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「ヒトラー ~最期の12日間~」
監督・オリヴァー・ヒルシュピーゲル
主演・ブルーノ・ガンツ

 これ、前ちょこっと終わりの方だけ見て、衝撃を受けて
全部見ればよかったと後悔して今回、きっちり見させてもらいました。

 すごい作品ですね、、。ちょっと言葉がないです。

 戦争映画というか、戦争そのものがものすごい極限に人間
追い込むものなのですが、それの究極版といいますか、
ヒトラーがガチガチに防御された首都の地下壕で
汚れ一つない軍服や服装の中、
どんな最期を迎えたか、きっちり描かれているわけですが、
 テーマというか、主旨は岡本喜八さんの
日本でいちばん長い日に近いかもしれませんが、
 味方でドタバタやってた日本とは、同じ敗戦国でもちょっと違うかもしれません。

 意図的に、対比とし描いていると思いますが、
 壕を一歩出た外に居る人間が中に入ってくるとずごい違和感が
あるんです。外まさに戦場泥まみれ、血まみれの人間が、壕に入ると
そこはコンクリートで囲まれて入るものの、全員が清潔そのもの。
 又、終盤の壕内に呼ばれる、軍医と看護婦が目にする、壕内の
阿鼻叫喚というか、もうめちゃくちゃになっている壕内がすごい。
 厳重に警備されているものの、中では、ゲッペルス婦人が子供に
 傷ついた人を元気づけるために、歌を歌わせ、次の間にいくと、
 将軍たちそれも、ハイパー偉い陸軍内の幕閣たちが、酒を飲んで酔っ払ってる、
最終的にヒトラーにあうと、怯え手が震え、近づいてくれと言われる。 
 それと、女性なら、自身の子供を全員毒殺したゲッペルス婦人が
一番印象に残ると思います。事後夫のゲッペルスが手を伸ばしても
その手も取らず、カードをものすごい速さできり占いをする。
子供を毒殺させたのは事実としてゲッペルスの伸ばした手と占いは史実か、
演出なのかしりませんが、
 強烈なドラマです。
 
 とにかく、映画の持ってる力をまぁ、ドラマですが、それをこれでもかと、
見せつけられた気がしました。
 又、ブルーノ・ガンツの演技にも圧倒されました。ときには、穏やかに、威厳に満ち、
怒り、怯え、これだけ喜怒哀楽を表現できたら
俳優として本望でしょう。
 ブルーノ・ガンツも一番有名なのは、ベルリン天使の詩かな?。

 ナチがどうのとか、ヒトラーがどうのというより、
映画としてみてほしい作品です。

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☆☆☆☆☆。