逆に
予算の都合とかで省いたり手を抜いたりもできる。
 兎に角、「眺めのいい部屋」はPDとカメラの一カット、一カットが完璧。
こんな美しい画面を撮る監督が世の中存在することが信じられなかったもん。
 まるで印象派の絵画です。
 イタリアのシーンでカメラの位置を上げたりとか、、。
イギリス、イタリアの美しい田園風景とか、、。
 そっからすると、コンプリは出来ていませんが、どれ見たときかな、、。
「ハワーズ・エンド」かな、J・アイボリーも偉い、丸くなったなぁ、、。
まぁ早く言えば、老けて拘りなく普通に撮るようになったなぁ、と。
そして続く本作「日の名残り」もそうどころか、もっと酷くなっとるじゃないか!!。
 もちろん執事(バトラー)の居る大邸宅って主演のアンソニー・ホプキンスが
公開に合わせたインタビューで言っていたけど、執事がいるほど
部屋がエンプティーになるって。つまりより住人がいなくな
る感じらしいんですね。
 ちらかっていなくて全部がぴちっとしてるから。
 それを再現してるようなんだけど、なんだろう画面から出てくる
ワンカット、ワンカット芸術を撮るんだって感情が一ミリも感じない。
これじゃ、悪口じゃないけど「ダウントン・アビー」だよって感じ。
 そこが兎に角この映画に関しては不満です。

 ここから加筆なのですが、これだけは、映画論として覚えておいてください。
ジェームズ・アイヴォリーですが、この英国の本質というか
英国そのものをとことん描いてきた人が実は英国の弩中心、
英国の保守層から登場したのではないということ。
 アイリッシュなんですね、、、、。
 日本と韓国の儒教思想みたいなところがありまして、
周辺にいるからこそその真髄を目指してとことん保守化する。
 そんなこともよければ、知っといてください。

 実は大の英国好きな私なんですが「ダウントン・アビー」も
悪いんですけど、面白くしようとしてるのはわかるんだけど、もう一つ
ピンとこなかったドラマの最大作なんですね、、、。
「普通の人々」のエリザベス・マクガバンが出てきたときはひっくり返るぐらい
びっくりしたけど。 
「ダウントン・アビー」はですね多分三人の姉妹が基本主人公でしょ。
 そこで乗れなかったんだと思うんですね。基本女目線だな、、と。

 閑話休題。

 で、「眺めのいい部屋」に比べると大きなティストがラストに
ありそうで、ない。本当に静かな静かなラストはこれこそ仕事に生きた
執事の人生なのかもしれないけど、ドラマとしては逆に
観客を裏切るから強いのかもしれないけど、ちょっとね、、、、。

 それにJ・アイボリーってもう一つドラマ描くがうまい方でも
ないから、、、。

  決して悪い映画ではないと保証しますが、
 そんなすごい映画では、正直ね「眺めのいい部屋」を知っているからこそ
言い切れない筆者です。

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アウトバーン

評価
☆☆☆☆。

2
swlo 

「スワンの恋」
監督・フォルカー・シュレンドルフ
主演・ジェレミー・アイアンズ

 これ、原作がプルーストの「失われた時を求めて」の一遍、
監督がブリキの太鼓のフォルカー・シュレンドルフということで、
期待したんですが、、、。
 というか、流石にプルーストまでは私の読書の範囲を完全に越えてますが
文学をあのブリキの太鼓のエログロ路線でどう処理してあるのか
めっちゃ期待していたんですが、、。

 全然エロくもないし、グロくもない。
 普通に映画化されています。
 逆にパリの社交界の恋愛模様を大人目線でかなり落ち付いて見れます。
ナチとの繋がりも指摘されていますがギュンター・グラスも文学なんで、
同じ文学つながりでお鉢が回ってきたのか志願しての
企画かわかりませんが、ずいぶん手シュレンドルフも丸くなったなぁというのが
第一印象。
 あのブリキの太鼓のエログロ感って原作からの引張りか、
あれ一作の偶々なんですかね?。
 失望も相まって、悪いけど、退屈レベル。

 私が映画にのめり込んだ頃ってもうジェレミー・アイアンズって
ベテランでかなり評価も高かったんですが、
 この頃ってハンサムなのは認めるけど、表現者としては
ガチガチで固くてもう一つ。
 異彩を放つのがこちらもほとんど感情を表さないのですが
友人のミミ役を演じたアラン・ドロン。
 すごい存在感。表情が怖い。
ファム・ファタールというか、運命の女性、
motley crueなんかがいうところのlooks that killの
オルネラ・ムーティですが、劇中でもポンポン脱いでますが
 そんなに肉官的ってこともないですがやっぱり視線ですかね。
 ある程度男性として自身がないと、ちょっと怖くて寄れないですね。

 あと、バリー・リンドンよりかなりあとの(84年です)はずですが、
贈り物を夜に見るときにパキパキに照明あたっているのに
蝋燭を付けまくって覗き込むときはあまりの酷さに笑いそうになりました。

 残念ながら、不発。
 完全に再現されたと思われる、19世紀のパリを楽しみましょう。

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奇蹟がくれた数式

「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」 

評価
文芸作品ですね。エンタメじゃない。
☆☆。

 
 
 
 

5
faa 

「恋におちて」
監督・ウール・グロスバード
主演・ロバート・デ・ニーロ/メリル・ストリープ

 素晴らしいの一言。欠点があるとすれば、地味だということぐらい。
 しかも超地味。
 あと、不倫してるってことぐらい、いや、これは、欠点じゃない、
ドラマ性を高めている。

 とにかく、めちゃめちゃリアル。
 妻子ある男女が本屋で出会ったぐらいで、恋に発展していくかと
最初、設定を食って掛かったが、めっちゃ展開が良く出来ている。
 逆に、不倫ものは、アメリカでは、夫婦で映画を見に行く
習慣があるので、当たらないとか、言われてるから、
その点が勘ぐって心配になるぐらい。
 
 これ、いろんな要素がいいんですよね。
 中年の純愛なのも、いいし、電車、列車?
これ、「旅情」もそうでしたが、やっぱ駅と窓と
乗ってるのか、みたいなキョロキョロも、めちゃめちゃいい。
また、物理的に離れていく寂寥感、列車が発車するドキドキ感。
 そんなのが、ドラマを高めていると思う。

 また、不倫物で、結局、お互いの家族が駄目になる感も
丁度いいというか、めっちゃリアル。
 そして、ラストのツィストというか、サプライズ。

 そりゃ、即発されて、各国で似た感じの映画ドラマが作られますよ。

 恋愛ものに恐らく、映画ファンの中でも上位に疎い
筆者が褒めるのだから、間違いない。

 まさに、大人のリアルな恋愛映画。

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ヒート 

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評価
☆☆☆☆☆。

5
h 

「二十四時間の情事」
監督・アラン・レネ
主演・エマニュエル・リヴァ/岡田英次

 いやぁ、すごいわ、、。
 というか、NHKBSの金曜深夜の映画はここんところ、
エンタメ性を確実に捨てて、非エンタメ系の映画賞受賞作を
ずーっと放送していて、大変です。

 一応、お昼の部でフランス映画を放送したりして、種まき
はしてますが、、。

 これも、圧倒される一作です。もっと単純に広島の悲劇を描いているのか
と、馬鹿にしてたというか、ヌーベルバーグだから、ストレートに
白黒で記録映像とともに編集するぐらいを容易に予想してましたが
 これ、構成というか、全体の狙いがすごいです。
 それに気いたとき、評価がめっちゃ上がりました。
 ちなみに、原作者って、ひょっとしてと思っていたけど、
「ラマン 愛人」書いたマルグリット・デュラスです。
 まぁ、ある意味直球でそのまんまと言えるかもしれないけど、、。

 冒頭のラブシーンと記録映像もかなりですが、
 これ、最初のモンタージュの激しさで忘れてしまいますが、
この二人の一日の情事って不倫なのです。 
 そう、嘘の恋。いや、結婚こそ社会的儀式を通した契約の生活で、
これを本当の恋と呼ぶべきか、、。 
 岡田英次など、妻がちゃんと居て、しかも美しいとさえ言っています。
 だけど、あなたと、もう一度会いたいと、、。
 この裏切りというか、愛が、反戦のデモや強烈な戦争被害
とともに描かれるわけです。
 これは、どう受け取ればいいのでしょう、、、。
 それとも、戦争のほうがいかに嘘と偽善と虚飾に
まぎれた産物だと言わんがためなのか、、、。


 愛や平和、博愛は嘘でも成立するということなのか、
それとも、この二人こそ、真実の愛をまっしぐらに進んでいるのか、、。

 この愛が、少なくとも誰かの心を傷つける不倫の末の愛だと気づいた瞬間に
私は、ノックアウトされました。 
 これは、そこまで汲んでこの全体を通して描かれる反戦
の価値観を疑ったり、共感しないといけないのでしょうか、、。

 まさに息苦しくなるような、反戦映画です。

 それと、本当は、強烈な戦争被害者であるエマニュエル・リヴァのほうが、
印象に残るはずなのに、筆者は、男性にもかかわらず、
 この岡田英次という俳優の存在感、ガタイの良さからくる、
威圧感に強烈な印象を受けました。
 ググって身長を知ってさらに二度びっくり。166センチ
ってめっちゃ小さいじゃん、、、、。
 才能は人を大きく見せる。
 すごい役者さんが昔は、いたんですね、、、。
 久我美子とガラス越しにキスをした人です。
 岡田英次を見るだけでも価値はある。

 だけど、ただ、恋愛的要素煽るだけに不倫の設定に
しているんなら、私は怒髪天です。

評価
☆☆☆☆☆。
これを見て、評価を下げることができるやつがいるのか。

4
hp 

「フィラデルフィア物語」
監督・ドナルド・オグデン・スチュワート
主演・キャサリーン・ヘプバーン

 うちの父親がキャサリーン・ヘップバーンは若い頃から、老け役だった
って言ってたけど、そのとおり、1940年の映画にして、もはやバツイチの役。
 なんか、Cヘップバーンってやせてるっていうより、
イメージですが筋っぽいんですよね。それが、どこかギスギス感につながって老けて見える。
ここから「旅情」までオールドミスの役をひっぱったかを思うと逆に偉い。
 ただ欧米って一応きれいに別れている場合は
日本と違って、バツイチみたいな、一回人生の選択に失敗したみた、
汚点というか、カウントされないって理解してましたけど、
本作見る限り、やはり、さる金持ちの令嬢とおうことで、ビミョーにあるみたい。

 これ、もともとは、戯曲らしくて、みんな俳優喋る喋る、、。
セリフ覚えるの大変だっただろうな、、と。
 上記しましたが、さる金持ちの令嬢の結婚前の騒動をこの屋敷を
舞台に一幕物みたいに仕上がっています。
 主人公の選択肢と、いうとおかしいですが、
一応、フィアンセの中米の金持ち、
アルコールの問題は抱えているものの一応気心のしれた元の夫、
新しく知り合った、結婚を取材にやってきた、イカす知的な記者という
三択。

 さぁ、あなたが、Cヘップバーンならだれを選ぶ?
という、完全な女目線の恋愛モノです。
 まぁ、どれでもいいじゃないと、正直、私の説明程度では、思いますが、
さすがベースが戯曲で、、といいますか、
微妙に話とエピソード特に、記者の付き合ってる冷たそうな恋人とか
を重ねていまして、最後まで、Cヘップバーンの選択に興味が尽きないように出来ています。
 「ゲームの規則」みたいな、どっちでもいいよ、そんなのってかんじにはならない。
(たまたま私の体調が良かったのか悪かったのか)

 まぁ、ハリウッドマジックなのか、原作の戯曲がいいうのか、よく出来ています。
恋愛もの音痴の私が、最後まで興味が尽きずにみられたのだから、
よく出来ていると思います。
    ↑
 なんちゅー評価。

 これね、ミステリでも、あるんですけど、
配役でわかっちゃうんですよね、、。配役の知名度といいますか、
そのまんま、ラストを迎えます。
 いいのか、悪いのか、、、。


ネタバレ

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 正解は、ケーリー・グラント。

 関係記事。
リバティ・バランスを射った男

評価。
でも、☆5個って感じではないと思うけど、
古き良き映画ではあると思います。
家族や恋人とみられる、めっちゃいい映画です。
☆☆☆☆

3
tiffa 

「ティファニーで朝食を」
監督・ブレイク・エドワーズ
主演・オードリー・ヘップバーン/ジョージ・ペパード

 これね、映画史に燦然と輝く名作だと言われていますが、
うーんどうなんだろう、、、。
 この作品もね、色んな意味で、誤解に誤解を三乗ぐらいして
評価されたり、世間に知られている映画で、評価がめちゃくちゃ難しい。
 ある意味PKディックの原作の知名度とともに、ごっちゃに
評価されている「ブレードランナー」に近いものがあるんだけど、
「ブレードランナー」は本当にすごい映画だと、
身をもって言えるけど、今作は、多分私、
センスが無いし同時代性もないしだからだと
思うけど、すごい映画とは言えない。
 退屈とまでは、言わないけど、逆に、わるいけど、
あんまりおもしろいとは思わない。
 というか、これね、カポーティの原作読まれたかたは、
お気づきだと思いますが、だけど、これまた映画の知名度と
反比例するかのごとく、読んでいる人少ないと思う。
 確か、現代英米文学が専攻というか、専門の村上春樹が
翻訳したとか、するとか、そんな話聞きましたが、、。

 かんたんに言ってしまうと、これ、きれいに、ハリウッドが
都会に生きる、夢見る若者の、オシャレ映画に仕上げてしまったんですね。
 それは、監督の軽い感じのB・エドワーズの演出も大きいし、
(ほぼ、女性感が、前の記事で紹介したグレートレースの
ナタリー・ウッドと同じ)
 なにせ、主演のヘップバーンの弾けるような演技がデかすぎる。
 そして、おまけに、ムーンリバーの音楽史残る大ヒット。
 これも、オシャレ映画になっちゃった要因。
 だけど、製作の時から、スタジオというか、映画会社、資本家サイドは、
オシャレ映画にするつもりだったとおもいますよ、その点では
大成功の映画だと思う。
 
 これ、自由奔放に生きるとか、NHKの紹介では出てるし、そういう風に
紹介しているテキストもあると思うけど、
ヘップバーンの役って裏社会とか金持ちによって作られた
それこそ低俗なエロ本だったら、調教とかって言葉を使う。
コールガール、高級娼婦なんですよ、、。
 全然そう見えないでしょ、自由奔放で奇異に見えるだけで、、。
貧しさで、田舎で結婚してたって挿話がありますが、なんか全然見えない。
 また、元いや、現かな取り返しに来た旦那も、あんなすごすごフツー帰るわけがない。
マッチョなアメリカ、多分、殴ってでも連れて帰るか、
ヘップバーンを囲ってる、金持ちかだって、服役中のボスに会いにいくぐらい
でかい組織が裏にいるのに、そこに締められて、旦那が帰ったのなら、納得。
 コールガールって前のTクルーズの「高校白書」でも
 ちょこっと書いたけど、日本にこういった職業がないんですよ。
 だから、比較対象とか、文化的に置かれた地位とか
説明が不可能。基本娼婦で、いいホテルだと、ロビーにいるだけで、
追い出されたりもするんだけど、客も選べて、わりと社会的地位も高いわけです。
 なんだろう、日本で言うと、高級クラブのホステスさんぐらい??。
 で、それこそ、ローリング20というか、西部劇ぐらいから、
いるんですね。
 それと、付け加えておかないといけないのは、あんなヘップバーンみたいな
感じでは絶対ない!!。
 もっと、なんでしょう、現世欲とか、お金への執着がすごいです。
 というか、私も知っているわけではありませんが、そう色んな作品では
描かれています。
 作家志望のジョージ・ペパードが熟女のヒモ的な浮気相手してて
食ってるとことかは、まぁ、軽い感じで、見られて、
 お互い、脛に傷を持つ身の若者の都会の恋みたいな感じで、
 許せるというか、この映画に許容量を持たしおているとおもうけど、、。
 
 で、原作だと、貧困で無理やり結婚させられて、都会に逃げてきて、美しいから、
コールガールに慣れた、割と自由奔放な女性として描いていて、わりと社会性を
もたせた作品でもちろん、この映画どおりのアウトラインだけど、
もっと悲壮感があります。
 逆に、貧困過ぎて、ヘップバーンのイノセントさが生まれてるんだよって
エドワーズが演出しているんなら、神作です。

 結局、アメリカ人ともども同時代の人すべてがハリウッドマジックに
かかっただけで、でも、映画としては、意味があるのかな、、、。
 あんまり、映画単体作品としても、おもしろいって思わないんですね、わるいけど、、。

 ジョージ・ペパードが80年代に特攻野郎Aチームの隊長を
やることは、書かないでおきます。

関連記事。
ロビンとマリアン

評価
4のつもりが書きながら、下げちゃった。
☆☆☆。

5
spg 

「草原の輝き」
監督・エリア・カザン
主演・ナタリー・ウッド/ウォーレン・ビーティ

 いやぁ、これ、めっちゃよかったです。
エリア・カザンって、役者の表現方法を変えた人とかって映画史では
紹介されてますし、どっちかというと、というか、
多分映画史的にも、文芸路線の人、、。
ギリギリエンタメぐらいの感覚。
 
 ちょっと退屈だけど、ドラマをしっかり描く人みたいな感覚でしたが、
あにはからんや、良かったです。

 でもね、前半は正直、退屈だった。
 というか、悩みがどっちでもいい感じ、。
 若者の愛を性の悩みで、これ、皆が持つ、普遍的な悩み
ではあると思うけど、ウォーレン・ビーティが金持ちだってところもこみで、
なんか、そんな生き死にって悩みでもないし、金持ちって暇なんだなぁぐらい。
 みんなそんな風に育って、そのまんま、子供ができちゃって、結婚とかもあるし、
受験や就職で疎遠になって、なんか、別れちゃったよ 
とか、ベタすぎて、もう本当によくある話し。 
 だからといって、共感するって感じでもなくて、、。

 よく、小説でも映画でも、最初、退屈で、
後半や、ラストに爆発的に面白くなる作品ってないから、
みたいなこと、言われるけど、
 私も、実際そう思うけど、、。
 本作だけは、別。
 ラスト30分というか、
 W・ビーティーのオヤジが、NYに大学で
息子をちゃん勉強させるからって、教授に説得に
きたところあたりから、劇的に面白くなりますから、
 そこまで、皆さん踏ん張って見るように、、、。

 これ、国語の授業で、散々、この表題、ワーズワースの詩らしい
ですが、伏線張られていますが、
 これ、ラストにもう一回、ナレーションで入るんですよ、、。
 あれ、いらない!!。
 プロデューサーか、スタジオの指示かもしれないけど、
 ちゃんと見てたら、わかる。
 逆に、あんな説明されたら、残念感が出るちゅーの。
  
 ナタリー・ウッドも、新鮮でした。
 私的には、ウェストサイド物語のイメージなんですが、
女性って本当に変わりますよね、、。
 これって、異性から見た、視点かもしれないけど、
別人かと思ったもん。
 また、ラストの、アンジェリーナが、親しく、ナタリー・ウッドを
受け入れ、子供にまで合わせるけど、その後、一転、すべてを察知し、
ものすごく不安そうな表情になるところも、ドラマ的です。

 いい映画です。ラストまで、見たら、感動が待っています

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捜索者 

評価
☆☆☆☆☆
前半退屈だけど、ラストでぶっ飛びます。

3
paris 

「パリで一緒に」
監督・リチャード・クワイン
主演・オードリー・ヘップバーン/ウィリアム・ホールデン

 うーん、すべての鑑賞者の予想どうりといいますか、
「麗しのサブリナ 1954」の人気をあやかって、
その主演コンビで、一本製作してみようみたいな感じそのまんまです。

 「麗しのサブリナ 1954」のすぐあとに造ったのかと、
思いきや、ヘップバーンのフィルモグラフィだと、10年ぐらい
経っているんですね。
「麗しのサブリナ 1954」のあとは、超文芸大作「戦争と平和」に出てます。
 これ、映画そのものも、今でもハリウッドでよくある、
フランス映画からのパクリといいますか、リメイクだそうで、、。
 締め切り間近の脚本家とタイピストが口述筆記で
ポンポンアイデアを出して、そのまんまW・ホールデンとヘップバーン
がそっくりに演じていくという、、、、。
 これ、ある意味、今のVRみたいなもんですよね、、。
 設定だけ、変えて、中の人は一緒みたいな、、。
アナログだろうが、デジタルだろうが、
まぁ人間考える事あんまり変わっていないあというのが、見ていたときの
一番の感想。
 二人の軽妙なやり取りとかも、特筆すべき、旨さではありません。
ただ、この二人が出ているだけ、、、。
 話し全然変わりますが、W・ホールデンってどっちかというと、
渋めの俳優だと勝手に認識していまして、こういった軽い作品に
出ている事、事態、ちょっと驚きでした。
 私の認識不足でしょうか、、、。

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「麗しのサブリナ 1954」

「戦場にかける橋」

「ロビンとマリアン」


評価。
☆☆☆
フツー。この二人を知らずに、映画としてだけ、見ると退屈するかも。


4
sabrina 

「麗しのサブリナ」
監督・ビリー・ワイルダー
主演・オードリー・ヘップバーン

 これも、超ビッグネームの監督による超有名作品。
 これはね、脚本、正直、ずるいわ。

 これ、脚本のB・ワイルダーが書いているんですよね。
よく、こんな女性目線で書けますね、、。脚本が。
 そこにまず脱帽。 
 
 ただ、きっかけというか、こういうのは、よくあるんですよね。
 今までパンツとかタイツとか丸出しで三輪車こいだり、鬼ごっこしてた女の子が、
(それ見て、こいつは、駄目だな、、とか思ったりするんですけど)
気がついたら、すんごい綺麗な女の子になってるって
男性だったら、とくにおっさん系は近所の子とか、親戚の
女の子とかでええええーってびっくりする時が往々にして在るんですよ。
 あの子がこんなに成ってんの?っていうのが。
(その逆も時々あるので、女性は御注意を)
 別にロリコンとか、そういうのじゃなくて、、も、あるんですよ。
 その辺が、着想点なんだと思います。
 きれいになる前の演出でも、車をブンブカ、ガレージ締め切った状況で
エンジンふかして 、オードリーの顔煤だらけ
みたいな、ちょっとくさい演出というか、あざといシークエンスが
あるんですが、もう、このときから、十二分綺麗で魅力的じゃん。
 もっと、メガネかけさせるとか、芋臭くするとか、しないと、、。
 最初からオードリー・ヘップバーンが綺麗すぎます。
 だって、パリから帰国しても、衣装が変わったぐらいじゃん。
 これは、オードリーヘップバーン起用している時点で110%ずるいわ、、。
「バタアシ金魚」って邦画は、変えてましてからね、、、。女優を。
ちなみに、「バタアシ金魚」の原作は名作マンガです。
 
 閑話休題。

 それと、これ、超女目線の恋愛もので、結局どっち転んでも、
 めっちゃハッピーになれるでしょ。
 それもずるい。 
 弟と結婚すると、ちょっと浮気とかで苦労しそうですが。
 
 又、堅物の兄貴の方をハンフリー・ボガートがしてるのは知ってけど
弟を誰がしてるかしらなかったんですね、、。
  なんと、割りとどころか、かなりシブい役の多いウィリアム・ホールデン。
髪まで金髪に染めて、かなり無理して演じております。
 ちょっとふたりとも、老け過ぎかな、、。アップと動きが辛い。
 それと、先取りしてておもしろいなぁ、て思ったのが、
 この会社の時期主力商品がプラスティックなんですよ。
この後、というか、よくオタクキングの岡田斗司夫さんがいうのですが、
1970年の大阪万博にかけて、一大プラスティックの時代がやってきます。
 ところが、このプラスティックがそのまま燃やすと、一大公害物質に
なって何年も残るとは、、、誰も予想してなかったという、、。
 でも、よく日が当たって割れる洗濯バサミとか見てると、
プラスティックって太陽に当てると、ぼろぼろになりそうですが、、。

 これ、最初、恋愛者で、退屈するかな、、なんて、思っていたのですが、
 結構面白かったです。
 特に、男性の私でも楽しめたので、女性の鑑賞者は、
 もっと食いつけたハズ。逆に駄目だったかも、、、。

 ちなみに、どれが、サブリナ・パンツか、わからなかった私です。

sa
 これが、サブリナパンツらしい。

 家入レオがサブリナってうたってましたね。

ちょっと辛めで

☆☆☆☆ 
 
 
  

3
corre 

「ある天文学者の恋文」
監督・ジュゼッペ・トルナトーレ
主演・オルガ・キュリレンコ

 あんまり得意分野でない、恋愛ものです。
 しかも、これ、女性側からみた恋愛もので、女の人向けです。
女目線とかいうわけではないけれど、、、ずーっとほぼオルガ・キュリレンコの
一人芝居みたいな感じだから、、。
 死別した、恋人から、ずーっとメールとか、ヴィデオメッセージが届くと
いうちょっと聞くと、ホラーみたいですが、
 その手紙というか、メッセージが全て全部ラブレターなんですね。
 しかも、本当に好きだった人からの、、。
 めちゃめちゃもやもや感たっぷりの作品です。

 監督は、「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ
私も、市井でよくあるタイプの見方してまして、
あんなにすごい映画創ったのだから、その後は、
どんなに佳作を造っても、駄目に感じるだろうと、
「ニュー・シネマ・、、、」だけ観てずーっとthroughしてきました。 

 しかも、「ニュー・シネマ・パラダイス」は、めちゃめちゃ思い入れがありまして、
 昔よくある、今は大都会だけ存在する、ちょっと時期の遅れた作品を
二本立てとか、三本だてとか、やってるなんていうんでしょう。
単館系でもないし、准ロードショー映画館でしかも、古い建物の映画館でみました。
 しかも、シネコンの今と違って、入ったら何回観ても見放題。
自転車で行って、自転車盗られていないか、行政に撤去されていないか 
心配しながら、一日中映画館に入り浸っていました。
  昼前に映画館入って、出たら、真っ暗になってて一日終わってるという。
なんか、一日損したような、ずーっと映画見れて得したような、こんなことやってて
いいのかとか思ったり、お尻がめちゃくちゃ痛かったり。
 で、併映だったのが、「髪結いの女の亭主」と「ニュー・シネマ・パラダイス」。
で「髪結いの女の亭主」を目当てで入って、まぁ、どうせ入ったんだからぐらいで
観たのが、大傑作の「ニュー・シネマ・パラダイス」ですよ。
 しかも、そういった二本立ての暇人用上映スタイルだから、
当然ディレクターカット版。
 まぁ、フランス、イタリア、欧州セットだったわけですが、
今から見ると「髪結いの女の亭主」もすごい作品で、当時はまだ子供だったから
とにかく、エロいなぁこれ、ぐらいだったのですが、
「ニュー・シネマ・パラダイス」の良さはすぐに分かった。しかも、古い映画館だから
余計にシンクロしてもうトラウマ級のショックを受けたわけです。
 それで、その後は、意図的にトルナトーレ監督からは遠ざかってた。
どうせ、あんなすごい映画は二度と撮れないだろうと思って、、、、。

 それが、あたってるか、あたってないかは、全然観てないので、
本当にわかりませんが、「ニュー・シネマ・パラダイス」以降、
二度目のトルナトーレ作品です。
 これ、イタリア大使館推奨のイタリア映画なのですが、
舞台がイギリスということで、全編英語。
 男性は、ジェレミー・アイアンズです。若い人だと何が有名なんだろう?
私的には、「ダメージ」とか、かな?。
 主演は、「007 慰めの報酬」でボンドガールだったオルガ・キュリレンコ。
この人も、どういう扱いなんでしょうね、、。やっぱりイギリス人からすると外人扱い
なのかな??。
 ボンドガールもいろいろあって、
大体ボンドガールとして有名になった人は、大成しないんですよね。
というか、外から登用した場合はけっこうそのまんまでキャリアが続いて
そうでもないんですが、ド新人ぐらいの人だと、ポシャっちゃう感じ。
 最近だと、純正のボンドガールじゃないですが、頑張ってるのって
ロザムンド・パイクぐらいかな、、。
 このオルガ・キュリレンコはどうでしょう。頑張ってるほうかな?。
アクセントが残る英語がイタリア人監督が演出して、イタリアのきれいな島
も舞台で、なんか無所属っぽい感じは出てますが、
 欧州人ってこういう感じなんだろうな、、て
このあらゆるところで携帯つけっぱなしの私さえよければ
的なゴッタな感じが、、。
 
 ネタバレ

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 これ、正直言って、この未来からのいや、死後からのメッセージ送信
方法に、最後にネタバラシというか、なんかすごい
驚天動地のトリックがあるんだろうと、ずーっと思ってました。
シックス・センスとか、その手の映画みたいに、、、。
そうでなきゃ、だって、延々二時間。
 このもやもや感でひっぱるわけだから、、。
 観客は相当もやもやします。
 しかし、オルガが明るさを取り戻し前向きになりだしたところで、
この辺が、映画の不思議なマジックなのですが、
観客もそういったことことはどうでも良くなり、
このもやもや感こそ恋愛だと、愛されていることなんだという
悟りみたいな境地に達するわけです。
 うーん、恋愛って大変だ。
 と、男性の私は、感じたわけですが、
 女性の皆さんは、どうでしょう??。

 ちなみに、シネコンのシアターは狭いものの
ガラガラで、お客さんカップル以外はほぼ女性でした。

☆☆☆4/5 星の数ももやもやした感じで。

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