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「ゲーム・オブ・スローンズ」
監督/演出/脚本 デヴィッド・ベニオフ  D・B・ワイス
主演・キット・ハリントン/エミリア・クラーク/ピーター・ディンクレイジ

 いやぁ、とうとう終わっちゃいましたね、、、、。
 これから、何を支えに生きていけばよいのかわかりません。
 はっきり言って、SWシリーズのラストよりこっちのほうが
めちゃめちゃ気になっていたから。
 もうね、私、ウェスタロスに住んでましたから。
 五王の戦いに巻き込まれてたし、
 ぱっと空を見たら東から龍が飛んで来ましたから。

 たぶんね、もう今日で一週間経つのかな、色んな人が
最終シーズンシーズン8はもう一つだったとか、書いていると思うので、
いつもの私のテクニックで、ちょっと外してしかも、
原作寄りで書きたいと思います。

 基本ネタバレなので、まぁ10年ぐらいかけて放送してるので、
良いと思うんですけど、

 ネタバレ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 また、読んだ本をひけらかすだけの知ったかぶりの
私の悪い癖全開の今回の記事になるのですが。
 私、ドラマ化されるはるか昔から、ジョージRRマーティンの原作読んで
どっぷりハマりました。
 ファンタジーやSFという括りを解いても近年で読んだエンタメ本の中で
一番面白かった小説かもしれません。
 近年といっても、もう10近く経つんじゃないかな、、。
 はっきり言って、もっと表現やテクニック、ページターナー
がうまい小説家は他にいるでしょう。
 だけどね、この読者の心を鷲掴みにする変なテクはねジョージRRマーティンが
私の知ってる限り洋邦問わず、ベストだわ。
 残念ながら、ベストだったと言わざる得ないんだけど、、←意味深。
(あとで詳述します)
 ドラマとか関係なく、膨大に現れる登場人物紹介の分厚いページ見てるだけで
幸せだったもん。
 元々このジョージRRマーティンって寡作知られるんだけど、「サンドキング」
sandkings


と呼ばれる作品が異常に面白いって話題にはなってました。
 ドラマと区別するため、原作は「炎と氷の歌」と呼びます。
私もふーん程度、プロット聞いてもバンブルビー
書いたボーイ・ミーツ・モンスターそのまんまだし、で。
 だけどね、「炎と氷の歌」の第一作はね、もう完全にノックアウト。
 1
 簡単にいうと、今のドラゴンがビュービュー炎吹きながら飛んで
 死なないやつがいたり、死んだやつが蘇ったり、ホワイトウォーカーが
堂々と出てきたりしてる分には信じられないと思うけど、
 とにかくファンタジーのマジック色を極端に抑えた中世戦国絵巻だったんです。
 ただ、キャラクターを極限まで追い込む過酷さは健在だったけど、、。
 この強さと暴力だけが支配する中で異国に亡命した幼い兄妹と
障害を背負った幼子、そして小人がどうやって生きていけるというんでしょうか!!。  
 もうこういう設定にしている段階でジョージRRマーティンの決意表明が
されていると思って間違いないですよね。
 早川書房さんも、翻訳を快調にぽんぽん出してくれて、
2
 第二シリーズです。
3
 これが、第三シリーズ。ここまでは、原作が半歩どころか、
完全にリードしてました。
 はっきりいうと、シーズン3までは、どうなるかほぼほぼ全部知ってました。
 あの「血塗られた婚儀」も、、、。
 あそこはね、キャラクターに過酷を強いるマーティンもなかなか書けなくて
困ったらしいけど、、。
 だけど、すごかったな、、あれは、しかも、
本だとシリーズの真ん中あたりで起こるんですよ。
 もう一つおまけに、小説だとPOVとwikiでも書かれているけど、視点に
成るキャラが決まっていて、私ね、原作の感じだと、もう本当にきれいに騙されてて
良いお客さんだったわけだけど、はっきり言ってね
ジョン・スノウにもう一つ肩入れ出来なかった。POVに成ってるのも
超北部の話を引っ張るためで、ナイトウォッチに入った段階で
もうどう頑張っって中央には戻れそうにないし、あれシーズン8で言ってたけど
終身刑なんでしょある意味。
 こりゃだめだな、、って思ってました。
 ティリオンとかデニーとかは応援してたけど、あと只々翻弄されるだけの
サンサはかわいそうすぎるし、実はアリアも苦手だった。
 所詮女の子でしょ、、。どんなに訓練してもマウンテンとかハウンドとかいる
この中世で無理だろう、、と。ハレンホールの話も怖いだけだったし。
 ただ、呪文のように唱える殺しのリストだけはめっちゃ共感できたけど。
(あれぐらい思うときあるでしょ、人間だったら)
 で、誰推しで読んでいたかと、いうと、ロブ・スタークですよ!!。
 これがね、なんとPOVでなくて、POVは母親のキャトリンなんですね。
 これね、息子の成長をハラハラしながら見守る母親のお話って気づかなかった私。
「血塗られた婚儀」で本当に全てが終わったって思ったから、、、。

 それと、原作だとこの辺でちょこっとだけ書いとかないいけないんだけど、
もう忘れていますけど、翻訳者が途中で変わりました。
 でその変わった訳者さんがキャラの名前の発音から表記、ナイトウォッチも
冥府の番人だったけ、ずばずば用語を変えていくと訳禍事件が起こります。
 まぁオーディオブックだとこうだとまで新しい訳者様は言っていたので
正しいのは早川のSF翻訳の第一人者でもあるこの方なんだけど、

 私も若かったから怒髪天だったなぁ、、。

 ところがここらあたりから、新刊が滞りだし、なんとドラマ化の話が急浮上。
 ドラマでの訳語と字幕、吹き替え、と小説での用語変更問題がぶっ飛んでしまいます。
 しかも、ドラマも出来が良い。
 まぁね、。ペイテレビのHBOで映画並の予算とはいえ流石に10話ぐらいだから
ちょっとやすっぽいことは否めないんだけど、、、。
 私ぐらい原作から心酔しててキャラの名前の読みや用語を変えられたぐらいで
怒りまくってた私も納得する出来ですよ、、、。
 ほぼほぼみんなイメージどおりなんですけど、ティリオンだけ小説の表紙でも
マザー・グースのハンプティ・ダンプティ風に描かれてて
(たぶんマーティンもそのイメージだったと思う)
もっと太ってるイメージだったんですね。
 それこそ卵みたいに、、。だけど、もうピーター・ディンクレイジのケツアゴの知的な感じが
食っちゃいましたね。彼自身もその後「ピクセル」とかスリー・ビルボードとか
スターの路を駆け上がっていったし、、。

 ここでね、こんな面白くドラマ化しているドラマの製作を主導している
デヴィッド・ベニオフとDBワイスに注目した私。
 うん!?どっかで聞いたことあるぞ、ベニオフ!?。
 そ、そうなんです!!。
 デヴィッド・ベニオフって「25時」
25
 とか、
egg
 近年ではこっちが有名か、
 の作家のデヴィッド・ベニオフなんですよ、、。

 おい、マジかぁ、、、!。
 あのね、これ読んだらわかるけど、めっちゃ作風が似てる。
 どっちもってベニオフとマーティンなんだけど、めちゃめちゃ残酷で
過酷。
 ベニオフがジョージRRマーティンの世界観に入れあげるのめっちゃわかると
すべての符号が一致したわけです。
 ベニオフがこんな映像志向の人だとは思わなかったけど、、。

 かくして円環は閉じた。

 それと、実はジョージRRマーティンもめちゃめちゃ映像志向の
人なんですね。
 上記で寡作と書きましたが、サンドキングとこの炎と氷の歌の間なにしてたかと
いうと、ポツポツ作品は書いているんだけど、ゲームのコンテンツの
シナリオ書いたり、ドラマとか映像のシナリオに熱を入れてたらしいんだわ。
 でも、映像メディアのほうが規制が多いでしょそれで悩むとか言うか困っていたらしい。
 だから、マーティン自身も映像化って俺の作品を横取りしやがってて感じでは
なく非常に協力的なわけです。
 だけど、これが、思わぬ副産物を生み出します。
 もう原作も大ベストセラーになっているんだけど、小説の刊行がぱたんと
止まります。
 もうこの辺ってぎりぎり 

4 
 乱鴉の饗宴ぐらいは小説が先で、
 ジェイミーとブラックフィッシュの籠城戦での
やり取りとか読んだ記憶があるんだけど、この辺ぐらいからね、
 実は小説のほうが少しだけど、本当に少しなんだけど失速しだします。
 ほんのチョットなんだよ、、。
 元々、乱鴉の饗宴も
5
 この最新シリーズ竜との舞踏と一緒にして一冊だったはずが
あまりにも筆が遅いのと分厚くなりすぎたので、二分冊したわけです。

 あのね、今まで小説では捨てエピソードが一切なかったんです。
 それがね、話を広げすぎたと言うか、端の方まで書きすぎてきたというか、
あれ?これなんのお話なの?後半への伏線かな、、というちょっとね、
ちょっとね余計な感じになってきたんです。小説はね。
 その辺書き手って一番の読み手だから、多分如実にマーティン自身が
感じていると思います。
 元々、七王国の玉座の第一章が思いがけずスルスル書けたから書き出したって
いうマーティンですから、、、。
 で、小説は実は英語圏でも、ここでストーンと止まっています。
 ハードカバーで上下二段組みで三分冊だっけが文庫で出るぐらいまでなっているから
どれくらい止まっているかご想像出来ると思います。
7
 こういう、連作集のサイドストーリーは出ているんだな、、。
 こういうの書くなら本編書いてよ、、。
これもネタバレになるんだけど、このエッグってターガリエンのエイゴン
誰々だし、背の高い草摺りの騎士のダンカンって もう原作のほうは
覚えていないけど、騎士の目録をジェイミーが見て自分は真っ白だって
気付くシーンがあったでしょ、ブライエニーが書き足すんだけど、
 あそこで、出てくるんですよ、、、。
 丁度100年ぐらい前の話の設定です。
 
 どれくらいベニオフとワイスとマーティンが会って話の展開の先を
決めているか誰にもわからないだけど、

 ここで、ドラマが原作を追い抜くという前代未聞のドラマシリーズとして
もうゲムスロって書くべきか、、。
 ゲムスロは存在しだします。
 もうあんまり覚えていないし、実はもうシーズン3と3冊目までの
一対一関係ではなく成っています。
(いつも調べないで、勢いだけで書いているブログなんで許してね)
 確かね、乱鴉の饗宴と竜との舞踏を足してか乱鴉の饗宴だけで
シーズン4~5ぐらいになるのかな、、、。
 小説では竜の舞踏の最後でジョン・スノウが刺されて、終わると
 これがシーズン5の終わりだから、、。
 逆によくまとめたぐらいののり、、。
 だから言ったでしょ、小説のほうはちょっと無駄な話が多くなりだしているって。
 
 シーズン6はラムジーとの戦いで
 あの北部でのバトル・オブ・バスタードは本当にすごかったですね。
 先に読んで知っているせいかもしれませんが、ティリオンが大活躍する
ブラックウォーターの戦いも、マンス・レイダーが巨人や
マンモスまで使って攻撃してくる
壁をめぐる攻防もあれれれと、ちょっとしょぼかった。
 けどね、ハード・ホームでのホワイトウォーカーとの
戦いあたりからどんどんレベルが上ってます。

 このシーズン6からは、完全にドラマの独り立ちです。
 一体、誰が話しの展開のイニシアティブを持っているんでしょうね、、。
 そっちのほうが気になる。
 実を言うと、もう小説とドラマでは生きてたり死んでる人が違います。
 概ね合致しているんですけど、小説の方はですね、死んだ描写がない限り行方不明どまり
とかなってまして、書いちゃうとキャトリンも生きてます。実はマウンテンみたいになって。
 あそこも、めっちゃびっくりしたもん。
 で、キャラもまとめられたりしてます。ジェイミーの腕を切るロックも
実はヴァーゴ・ホウトというめっちゃ残酷なやつがいましてここもドラマが
あれでもチョット自粛してます。ヴァーゴ・ホウト自身が報復でめっちゃ残酷な目にあいます。
 話は変わりますが、腕を失ってから急にジェイミーが私好きになりました。
 良いやつじゃん、と。

 ちょっと疲れて来たので、もうエンディングを迎えたいのですが、、、。
 このドラマ、小説も含めてですが、面白さは簡単で極限までキャラを追い詰める。
 残酷なってものじゃない。過酷なんてものじゃない。
 そしてもう一つはびっくりしたって私も書いていますが、この小説の書くきっかけは
マーティンが百年戦争の絵画を見たときだったそうです。
 まぁ歴史モノを書きたかったのでしょう。だけど、歴史ものだとここでこの姫様は死ぬ
とか王様は助かるととか全部わかってる、それを取っ払いたかったと
言っています。 
 それも、読んでいてなんとなくわかります。
 この小説、ドラマ、裏切りに次ぐ裏切りです。
 
 それと、ベニオフの破綻なきシーズンごとの構成もいいのですが、私に言わせると
読み忘れているのかもしれませんが、ドラマで結構いいシーンに足しているんですね、、。
アリアが最初に人殺しをするハウンドとポリバーとのやり取りなんか
ベストシーンの一つだと思っています。

 で、シーズン8ですけど、まぁやっぱりね、大河ドラマでもナレ死っていうぐらいですから
しょうがないですよね、、、。
 だって、終わらせないといけないんだもん。
 あと、ファンタジーの要素が極力すくないファンタジーって上記したわけですけど、、。
 三匹のドラゴンがだんだん成長するのはわくわくするし、
 ドラゴンがむちゃするのも喝采なんだけど、デナーリスやジョンが
ドラゴンの背中に乗るのは、ちょっとね、ちょっとだけどひくんだな、、。
 どうしてかは、わからないけど、、、。
 あと、よく冬来るとか、長い夜が来るとかさんざん言っててサーセイにまで
見せるためデッドを捕まえに行ったのに、
 最後は人とナイトキングの戦いだと勝手に思っていました。
 で、ウィンターフェルに結局良い側の人間が集まるのも、
なんとなく、もう裏切りが少ないでしょ、、だから面白くないなぁ、と。
 ここで、いっぱいキャラが死ぬんだろうなぁ、、とも予想できたし。
 あのしっかり者のリアーナ・モーモントは生かしといてほしかったな、、。
 で、あっさりあの、ナイトキングの軍勢に人が勝っちゃうのも、あの回は
80分枠でしたが、ちょっとね、、。
 マウンテンがバイパーの毒にやられて それをメイスターじゃないクァイヴァーンが
生き返らせるんだけど、、。
 サーセイ側もユーロンとゴールデンカンパニーだけでなく、死を克服出来る
なにか技法があって、デッドとデッドの一大決戦とか予想してたんですけど、、、。
 ナイトキングとの戦いが最後ではなくて、最後は人と人の戦いってのも
ドラマとしてはわかりますが、サーセイがやられた段階で、
もうデニーとジョンの争いになるのは、日本の歴史モノ「太平記」でも必至ですよね。
(尊氏と直義です)
 全てを知っている私達からすると、ジョンがわれこそエイゴン・ターガリエンって
名乗って統治すればいいじゃないと勢い的には思うけど、ジェイミーじゃないけど、
クィーン・スレイヤーに成ってしまったことには
違いないし、民衆や諸侯、卿(ロード)のみんなが信じないでしょう。
 ドラマであったかは覚えてないけど、キング・スレイヤーももちろん駄目だけど
同族殺しのキン・スレイヤーも駄目と小説ではありました。
 だから見ていて納得がいかないかもしれませんがジョンがなにがしかも罪を犯した
ことは間違いないという判断です。

 一番シーズン8がハプニングが少なかった気がします。
 選挙で王をというのも、犬にも投票させるのか、というのは中世らしくてよかったけど
ブランの後はまた血みどろの争いになりそう。
 そして疲弊しているからって北部を別個にするのも、波乱のたねになりそう。
 まぁシーズン8は今までになく予定調和だった割には、あんまりみんなが納得できない
終わり方をしたってことですね、、。
 だけど、まぁしょうがないでしょう、。

 噂だと、書き上がっているとかよく聞きますが、、。
 どうですかね、、、、。ただ、小説が全然別個の終わり方に成るのは
必至です。
 実はドラマでは、レイガーとリアーナの子エイゴンが
ジョン・スノウだったわけですが、
 小説ではもうシーズン5ぐらいのことになるのですけど、ヴァリスが
そのエイゴン・ターガリエンを秘匿しています。丁度「竜との舞踏」のラスト。
 だけど、わかんない。死んだシーンが描かれるまで死んだことにならないぐらい
当てにならない書き手の小説だから、、。
 エイゴンだと思いこんで秘匿しているのかもしれません。
 それに誰かを勝手に名乗らせるだけでもOKだし、、、。

 駄目になって自然消滅するシリーズよりはちゃんと終われてよかったと思いましょう。
 制作に携わったスタッフ・キャストの一同みなさま、
 本当に楽しませてくれてありがとう!!。

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評価
☆☆☆☆☆。