映画と感想

簡単な映画評です。シネコンで見ようが、DVDで見ようがTVで見ようが、無慈悲に書いていきます(笑)。

カテゴリ:洋画 > 評伝

2
king_R  

「ドリームプラン」
監督・レイナルド・マーカス・グリーン
主演・ウィル・スミス

 オスカーは獲ったものの授賞式でえらいことになってしまった
ウィル・スミスですけど、そのことには一切触れずに進めます。

 はっきり言うとね、映画としてはとりわけ商業作品としては
ビミョー。
 悪いけどストーリーテリングは退屈レベル。
 ウィル・スミスの演技もオスカー賞なみの上手さとは思わない。
 エキセントリックに演じるよりやや表現を抑えた感じでブツブツ
言うぐらいでよく居る黒人のおじさんって感じはよく出ていると思ったけど。
 逆に助演ぐらいで奥さんの役をしたアーンジャニュー・エリスのほうが
旦那に愚痴をこぼす時など存在感があったぐらい。
 褒めるとしたら、完全にホワイト・ウォッシュというか
白人目線で作られた黒人女性映画、ドリームよりは
監督さんも黒人ということもあってか5人姉妹の普段の様子とか
前半の黒人地区の悪ガキの感じとかめちゃめちゃ黒人のリアルさが出てたあたりかな。
 
 最初この映画のことを聞いたときは、
テニス界での黒人でしかもアメリカ人であるウィリアムス姉妹を
ハリウッドがほっとくわけがないよなぁ、ぐらいだったんですけど。
 企画としては良いんだけど、これ制作サイドにもうスポーツ・セレブに
なってるからか、理由はわからないんだけど実在のウィリアムズ姉妹が入っている
あたりがエンタメとして停滞した理由かなぁと。
 ハリウッドの実録物とか評伝ものってその人のドラマティックなEpiだけを繋いで作って
お得意分野ではあるんだけど。
 概ね客を引っ張るフックとしてその人の負の側面
もしくはシリアスな葛藤も見ててショッキングだったり
名誉毀損で訴訟にならないのか怖いぐらいかっちり描いてます。
 それが本作には一切ない。
 このリチャードさん、ウィリアムス一家大万々歳の驚異の礼賛映画なのです。
 この辺がエンタメとしてもドラマとしても弱い。
 ラストの試合のシーンですら、ネタバレになるのでか書きませんが、全然ハラハラもしない。
ドラマとしてすごいと思ったのは地元の不良に絡まれるとこと、
ウィル・スミスが語る白人にボコられたEpiぐらい。
 それぐらい、平坦にずーっとドラマが進行していきます。

 ただ、ここでわかって欲しいのが、原題はキングリチャードなんですけど、
ドリームプランと言うぐらいで、このウィル・スミス演じる強烈教育パパは
プラン計画をがっちり立てそれを実行する人なんですね。
 最近、日本でもうまくいかないとプランBとかって言葉が一般化してきましたが
このプランを立てるとかマニュアル化を進めるというのも
アメリカ人の取り組み方の特徴のひとつですよね。
 それで、しかもこのリチャードは本当にプランどうりに
娘二人を育て上げてしまった。
 だから映画としてすーっと平坦な展開になっちゃったという感じ。
 もっとこの強烈教育パパが周囲と揉めまくる場面を酷く(劇中には十分ありますが)
描くのもひとつだったかと。
 そんな無茶苦茶なことばっかりやらせるステージ・ペアレンツ(芸能界なら)
というか教育パパって感じでもないのが映画としても駄目なところ。
 きっちり娘さんのこと思ってるからこそ、娘さんがついてきたともいえるんでしょうけど。
 ただ、プレイヤーとして出資かなにかで制作サイドに入ってて存命どころか現役だと
難しいのかな、、。
 エンタメ作品としては悪いけど、もうひとつ。

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アフター・アース 

スーサイド・スクワッド 

評価
☆☆☆。

3
shine  

「シャイン」
監督・スコット・ヒックス
主演・ジェフリー・ラッシュ

 この映画から、ジェフリー・ラッシュの大活躍が始まった。
 Wikiのフィルモグラフィでもこの映画から紹介されてるけど、 
とにかくこの映画での喋り方、演技、存在感が本当にすごかった。 
 アカデミーの主演賞を受賞。
 実在のピアニストなんだけど、写真で見る限りめっちゃ似ているんですよね。

 ただEpisodeとしては、悲劇そのもの。抑圧的な父親に、
自由と自主性との葛藤、そのストレスから精神を病み、
 そこのところは映画ではものすごい端折られてて
 青年パートの役者さんから、ぱっとジェフリー・ラッシュに
変わって構成されています。
 本人もなにがどうなったのかわからないし、本当に語るに値しない
人生の期間だったような、、、。   
 当時はロボトミーとかあったから当たり前だったのかもしれないけど
電気ショックの治療のシーンは象徴として入れてあるだろうけど、
本当に痛々しくて観ていられない。
 そして、そこからさまよい小さなピアノバーにたどり着き
ピアニストとしての道へ戻る。
 まさに人生の再生を描いた映画です。
 心は壊れた、いや正確にはさらにピュアになったとも言える、
かもしれないけど、音楽の才能まで壊れなかったのが
本当の救いです。

 構成としては、青年パートを演じたノア・テイラーのほうがジェフリー・ラッシュより
分数の出番は多いんじゃないでしょうか、。
 セリフの数は喋り方からジェフリー・ラッシュが圧勝でしょうけど、、。
 子役というか青年の役なので観てるときは気が付かなかったけど
このノア・テイラーってゲーム・オブ・スローンズ
めちゃめちゃ悪いあのロックを演じた人なんですね、、。
 今さっきググって知った。
 なんちゅー。

 ジェフリー・ラッシュはこのあと、性格俳優、敵役として
ハリウッドで八面六臂の活躍をします。

 ものすごく、いい映画なんだけど、ウォッチャビリティがあって面白いか?と
言われるとちょっと疑問。
 ただ、実際に起こった本当に存在する人の話とか言われると
良かった、本当に良かった、としか言えない。

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パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊 

オール・ユー・ニード・イズ・キル 

ゲーム・オブ・スローンズ 完結する。 

評価
☆☆☆。

4
magg 

「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
監督・フィリダ・ロイド
主演・ミリル・ストリープ

 メリル・ストリープってアカデミー賞の常連さんですから、
これで取ったとか言われても、完全にこの映画の存在を忘れていました。

 相変わらず、メリル・ストリープ自身の演技に関しては、めちゃめちゃ
うまい。
 しかし、皆さんネットでも感想で上げてらっしゃるようですが。、
 認知症が進行したところから始まって現実と非現実がわからなくなって
映画そのものの時間軸が戻って構成されていくというのは、、
 筆者も弱い人間の一人なので、基本的に偉いと称されている人は
嫌いだけど最低限その人の尊厳とか考えると、どこかひっかかる。
 だけど、より人の心に響かせるための映画や物語の
構成として利用するのは心を鬼にするまでもなく<あり>だと思う。
 しかも、サッチャーと言えば、社会病と言われ、
正確には、社会主義病ぐらいですが、労働党などの
高福祉、高再分配(当時は分配なんて言葉なかった)
で駄目になってたイギリスを「社会なんてない!」と断言して
強いイギリスを取り戻した(かどうかは怪しい)
女性宰相が認知症になっているとニュースを聞いたときは
筆者ですら衝撃でした。
 それを造り手として利用しないなんてないでしょう。

 ただ、症状が出ると亡き旦那がホウンテッドしたりと
なんかやりすぎかなと、引っかかる部分はあります。

 この人も、Episodeたっぷりの人で筆者が知っていて
組み込まれていない事実も沢山ありましたが、逆に
右とか左とか、正確には保守党、労働党。
とか政治問題になるたけ触れないで、一人の女性政治家を
描いたのは、脚本化の優れた手腕ではないでしょうか?。
 逆に言うと、完全に政治劇ではないんですね。
 その分、人としてのドラマに収斂してる。
 鑑賞者の政治性に関係なく大きく拾えるけど、
 映画としては、なんとなくこじんまりとした印象を受けますね。
 
 父親が市議ぐらいの地方政治家だったのは知りませんでした。
 その父親をゲーム・オブ・スローンズのジョラー・モーモント
(イアン・グレン)がやっています。
 実は、若いときの旦那さんもゲムスロのヴィセーリス・ターガリエンがやってます。
 というか、あのドラマっは中世風を出そうとして英国人の俳優が
わんさか出演しています。
 アメリカ人って英国訛りを聞くと古い感じがするんでしょうね。
 見ててお父さんとの関係は非常の単純で理解しやすいですよね。
 難しいのは、症状の狂気としてつきまとう旦那さんです。
 どう解釈すれば良いのか、、。
 これが結婚というものなのか、サッチャーにとっての結婚なのか?。
 最後ギリギリ、ハッピーエンディング風ですが
微妙。
 
 主演のメリル・ストリープですが、重複しますが
見事の一言。
 また異性マジックとハリウッドメイクマジックかもしれませんが、
これが、時々サッチャーに見えるんだな、。
 すくなくとも、ぜんぜん違う系統の顔だと思うのに
(共通点はブロンドぐらい)似てるとさえ思っちゃう。
 女性から見てどうかはわかりません。
 また、認知症が出てからも、そんなに憐れに見えない。
 これもすごいというか、これは演出のせいかな、、。
 喋り方もネイティヴのイギリス人からすると違和感あるかも
しれないけど、声からブリティッシュアクセントも、
外人である我々からすると違和感ゼロ。
 かと言って、モノマネ芸なのかと言われても
そうじゃないんですよね。ストリープ自身の存在感とかは
出てる気がする。
 本当に不思議。

 評価はね、微妙。
 映画としてはめちゃめちゃこじんまりした作品だと思う。
 どんな国でも内憂外患いろいろある
一国の宰相を描いてこれだけこじんまりさせるのは
逆に稀有な映像作品だと思う。
 結局、メリル・ストリープの芸を見てるだけみたいな作品。
 
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ターザン:REBORN  

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めぐりあう時間たち 

マダム・フローレンス! 夢見る二人 

 評価。
☆☆☆☆。 見るべきものがない映画だとは思わない。



     
    
 

5
bo 

「ボヘミアン・ラプソディ」
監督・ブライアン・シンガー
主演・ラミ・マレック

 漸く見られました。
 大ヒット映画です。

 私一応洋楽ファンだし、色んな感じで書けると思うので
割と冷めた感じでフィーヴァーぶりを眺めているうちに
こんな時期になったと言う感じ。
 ただ、ニュース系のドキュメントや討論番組でも扱われる
映画になるとは正直思わなかった。
 ライブエイドのときはギリギリ洋楽聞き始めていたけど
そのライブにかじりついてみるほどのファンではなかったんですね。
 テープでFMをエアチェックしてるぐらい。
     ↑
 もう全て死語。しかし確かにそんな時代はあった。
 それと、一番大きかったのは、Youtubeで、QueenのLive Aidの映像
をバンバンおすすめとかで上がってくるから見てしまうでしょ。
 それが、再現されたこの映画本編のLive Aidのに比べると
再現されたのがやっぱりちょっとしょぼかった。
 本物のLiveAidのステージは映画の二倍ぐらい熱い!。
 
 おそらく本作の感想なんて星の数ほど書かれていると
思うのでまたもや常套手段のチョット外した記事にします。

 私が洋楽聞きだしたころって、このライブエイドの前かあとぐらいで
はっきり言うともうクィーンがライブバンドでなくて、
アイアン・イーグルで使われてた、「One vision」
とか、いまやスタンダードになりつつある
「I was born to love you」とかのころ。
 もうエイズへの罹患は発表されてたかな、、覚えてないけど。
 で、高校でだーっと60sのころまで広げてさらうんだけど、
みんなが好きな「ボヘミアン・ラプソディ」とか、
「We will Rock you」とか「We are the champion」とか
「Radio Ga Ga」とかは好きだけど、ものすごい劇的に
盛り上げ異常なほど転調してHR好きにも拘わらず曲が展開する
Queenのスタイルそのものは洋楽としてはあんまり好きじゃなかったし、
 このバンドって、未だに洋楽ファンの専門誌でやってる東郷かおる子さんも
よく言ってるけど、だいたいロックアーティストって変な人が
多いんだけど、これだけ、ルックスからなにからバラバラで
 私でなく東郷かおる子さんがとある番組で使った言葉ですよ、
「変態性を保持したバンド」っていないと思う。
 極初期だけでしょ、長髪でHR路線を継承しているのって。
 英国好きとして書かせていただくと、ブライアン・メイって
博士号持ってるってなってますが、
 英国の大卒は日本の大学の博士課程ぐらいに相当します。ほぼ研究者。
まず高卒の進学率がめちゃめちゃ低い。16才ぐらいでも
きっちり制服着さされてバイトじゃなくフルタイムで働かされてます。
 何が言いたいかというと、4人共すごいインテリなんですよ。
 その証拠とは言いませんが、一度でもQueenをコピーしたことが
ある人は知っていると思いますが、キーがめちゃめちゃ変わってて難しい。
 普通ロックって開放弦をいかしたEとかAとかDとかGとかなのに
 半音下げでチューニングしてるのかというぐらいB♭とか、
E♭とか弾きにくいコードばっかりフレディがピアノを弾くから
かなとか、思ったこともあるけど黒鍵ばっかじゃん。
 めちゃめちゃ弾きにくいし覚えにくい。
 何が言いたいかと言うと、このバンドってめっちゃ変わってるっということです。
 それを人は変態性と呼ぶときもある。
 ただ、教育レベルが高いことと比例してディスコ時代もやり続けて
80年代までいったってことは4人共ある意味真面目なのかなって思いますけどね。
 U2なみに、、。

 翻って、本作ですけど、(←基本は映画の感想)
ずーっと見逃してた理由の一つに洋楽ファンでもう大体
Queenのやフレディの事は知っているから良いよ、というのが
あったんですけど、改めて甘いファンというか、あまりQueenが好きでないと
いうのを教えられたってこと。
 やっぱり映画製作者のほうがよく調べてるわ、、、。
 失望の塊だったオアシス スーパーソニック
比べて勉強になることの連続でした。

 ただこの不寛容な社会からすれば矛盾の塊みたいなフレディの
非常に複雑な内面がめちゃ克明に執拗に描かれているかと
いうと、割とさらっみたいな感じで、チョット肩透かし。
 肌は白くてあまり目立たないけど植民地人の出でというより
英国の国籍の与え方ってしりませんが事実上ザンジバルって
移民、植民地あがりというよりほぼ難民じゃん。
 ペルシア人でゾロアスター教。
 そして性的にはバイ・セクシャル。
 歯並びの矯正というか整形は映画最初からネタになってるし。
 まぁこれだけ矛盾を抱えたアイデンティティだと誰でも
普通、俺って誰?って思うでしょう。
 まぁ2時間で評伝のすべてを描くのって不可能だって再三このブログで
書いてるぐらいなので、逆にさらっと描くほうが
印象に残るかもしれませんね。鏡を割るとか、黒澤さんやJフォードなみの
ベタ演出がないほうがいいかも、、。

 又、劇伴の曲のあて方もわかりやすくてサイコー。
 あと数々の名曲の制作秘話みたいなのも、、。
 あと、ソロでやったMr bad guyも本来ならリアルタイムの
はずなんだけど全然知らないんですよね。
 ただUnder pressureはPVも含めて死ぬほど見ましたけど。
Who wants to live foreverもエイズ感染と関係があるとは全然知りませんでした。
 想像つくだろうって思われると思いますが、出た当初この曲、
映画ハイランダーかなにかの曲で覚えていたので、、、。
 しかも、主人公が永遠に死なないという設定。
 ERでDon't stop me nowとShow must go onは
ね、逆にベタすぎてずるいの一言なんだけど、、、。
 ちょっと流石に泣きそうになりました。

 あと、「ボヘミアン・ラプソディ」が発表当時酷評
されてたと本作では、描かれていますが、もちろんフレディの死後ですが
BBCが選ぶ20世紀のかロックのかポップのか忘れましたが
一位がビートルズやストーンズを抑えてこの曲なんですね。

 映画としては、構成やバランスも含めて非常に良く出来た
評伝ものだと思います。
 ファンだけが、楽しめる内容でもなく、また全然知らない人でも
楽しめる緩ーい内容でもなく。

 早くも、同じホモ・アーティストのエルトン・ジョン
の「ロケットマン」がもう公開になるそうですが、、、。
 ちょっとなぁ、アコギな感じもしますが、

 この映画はフレディや変態性をもったQueenという
変わったバンドも含めて、
 社会に受け入れられなかったり、生まれつきマイノリティだったり
いきにくさを感じながら普段過ごしている人の応援歌または、
応援映画になれば良いなぁと思いました。

 大フィーヴァーを冷めて横から見ていず、早く見ればよかったとも思いました。

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オンリー・ザ・ブレイブ 

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者 

ゲーム・オブ・スローンズ 完結する。

評価
☆☆☆☆☆。
 

4
immi 

「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」
監督・モルテン・ティルドゥム
主演・ベネディクト・カンバーバッチ

 これ、とにかく、エピソード充填200%の史実モノでして、
どこから、書けばいいかわからないぐらい、、。
 エニグマについても、アラン・チューリングについても
めちゃめちゃたくさん本が出ていて、一応、原作ありますが、
脚本の構成上、それ一冊とは、いい難いんじゃないかとさえ思うぐらい。
 エニグマですが、WW2の全ドイツ軍を支えた暗号装置でして
そのコードの出てくる可能性から(ただし一応有限個)解読不可能と
言われていたし、ドイツ軍もそう思っていました、、、。
 が、、、。
 で、その解読に携わったのが、アラン・チューリングでして、
この人、その悲劇性と現実世界からのパージ感から、SF界では
殉教者というか、神のごとく扱われていて、色んな意味で超有名人。
 だけど、本編でもあったけど、すぐに有名になったのでは多分なくて、
SF作家とか技術オタクが掘り出した感がある天才なんですよね、、。
 確かどこのSFアンソロジーか忘れてしまいましたが、
中国系か台湾のSFのアンソロジーでロボットかAIが眠りにつく前に
我々が眠りにつく前に神様に祈るように、
 天に召しますアラン・チューリング様って祈るシーンが書かれていて、
アジアでもか、と思いへーとか、思ってしまいます。

 また、チューリング、男娼を買うほどのRG(リアルゲイ)でして
そのへんのマイノリティとかもあいまって、非リア充のオタクにものすごい評価を
共感とともに受けていると思います。
 いじめから守ってくれた友人を結核で失ってと、かなりドラマティカリーに
描かれていますが、80年代の英国映画単館系でたくさん描かれたように
英国ってパブリックスクールの寄宿舎制と男女をばちっと分けるせいか、
このホモって分野がワンパッケージになってついてまわります。
単純にホモってわけでもなくて、小児愛も含めたホモかな、わからないけど。
 欧州のカトリックの場合だと、小児愛のほうに比重が傾いたホモ傾向ですが
くわしくは、アカデミー作品賞受賞のスポットライトって映画見てください。

 まぁ、もちろん、一番は今の二進法をベースにしたAIを当時は、
真空管ですが、の基礎を構築したって事が大きいのですが。

 この辺を基礎教養として、
 で、映画なんですが、
 アラン・チューリングとベネディクト・カンバーバッチがまず、似ていないんだな、、。
だけど、メイクとかみても、似せる気ゼロですね。
 ベネディクト・カンバーバッチの知的な感じで、代替してくれって感じかな、。
はっきり言うと、ベネディクト・カンバーバッチがエキセントリックすぎるんですよね。
独特っていうか、、、。違う意味で、ワンアンドオンリーで存在感有りすぎ。
 で、映画ですが、だーっと全部拾うべきエピソードは拾っているんだけど、
ちょっと広範囲すぎて、暗号解読にキーを置くべきか、チューリングの
悲劇性にキーを置くべきか結局両方を均等に描いて、
結局、ぼやけた感じですね、、、。
 また、天文学的数字の可能性のエニグマの解読も、多分計算法って我々
数学の素人にはわからないだろうってことで、大きくオミットされてて
結局、曜日と天気というすげーローテクで解読するって、これって、
 普通の暗号と変わりないじゃん、、、て。ツッコめるんですけど。
 数学者って実は、計算の天才でもありまして、計算が早いというのでなくて、
いかにズルく無駄を省いて、計算するみたいなのも数学なんですよ。
 そのあたりが、、描けてないかな、、。
 また、解読したあとも、They know we knewの哲学で適当に
被害を出しつつ、、勝利に持っていくってのもスパイ映画では
当たり前なので、もう一つ響かないかな、、。
 日本の公安でも捕まえないで、マンツーマンで見張ってますしね、、。
 それより、実は、ロードショーでも見てたのですが、今回見なおして、
一番感動したのは、 
 誰も予想しなかった者が、誰も予想しなかった偉業をなしとげるってことだって
あるって、言葉ですかね。
 これこそ、多様性、ダイバーシティの哲学そのものですよね。
 ホモの人間や、変わり者を排除していたら、WW2の暗号解読もなかったかもしれない。

 名もなき、みなさんがなにかすごいことをするかもしれない。
 そう思っていないと、この人生生きる意味がない。

 映画としては、可もなし不可もなしって感じかな。

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「パイレーツオブカリビアン/最後の海賊」

評価
☆☆☆☆

4
barry 

「バリー・シール/アメリカをはめた男」
監督・ダグ・リーマン
主演・トム・クルーズ

 これもね、正直、めっちゃ評価の難しい映画、、。

 一番の感想はね、とうとう、トム・クルーズも汚れ役をやる歳に
なったか、、。というもの。

 だけど、作品的には、めっちゃ重い、、。本当に重い。

 これ、実話でして、ほぼ全員実在の人物だそうで、、。
だから、全然笑えないというか、、。 
 70年代ぐらいから、アメリカのエージェントというか、CIAの秘密工作
を担った、元TWA航空のパイロットのお話でして、
 それを半分ブラックジョークに、オフビートな感じで
描いています。
 ギャグというか笑える部分は、けっこう笑えるし、
本当に吹き出しちゃったシーンもあるんだけど、
 感情移入すればするほど、全然笑えない。
 最初は、このトム・クルーズのイッちゃってる感についていけないんだけど、
なんか、途中からめっちゃかわいそうになってくる。
 まぁ、そのやってることの悪さと、その対象的な儲かり方といい加減さとか、
すごいですよね、、、。
 原題が、american madeっていうんですけど、
大雑把で、雑な感じってまさに、これぞアメリカって感じ。
 CIAの秘密工作ってうまくいかないってよく聞くけど、
この映画見る限り、さもありなん、、。
(ウサマ・ビン・ラディンの暗殺とかうまくいったケースもありますが)
 冷戦期で、しかも、アメリカが地政学的に看過できない中米の話し
だから、こうなんだっていったって、このドラッグと銃の三角貿易は
えぐすぎる。
 まさに、ターン・パイクで全部、自分に戻っってきてる。
 また、このバリー・シールってそれこそドツキ、、漫才的にボコボコに
されるんだけど、この無鉄砲感も信じられないですね、、。
 ライフル持った一番やばい相手に単身、ビジネス飛行機でしかも、
完全な丸腰で土の滑走路に着陸してくんだから。

 よく、日本の政策も、各省庁の若い30代ぐらいの課長が
勝手に法案造って国を動かしてるっていいますが、
このCIAもまさにそんな感じ、、。現場から完全に切り離された若い
官僚が、偽名と電話一本だけで、ポンポン札束(予算)だけで
 使い捨ての素性もわからない、臨時雇いの工作員で全部やっていきます。

 このバリー・シールもその一人なんですよ、、。

 これ、真剣に見れば見るほどホラーなんですよ、、。

 あと、また一つ、トム・クルーズの野球好きが出ました。
 中南米で暴徒化しそうな連中に囲まれたとき、野球のバットで
応戦します。
 前にも書きましたが、トム・クルーズって本当に野球が好きなんですよ。
各作品、めっちゃ野球関連が出てきます。
 
 あと、気づいている人は、居ると思いますが、
 バリー・シールがワシントン関連ですかね、、捕まりそうになったときに、
話しかける人が居るんですが、州兵のパイロットだといってましたが
あれ、ブッシュ・ジュニアです。



 ネタバレ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 予想どうりの結末なのですが、最終的には、ありとあらゆるところから
命を狙われます。
 で、義弟を車のスタートキーで爆殺されてて自分もそうなるだろうと、
エンジン掛けるたびに、変に気を使って、周囲の人間を自分の車から
放すシークエンスが連続しますが あれって、、どうなんでしょうね、、。
 ものすごい微妙な気持ちになって見ました。
 良い奴だとも取れるし、、。どうなんだろう、、、。

 すんごい、見終わった感は悪い映画ですね、、。
また、逆に、真剣に見ればみるほどいい映画、、。
告発ものとしてね、、。 

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ザ・マミー 呪われた砂漠の女王 

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

アウトロー 2012 

オブリビオン

評価
迷うな、、、。映画としては、3か4だと思うけど、
受け取り方次第ですね、、。
逆に、鑑賞者のリテラシーを試されるというか、、。
かわいそうなので、☆一個+。
☆☆☆☆。

2
yve 

「イブ・サンローラン」
監督・ジャリル・レスペール
主演・ピエール・ニネ

 これ、ググると、2010年版の「イブ・サンローラン」って
のも大量に引っかかってくるんですけど。 
 しかも、同じ、原作というか、書籍から映画化されているようで
公私とものパートナーだった。ピエールの証言から映画か創られている面まで
そっくりです。 
 どうなってんの?。
 オシャレでもなければ、センスもない私からすると一番遠い分野の映画です。
頓珍漢なこと書くかもしれませんが、ご容赦を。
 イブ・サンローランがブランドだってことはは知ってます。
 というか、マツコの月曜から夜ふかしで屈指のキャラが沢山出てくるのですが、
とある砂丘で有名な県から東京に女子大生として
進学してきた、スタッシー(呼び方、覚えてから服は買おう。)が、一年で首に
巻いていたのが、イブ・サンローランのスカーフという、、、。
なんか、最近の出来事で思い出しました。
 閑話休題。

 そのイブ・サンローランの評伝ですね、公私とものパートナーって
はっきり書くと、この人、ホモで、夫婦善哉じゃないですけど、
(あれは、ダメ男のお話です)
 このピエールという同性愛のパートナーが
糟糠の妻みたいになって、支えに支えています。
 それで、同性愛のいや仕事の上でも重要な人物で
公私共に、欠かせない人間関係なのですが、浮気したり自暴自棄になったりと、
実際の零細企業の夫婦みたいな関係になるところが、私的には、ツボでした。

 ただね、、。ファッションやデザインがわからない私からすると、
デザインやセンスがすごいというは
伝わるのですが、それ以外は、ドラマは80年代に英国でたくさん作られた
ホモ映画以上の衝撃はなかったです。

 正直、めっちゃ退屈でした。

 実は、ホモって、驚きの感じでもなく、最初から、想起させるシーンは
たっぷりあって、そこも描きかたは、もう一つでした。 
 ただ、キリスト教国では、日本以上に同性愛って禁忌で、
 タブーなんですよね、、。マジで罵られるし、
本編でもありましたが、いじめられる。
 神の教えの産めよ増やせよ地を満たせから、外れているわけで、
宗教的インモラルとしても、取り扱われるわけです。
 日本ぐらいだと、一時期言われてましたから、後、タイですか、
同性愛のタレントが堂々とテレビで仕事しているなんて、、。

 大体、評伝や、実録ものって切り取り方がめっちゃ映画として
むっちゃ難しいのですが、
 本作の場合、イブ・サンローランが一番活躍した時期とい多感な時期ですかね
それをあつかっています。
 まぁ、一番面白いところなはずなんですが、
 それでこれじゃ。ちょっと厳しいな。
 映画によると、つい最近まで生きていたみたいですね、、。
 ラストの処理の仕方は好き。
 結局、ピエールの細うで繁盛記というか、超純粋な片思い映画みたいになっております。

 評価 すいません。
悪い映画じゃないと思うのですが、退屈。
☆☆。    

 

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